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遠距離介護は突然に。シーズン2 ⑤

弟は、午前中面会に行き、その足で東京に戻った。
実は、面会時間は午後三時以降なので午前中面会は出来ないのだが、本人に頼まれた上着を届けたいという事で事前に看護師さんに許可をもらっておいたのだった。裏技を使いながら面会に行った弟から、父がスースー寝ている動画が送られてきた。「寝てるので様子を見ます。」
しばらくして、点滴に来た看護師さんに父は起こされ、弟は「短めにお願いします💢」と注意されて、上着を渡して一言二言かわして、駅へ向かったとLINEが入る。私は、「お疲れ、午後は私が行くね。」と返信。

明日火曜日から、連休明けの平日が始まる。
もともと、父の通院の手伝いとヘルパーの相談契約などして、土曜日に引き上げる予定だったのだが、父の体調の急変と入院とで、様々な手続きも連休明けの平日にならないと始まらないので、火曜日まで私の滞在を延期した。夫は、何とかなってるからもっと居ても大丈夫と言ってくれ、職場にも事情を話して予定通り帰れないことを伝えた。また退院して次の病院へ転院することになっているが、まだいつになるかわからない。一旦、火曜日午後の面会後は、病院にお任せして帰ろう。その日の面会時、父には、「明日来たらその後は、一旦私は帰るけどまた来るから頑張ってね。」と伝える。頷く父。心配ではあるけれど、今後24時間張り付いてずっと面倒をみれる訳ではないので、父自身と看護師さん達に任せるしか無い。

そう思っていたら、その夜、弟から電話が来た。
ここ何回かの面会で、どんどん訳がわからなくヨレヨレになって行く父を見ていた私達。一番下の弟その2も、今度の週末に何とか日帰りで父に会いに来る事になっていたのだが、弟その1曰く、このまま、何日か誰も来ない日が続いたら、〇〇が来た時には、お父さんもう分からなくなっているかもしれん。自分が明日と明後日の仕事の後、有給とって間が空かない様にお父さんに会いに行くからという。
そうかもしれない。父には、何とかもうちょっと頑張ってほしいが、この様子だと坂道を転がり落ちる様に色々ダメになる気もする。今が重要な時期かもしれない。弟は木、金曜日は自分が面会に行くというので、私ももう一日伸ばして火、水曜日までいる事にした。そうすれば、誰かしら毎日会いに行ける。
次の日の面会で、持っていっていたカレンダーに誰がいつ来るかを書き入れて、毎日誰かしら来るよと伝えた。
父は、「そりゃ、みんなに迷惑かけるのう。」と恐縮していたが、「大丈夫、大丈夫、全然大丈夫よ!」と伝える。
大丈夫って、いい言葉だ。
前回の入院時には、LINEのやり取りが出来ていたので、それほど心配しなくて済んだが、今はもうスマホを見たり返信したりする余裕は無く、やり方も分からなくなっている様子。誰かがいって、様子を共有したい。

今日の午後の面会で私にあった父は、「昨日か一昨日か、〇〇が来てくれた。」というので、「うん、昨日じゃなくて今日の朝来たよ!寝たり起きたりするから、いつかわからんよね。ワハハ。」とまた笑っておく。
とりあえず、私達のことはわかっているし、来たことも覚えているし、大丈夫。

週明けの火曜日水曜日で、介護認定の見直しで要介護1に変更になった事も確認でき、病院の退院後を世話してくれる福祉コーディネーターさんとも話しをする事ができ、新しいケアマネジャーさん繋がることも出来た。すれ違いになる筈だった弟が一足早くきてくれたので、色々と事務的な事の確認と引き継ぎをする事もできた。前回の帰省で私自身の印鑑も必要だとわかったので、今回は印鑑も携帯しているのが役に立った。遠距離介護中の方、印鑑携帯する事をオススメします。
ヤクルトの宅配を止めてもらい支払いをし、新聞も停止した。ゴミも捨てた。気になっていた事が色々片付いた。平日って大事。

水曜午後の面会を終えて、夕方の新幹線に乗り、埼玉の家に帰った。弟にバトンタッチ出来て、安心して戻ることが出来た。
到着した駅には夜でもタクシーがいっぱいいて、うーん、ここは大都会だなぁと実感。

続く