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遠距離介護は突然に。シーズン3④父の入院生活と遠距離見守り

遠距離介護の子供達と入院中の父。
コミュニケーションの手段として、スマホでLINEビデオ通話の方法をなんとかキープしている。
長女の私が代表で毎日父に電話して、弟達に様子をグループLINEで報告。通話中の画面をスクショして添付したりもする。
電話したタイミングで必ずしも父が出てくれるとは限らないので、暇な私が何度かかける方式。週末には、弟が父を訪ねて食べられそうなものを差し入れたりする。
入院当初は、入院中の人に電話をして同室の人に迷惑じゃなかろうかとか、病院のご飯の他に余計なものを差し入れてもいけないのだろうかなどとあれこれ考え遠慮していたのだけど、そういうのがウェルカムな病院で、家族の励ましを大歓迎してくれるとても良い病院なのだった。
弟が面会中に、看護師さんが、「お父さん、焼きそばが食べたいそうなんで、もし良かったら近くのスーパーで買ってこられたりしても大丈夫ですよ。」と教えてくれたそう。よく聞けば、カップ焼きそばが食べたいとの事らしく、弟はペヤングソース焼きそばとUFOの両方を買ってくると、看護師さんがお湯を入れてくれて直ぐに作ってくれて、そのインスタント焼きそばを美味しそうに食べたそう。病室に焼きそばの匂いが蔓延して、父は後でちょっと後悔したそうだが、そんなこともさせてくれる病院なのだった。他に入院した事がないので知らないけど、そんな我儘にいちいち付き合ってたら大変なので、そんな事まで頼めないと思っていた。そこは終末期の患者が多い病院なので、食べたい物があれば何でも食べさせてあげたいので持ってきてくれればお手伝いします!と言ってくれるのだった。
その後も、ベッド脇の引き出しに「どん兵衛」も入れてあるのを見つけた看護師さんが、「ここにええのがあるが!これお湯入れましょう!」と病院食手をつけない父に、どん兵衛を作ってくれたりして、そのスタイルが公式となった。
私達がいつもはいけないので、親戚の叔母にその事を伝えると、はりきって小さいサイズカップ麺をいろんな種類詰め合わせれ届けてくれた。ご飯も食べずに、カップ麺ばかりではいけないだろうと、白ごはんのお供にちりめん山椒と梅干しも届けてくれた。
それがあると、ご飯が食べられるようだった。
ある時は、週末に訪れた弟が、新幹線の駅であなご弁当を買って持っていってみると、美味しそうに半分食べた。残りは、「冷蔵庫に入れておくから、次の日のお昼にまた温めて出しますね。」と看護師さんが言ってくれた。
そう弟から報告を受けた私は、次の日の電話で、「お父さん、昨日〇〇が穴子弁当持ってきてくれたんじゃろ?美味しかった?。」と聞いた。すると父は、「ありゃあ美味かった。まだ残っとる筈で、看護師さんがまた持ってきてくれるいうたのに、もう何日も経ってしもうて、看護師さん忘れたんじゃろう。もう捨てられたかもしれん。🥲」と残念そうに言う。父はだんだんと日にち感覚が失われているようで、1日に何度も寝たり起きたりしていると、昨日のことなのか何日か経ったのか分からなくなるようだった。
私は、「大丈夫、お父さん!〇〇が穴子弁当持ってきたのは昨日で、まだ冷蔵庫入っとるけ、看護師さんに言えばあっためて持ってきてくれるよ!今日中に食べんと、もう廃棄されると思うから、忘れんうちに、この電話の後、直ぐナースコールして食べますって言って。」と言う。「💡!!まだあったんか!じゃあ、ナースコールする!」
完全にナースコールの使い方を間違えているが、そんな事にも快く対応してくださる素晴らしい看護師さん達。本当にありがとうございます😭。

この時、看護師さんが冷蔵庫に好意で冷蔵庫に入れてくれたのだけど、冷蔵庫使用料月100円を払うと給湯室にある冷蔵庫に看護師さんが食品を入れて管理してくれるシステムだったらしく、冷蔵庫使用も改めて申請した。

入院費の請求は、埼玉県にいる私に届き、乗っ取り済みの父の口座から支払い、兄弟グループLINEに報告。
父には毎日電話をして様子を聞く。
近くに住む叔父や叔母達が誰かしら訪ねてくれる。差し入れてくれる。
父からは、先生は特に何もしてくれんが、看護師さんによくしてもらっている話しを聞く。先生はディスられて気の毒だけど、もう出来る治療がないからねとは言えないので、「大丈夫、痛くないから先生の出番がないけど、その方がいいじゃん!切られたり注射されたりされるより、いいじゃん。」と変な励ましをする。

そんなこんなで遠距離見守りを続けて、また実家に帰る日が来た。
続く