生一本なあなたへ

あなたが旅立って、もう三年になりますね。変わらずお元気でしょうか？

先日、あなたが大好きだった岡山県の美観地区へと足を運びました。

白壁の蔵屋敷に、美しい堀割りと柳並木。昔ながらの風情ある街並みには、町屋や蔵を改装したショップやカフェが立ち並ぶ。

”今”と”昔”が緩やかに交錯する、不思議な空間。

あなたはいつもカメラ片手に、それらの光景を切り取っていましたね。飽きる事なく、何枚も。

私もあなたを真似てみたけれど、やっぱり素人じゃダメみたい。何枚撮っても、どれだけ真似ても、あなたの写真には程遠くて。

あなたと私では、見える景色にこうも差があったのかと愕然としました。

同じ景色を見てたつもりで、全然違う見方をしていた私たち。

真っ直ぐで一途なあなたは、これからも自分の道を歩き続ける事でしょう。あなたの歩むその道が、幸多きものでありますよう。心から願っております。

いつかこの手紙が、あなたに届きますように。