見出し画像

我が家唯一にして最大のルール

我が家には昔から、決して破ってはならない暗黙のルールが存在します。それは『お茶碗に注がれたご飯は、米粒ひとつ残さず綺麗に食べ切る』ということ。

何故、これが暗黙のルールとなっているのか。それは、小さい頃からの父の教えにあります。

私の父は穏和で、昔から滅多なことでは怒らなかったそうです。事実、娘である私すら父が声を荒げる場面に出会したことはなく。子供が何か悪さをしても、感情的に怒るというよりも静かに叱って諭す。とても物静かなタイプです。

そんな父が一つだけ、私たちに言い続けたことがあります。それが冒頭でも述べた「お茶碗のご飯は米粒一つ残さず、綺麗に食べ切りなさい。」というものでした。

父曰く「お米一粒には七人の神様が宿っているから、少しでも粗末にするのは罰当たり。」ということらしいです。小さい頃は「こんな小さなお米の中に、本当に七人も神様がいるのかな?」なんて思っていましたが。今ではこの教えに感謝しています。

お米を一粒残さず食べ切るには、それなりの箸さばきが求められます。だからこそ、少しのお米も残さないようお箸と格闘した幼少期。特に特訓したわけでないのに、いつの間にかそれなりの箸さばきができるようになっていました。

さらに。お茶碗のみならず、おかずのお皿も綺麗に平らげる習慣が自然と身につきました。そのおかげで、社会に出てから何度か「綺麗に食べるね。」と褒めていただく機会にも恵まれました。これも単に父の教えのおかげだと思っています。

焦ることなく、一つ一つを丁寧にいただく。それこそがこの教えの肝なのかもしれません。

実家を出た今、父と顔を合わせる機会も格段に減りました。それでも私は今なお父の教えを守り続けています。それは、この教えがあったおかげで今の自分があると思うから。でも、それ以上に。

父が私に課した唯一のルールだから、というのが大きいかもしれません。割と自由気ままに育ててくれた父からの、唯一の決め事。

私はこれからも、この教えを守り続けていくことでしょう。そうする事で、離れていても家族と繋がっていられるような気がするから。そして将来、自分に子供ができたなら。その時は自分の子供にも、この教えを伝えていきたいと思います。


いいなと思ったら応援しよう!

あずき
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!皆さんの「スキ」が励みになります♪いただいたサポートは何かしらの形でnoteに還元していきます☕️ご縁があればフォローもよろしくお願いします🍀*°