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初めての一聴惚れ

私が初めて買ったCDは柴咲コウさんの【かたち あるもの】でした。

ドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』の主題歌だったので、ご存じの方もいるかと思います。

当時このドラマにハマってた親戚に勧められて私も見てたのですが、私が心惹かれたのはドラマの内容ではなく最後に流れる主題歌の方でした。「綺麗な声だな」と思ってよくよく聴いてみると、歌詞がものすごく良い!

夜空に消えてく星の声
儚げに光る鈍色(にびいろ)の月
二人で泳いだ海は何故
束の間に色変えてゆくんだろう
このまま眠ってしまいたくない…
あなたをまだ感じてたい…
もしもあなたが寂しい時に
ただそばにいることさえできないけど
失くす傷みを知ったあなたは
ほかの愛を掴めるそう祈っている…
いつかあなたが夜に迷い
ふとあの日を見つめかえすなら
眩しすぎる太陽の中で
微笑む私を思ってね
重ね合わせてゆく「好き」のつよさ
泣くことさえ愛に変えた…
強がる愛の弱さ両手に
抱えてもろい絆を確かめてた
でもこの今(とき)を生きるあなたを
ずっとずっと見守る my love その心に…
泣きたいときや苦しいときは
私を思いだしてくれればいい
寄り添える場所遠い夏の日
温もり 生きる喜び
全ての心に…。

一目惚れならぬ、一聴惚れ。この曲を聴くためだけに毎週ドラマを見てるような感じでした(笑)

最終回を迎えると、ドラマが終わってしまった悲しさより「もうあの曲が聴けないのか…。」という虚無感の方が大きかったのに気づいた時は、自分で自分に驚きました。今まで「いいな」と思うことはあっても、そこまで心惹かれた楽曲に出逢ったことがなかったから。

聴きたいのに、聴けない。まるで片思いしてるような悶々とした気持ちを抱いていたある日、見るに見かねた母から救いの言葉が。

「そんなにあの曲が好きならCD買えば?」

その頃の我が家は許可制で、何を買うにも母の許可が必要でした。

「絶対必要な物でもないし、とても許可が出るとは思えない…。」

そんな私の考えとは裏腹に、いともあっさり出された許可に思わず拍子抜けしてしまった。とはいえ、許可が出たからこれで心置きなくCDが買える。それまでCDを買ったことのなかった私は浮足立っていました。

母に連れられて一緒にショップへ行き、念願のCDをゲット。初めて自分で買ったCD。少し背伸びした気がして、胸がドキドキした。

急いで帰宅した私は、逸る気持ちを抑えつつオーディオプレイヤーにCD入れて再生ボタンを押した。流れてきたのは何度も頭の中で再生していたあの歌声。

「この曲がこれからいつでも聴けるなんて。なんて贅沢なんだろう。」

それからしばらくは毎日のようにこのCDを流していました。聴けば聴くほど、心が落ち着くような気がして。流しすぎて家族がこの曲をカンペなしで歌えるようになったのも、今となっては良い思い出です。

YouTubeで手軽に音楽を楽しめるようになった今でも、時々ふとあの曲を聴きたくなる時があります。最近は本当に便利で、スマホでも手軽に音楽を再生できる。画面を押すと流れてくるのは、思い出のあの曲。その歌声も歌詞もあの頃のまま、私の心を穏やかにしてくれる。

これからもたくさんの音楽が生まれるんだろうけど、これ以上に好きになれる曲にはよっぽどじゃないと出逢えないと思う。そう思える曲が初めて買ったCDというのは、私にとって得難い幸運でした。


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あずき
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