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随想好日 第三十一話『真ダチと助ダチ』

まずサムネイルをご覧いただきましょうか。
如何でございましょうか、この白く輝くビランビランw
美しいではありませんか。見る人が見れば鮮度の良さと掃除の良さは一目瞭然でございましょう♬
 これね、わたしの仕事なの♬ わたしの作品。
 わたしね、都合にして9年ほど厨房に立っていたことがありまして。観光分野と飲食分野の二足の草鞋を履いていたことがありまして。
 わたしの師匠が良かったのですね。
 掃除の仕方と鮮度に関してはキッチリ身に着けることができまして。
 我がお袋と我が実弟なんですけどね。

まぁ、そのうちどこかで書くこともあるかもしれませんが。今日のお話しは"真ダチと助ダチ"です。

 さて、北緯43度近辺ではこのタラ(鱈)の白子のことを「タチ」と呼びます。青森辺りまで南下してくると「タヅ・タヂ」という具合になまるようでございますが、このタチ。二種類あります。
スケソウダラ(スケトウダラ)の白子と真鱈(まだら)の白子。
スケソウダラの白子を「助ダチ」と呼び、真鱈の白子を「真ダチ」と呼びます。一般の人たちはその違いを見抜くことは中々至難の業です。

中でも、真鱈の白子は特に高級であり、漁協をはじめとする競り場で競りにかけられる際、真鱈のセリは特別な競りのスタイルになっています。
 腹を下にし腹が見えないように競りは行われます。
仲買さんはみんなこの白子が目当てですから、オスの入った箱ばかりに値段が付いてしまうことになるので、腹を下にし、雄雌が分からない状態で競りにかけられるのです。
 鮭の場合は、鼻曲がりがオスと顔を観ればわかりますが、タラは分からないそうです。

さらに鱈には真鱈とスケソウダラの二種類がありますね。
値段が付き、高級なものは真鱈の白子。
真鱈の白子は、この写真のようにひとつひとつの襞襞が大振りになっており、鮮度が良いものはこのように、薄っすらと本当に薄っすらと透明感のあるピンク色を纏います。
鮮度が落ちるごとに、透明感は失われ、白くなってゆきます。
白子を管理するときは「水晒し」といって、きれいな水の中に晒すこともあるのですが、長い日数水に晒すと白子自体が水っぽいものになってしまいます。せいぜい、三日ぐらいまでと覚えておいた方が良いでしょう。

対して、助ダチ……スケソウダラの白子は、一つ一つの襞襞が小ぶりで、密集した感じがあり、透明感は無く、ミルクの様なアイボリーに近い白い色をしています。
 北緯43度近辺でお吸い物やお鍋の具材として出てくるのは概ねこの助ダチです。真鱈の白子は写真のように白子ポン酢で食べたり、コブに巻いて焼いたり、天ぷらにして食べたりと鮮度の良さが引き立つ料理に用いられます。

 

買ってきたら、まずはそっと水洗いしましょう。
その後、一口サイズぐらいにカットしましょう。
湯通しする前に、綺麗に掃除をしましょう。
デリケートですから、柔らかい流水でそっと優しく撫ぜるように洗います。
キッチンタオルの上で、しっかり水分を取りましょう。
お湯を沸かしておきます。沸騰する手前ぐらいのお湯です。
水分を取った真ダチに酒を振ります。刷毛で塗ってもいいでしょう。
次に塩を軽く打ちます。サラッとです。パラパラっと。
さて、湯煎します。
鮮度が良いものだと、ほぼ生食で食べられますから、表面の色が白く変わる程度です。30秒は長すぎです。15秒ぐらい。
湯上げしたら、冷水にさらして締めます。氷があれば氷水で締めたいところです。この時に表面のヌメリを取るようにします。

さて、この時期でしたら柚子釜なんかオシャレでいいですね。香りもいいですね。柚子を上だけカットして、中身をくりぬき、中の底にワカメなんかをしいて、水気を切った白子を入れ、上から薬味。モミジオロシやネギなどを散らし、柚子の蓋を被せ、食べる前にポン酢をかけて頂きましょう。

今の職人さんでも、真ダチと助ダチの見分けがつく人は少なくなっていると思います。実際に分からない人が多かったですから。
さて…… 大体、十月から一月一杯までが旬。

折角です。旨いもの。本物を喰いましょう♬
ちなみにね
変わった食べ方として……

オリーブオイル、マヨネーズ、マスタード、サフランを合わせたソースで食べると……地中海風です。

オリーブオイル、クリームチーズ、粒胡椒、塩をレンチンし、ソースにすると…… これまた濃厚かつクリーミーな白子の高級感が味わえます。
是非、お試しを。

 チョットね、書けないので(笑) お茶濁してみました(笑)

 世一

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