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Sansanで挑戦する、PMF前の新規事業マーケティング
こんにちは。note初投稿します、佐藤です!
Sansanで契約データベース「Contract One」という契約領域のDXを推進するサービスのマーケティングアシスタントマネジャーをしています。
新卒で大手SIerのシステムエンジニアとしてBIツールの設計・導入に取り組み、その後自社システムのBtoBマーケティングに異動。そして現在Sansanに入社してからは、Contract Oneのマーケティングを担っています。
Contract Oneはもうすぐリリースから3年が経ちます。
自身も入社して2年半が経ちましたが、今回は私の目線から「新規事業のマーケティングとは一体どんなものか」をテーマに、SaaSの新規事業マーケティングについて綴ります。
Sansanの第三のプロダクトであるContract OneはPMFを達成し、グロースを開始しました!Contract Oneの事業とメンバーをさらに知っていただくため、各メンバーが毎日noteを更新します。お楽しみに!
変化の連続
新規事業において、事業方針・営業戦略が変わることは必然です。狙いを定めて一気にターゲットを絞り込むこともあります。
Contract Oneも例外ではなく、事業方針や営業戦略が日常的に会話され、数日でターゲティングやリソースが変わることもあります。このような変化は、最前線で顧客と向き合う営業起点で多く議論されてきました。
振り返ると、約3ヵ月ごとにターゲティングの見直しを行っていました。契約DXの市場はまだニーズが顕在化しておらず、連続した売上を作ることに苦戦していたのです。
1. 地味でいい。商談獲得に向き合う
戦略変更が重なる中で、マーケはリード・商談を作るという顧客接点の入り口にも関わらず、常に変化を追いかける形でした。
この「追いかけ続けること」は、はじめは苦しくて不甲斐なくて、虚しく感じることもありました。
しかし変化を繰り返しながら、拡販期に入っていないPMF模索中のサービスは派手な(もしくは"凝った")マーケ施策は不要、地道にやろう、と捉えました。(半ば開き直りかもしれません!笑)
このフェーズは、まず最も購入に近い顧客との商談を作ることに尽きます。量よりも質が大切です。とにかく、営業が”売れる”再現性を見出せるような熱い商談を作ることを目指します。
ターゲットにメールやDMを送って、新機能を伝えたり、契約管理の課題とプロダクトが結びつくようなアンケートをセットしたり。セミナーや広告もやりましたが、それ以上にたくさんのメールを送りました。
「○○なイベントをやってほしい」、「こういう資料を作ってほしい」、これらは基本、心を鬼にして断ります。
私の考えではどの仕事も「売上につながるか」が最終的な判断基準です。施策の計画・実行、商談のセットまでに2カ月かかれば、当時のリードタイムでは残り1カ月での受注はほぼありません。
戦略変更にどんなに早く対応しても、アウトプットに時間がかかる施策は途中で戦略が変わってしまいアプローチされない結果につながります。そうなればどんなにチャレンジングな仕事でも成果はゼロです。
そのため施策の実行基準は、①一定の商談数の確保、②高い案件転換率が見込める、③短期間で実行できること、としました。
2. 事業状況を可視化し、ボトルネック解消に動く
コツコツと商談獲得に向き合いつつ、さらに重要なのは事業のボトルネックを見つけて解消に向けて動くことです。
1つ目で「マーケは常に変化を追いかける形」と書きましたが、マーケは日常的にリードから商談、受注の流れをモニタリングする習慣があり(会社のデータ活用の状況によりますが)、事業全体の数字の可視化はマーケティングやインサイドセールスこそ得意領域であり、できる!と思っています。
商談経路ごとや案件フェーズの転換率、アポイントの獲得率など可視化し、事業目標と照らしながら上手くいってない箇所の解決に取り組みます。
実際にボトルネックを解消するには、横組織の具体的な動きを理解する必要があります。
そこで私は、インサイドセールスの「リードが流入してインサイドセールスの手元に渡るまでのプロセス」、「人ごとのリードの保有・滞留状況」、「日々のモニタリング方法」といった具体を、深く把握するようにしています。
まだインサイドセールスの動きを分かっていなかった頃、数字をモニタリングしても「どう改善できるんだろう?」とつまずいていました。
しかし教えてもらったり、学んだり、業務の理解が進むほど、やっていること・やっていないこと、そして改善の手段を考えられるようになりました。そうして一緒に仕組みづくりをしながら、最適なリードアプローチに取り組んでいます。
3. 伝える力が成否を決める
ある程度の組織規模の企業では、マーケ施策を実施するために社内外のステークホルダーと調整が必要です。
例えばメールを送るにも、①配信日の調整、②原稿やバナーの作成、③MA(マーケティングオートメーション)へのメールセット、④リードのインポート、⑤インサイドセールスへの引き渡し、といった流れがあり、グループを跨いで進めます。
Sansanマーケの仕組みや知見があるからこそ、少ないリソースでも安全に施策ができます。一方で仕組みを使うには、必ず適切なコミュニケーション、すなわち言語化・伝える力が必要です。
仮に言語化が上手くできないと調整は難航します。関係者は他の主力プロダクトの業務の傍らで新規事業を手伝うケースが多いため、目的や意図がわからないまま数字のインパクトが小さい仕事にリソースを充てることは困難なためです。
まずは施策の背景や狙いと合わせて「譲れないポイント」を明確にします。そのためにも事業や顧客理解は欠かせず、営業の商談メモやカスタマーサクセスのオンボーディング資料など日々キャッチアップします。
そして定量効果の見込みもたてます。Contract Oneの数字的なKPIは、Sansanの他のプロダクトと比べて桁が1桁も2桁も異なりますが、「この数字を取ることはContract Oneにこんな意味がある」と伝えるのです。
また具体的な手段にこだわりすぎず「実現したい事」を相談することも必要です。新規事業のマーケターはさまざまなチャネル(施策)を横断的に動かすことが多く、チャネルに特化した情報はどうしても疎くなりがちです。他のプロダクトに成功・失敗体験やトレンドを教えてもらう方がより良い成果に繋がり得ます。
いずれも、自身の意思と意図を正確な情報と合わせて真摯に伝えることを大切にしています。
マーケターとしての成長
冒頭で紹介した通り、私のキャリアはシステムエンジニアで始まりました。マーケティング業務に就いてからも、技術的なバックグラウンドとプロジェクトマネジメントの経験は、上記の全てのこと、そしてあらゆる業務に泥臭く取り組む姿勢として活かされています。
Sansanに入社するまでSaaS事業や新規事業マーケの経験は無かった私ですが、新規事業の荒波を仲間と経験し、振り返れば何かが積みあがっているような…笑
これからもContract Oneの事業成長と一緒に自身も成長していけると思っています。
そんなContract Oneでは事業成長に向けて絶賛マーケターを募集しています!主力プロダクトを牽引する心強いSansanマーケターたちの力を借りながら、一緒に事業の成長をリードしましょう!
少しでもご興味いただけたら、カジュアル面談もお待ちしてます。
明日は、インサイドセールスの頼れるリーダーである飯野にバトンを渡します。お楽しみに!