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数字がこわい

踊ってる気の利く一言も出てくる
しばらく頭の中で生きてる

先週、初めての歌会(オンライン講座の一部)に参加した。
大学の講義で葛原妙子と穂村弘にどハマりした。
とはいえ初心者の私が、短歌を作れるはずもない。
〆切ぎりぎりまで悩んでえい、と作った自由詠が、何と参加者の方にとってもらえた。

私の初短歌。
オセロみたいな裏切りを、ほめてくれてとっても嬉しかった。

題詠のテーマは、数に関するものだった。

チョコレート百まで数える階段の夢がこわくてせがむ
パラソル

小学生の頃、無限にも思える螺旋階段を、一段一段数えなければならない目に遭っている夢をよくみた。
ハッとしてがんばって目を覚ますと汗びっしょりで、いつでもすごくこわくなった。
ねぇねぇと母親を起こしてよく疎ましがられた。母は決まって不機嫌になり(当たり前か)、冷蔵庫のたまごコーナーのところにあったパラソルチョコレートを私に押しつけ、早々に布団に入ってしまった。


遠慮して、10回に一回くらいのペースで声をかけた父親のほうが優しく、すぐ起きてくれた。
チョコレートはくれずに、昔話をしてくれた。
でも小4にはきかない。

夢の中キリよく数える百(いちしろ)が
きもちわるくてかぎりがなくて

オリンピックで惜しくも金メダルを取れなかった瞬間をみた。
あーあ、この選手は東京(メモリアルで生きている、現役のうちに)でとることはもう二度とないんだなというこわさ。
選手たちはきっとそう思っていないかも。でも超身勝手な観客の私は、そんなふうに思った。

キリがあること。そしてないということにものすごくおびえているのだ。

じょ

#大森静佳 #葛原妙子 #穂村弘 #短歌
#不二家 #オリンピック

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