あいつはクセが強くて人を選ぶけど、デッドプールはいい奴だよ
デッドプール2これまでのあらすじ:エッ!?あの『X-MEN:アポカリプス』の1/3の製作費で1.5倍近い全世界興行収入を叩き出したアメコミ映画『デッドプール』の新作の公開が迫ってるんだって?しかも今度の敵は未来からやってきた金属野郎で子供の命が狙われてるんだって~!?そりゃ大変だ!あの爪野郎はミュージカルで忙しいし、アベンジャーズもサノっさんを相手に大変そうだし、こうなったらデップーもラッキーなセクシーベイブや普通のおっさんにセリーヌ・ディオン、ベッカムを集めて最強鬼やばチーム「Xフォース」を結成だ!
さらに進化したアクション、深みを増したヒーローの姿、<愛>を知る全人類に捧げる物語、そして壮絶な男の生き様を目に焼き付けろ。映画『ローガン』、DVD/BD好評発売中!
デッドプール、それは悲しき実験体の物語
デッドプール……またの名をウェイド・ウィルソン。彼はかつて凄腕の兵士として、今は傭兵として活動していたが、ある時末期のガンを言い渡される。彼は藁にも縋る思いである組織と接触する。彼らはウェイドのガンを治すばかりか、スーパーパワーさえも与えるというのだ。しかしウェイドを待ち受けていたのは人工的にミュータントを生み出す、凄惨な人体実験だった。
果たして、ウェイドはミュータントとして覚醒し、不死とも呼べる超再生能力を獲得しガンを完全に治癒したが、その代償として全身が爛れたような醜い容姿となってしまった。失意に墜ちた彼に残ったのは、自分をこのような姿へと変えたクソ野郎への復讐心だった。彼は「デッドプール」を名乗り赤いスーツを身にまとい、元のナイスガイな容姿を取り戻すべく復讐への戦いに身を投じる……!
デッドプール、それは究極の愛の物語
何故ウェイドはそこまでして元の姿に戻ろうとするのか?その答えを知るには、デッドプールがラブストーリーであることをあなたは知らなければならない……。幸せとはTV番組の合間に入るCMのようなもの……夏枯れの気配は英雄と美姫すらも例外なく捕まえる……。だが真実の愛は死なない―。恋人との再会のために難病と闘う男を描き出す究極のラブストーリー、それがデッドプールだ。
デッドプール、それは……おっと、そんなにシリアスに構えるなよ、リラックスしようぜ!
~デッドプール グラビアピンナップ集~
ジッポライターで焼いた七面鳥をみんなに振る舞うデップー。
これがまさかセリーヌ・ディオンのMVの伏線になるとは思わなかったのだ……。
後年に描かれた、未来からやってきたケーブルがデッドプールと出会う運命的な瞬間を表現したとされる絵画。
ファッキンシリアスヒーローとグレイテストショーマン。
左はバストA-のスパイダーマン、右はセリーヌ・ディオンのVRホログラム。
「ベッカム、すごいシナモンのいい匂いしたよ(ヘリウム声)」
可能性の獣をおマタに挟んだデップー。
デッドプール:現在進行形のクレイジー伝説
・銃弾1発で3人殺は当たり前、車内で5人同時殺も
・開幕ヘッドショットを連発
・デップーにとってヘッドショットは股間ショットの撃ちそこない
・孫の手でシコるのも日常茶飯事
・銃弾0発、敵武装テロリスト多数の状況から刀2本で逆転
・残弾12発が全18発に見える
・キスでナードが昇天
・整氷車を持ち出しただけで相手が泣いて謝った、スケートリンクを這いつくばるマフィアも
・自分のジョークに納得いかなければウルヴァリンをディスって帰ってきた
・あまりにもジョークがすぎるから宣伝で顔を出しただけでアウト扱い
・その宣伝でもジョーク
・敵を一睨みしただけで目からオプティックブラストが……出るわけないだろ!
・戦いの無い移動日でもセリーヌ・ディオンのバックダンサー
・電話ボックスで着替えてからおじさんが撃たれる方が早かった
・敵の銃弾をケツで受け止めて人間ケバブにして投げ返す
・グッとガッツポーズしただけで第四の壁破壊
・IFシリーズでマーベルヒーローを虐殺したことは有名
・スピンオフ映画がつくられたきっかけはリーク映像の流出
・マブカプ3のトレーラーでダンテとタイマンを張るというファンサービス
・この記事を全部書いたのはデップー
・この記事を読んでいるのも全員デップー
童話「デッドプールと3にんのわるものたち」
あるひ、マグニートーというわるいミュータントがいました。マグニートーは「ミュータントはにんげんよりすぐれたじんるいだ。だからわれわれがにんげんをしはいする」といって、ひとびとのまちをのっとってしまいました。そこで、ウルヴァリンたちX-MENが「いくらミュータントがにんげんにいじめられているからといってしはいするのはよくない」といってたちあがり、マグニートーたちわるいミュータントとたたかいました。マグニートーはかんがえをあらためて、ミュータントとにんげんがともにくらせるせかいをつくろうと、X-MENとなかよくなりました。デッドプールはX-MENではなかったのでおうちでチミチャンガをたべていました。めでたしめでたし。
あるひ、サノスというわるいうちゅうじんが、「うちゅうはたくさんのいきものでパンクしそうだ。だからいきものをはんぶんにする」といって、インフィニティストーンのちからをつかおうとしました。アイアンマンたちアベンジャーズは、「そんなみがってなかんがえかたでいのちをもてあそぶなんてゆるせない」といって、サノスをとめようと、このえほんではとてもせつめいできないほどのたたかいやかっとうをのりこえて、みごとサノスのやぼうをくいとめることができました。デッドプールはアベンジャーズではないのでおうちでチミチャンガをたべていました。めでたしめでたし。
あるひ、デッドプールがチミチャンガをかおうとチミチャンガやさんにはいると、ごうとうがおしいり、てんちょうにけんじゅうをつきつけていました。「おうい、そこのあんた、たすけてくれ!」てんちょうがさけびました。「なんだお前、スパイダーマンごっこか?」の「なん」を言った時点でデッドプールは二丁拳銃を抜き、「お前の汚い口で愛しのスパイディの名前を出すんじゃねぇ!」の「おま」の段階で強盗の正中線上に12発の鉛玉をぶち込みました。BLAM!BLAM!BLAM!「アバー!」強盗は即死しましたが、死体が床に倒れる前にデッドプールは2本の刀を抜き、強盗をケバブめいて貫き天高く(ここは店内ですが…アッ!天と店のダブルミーニングで高度なジョークだ!)掲げ、「おいおい、口だけは達者なトーシロだな!全くお笑いだぜ!おっと、これじゃまるで邪悪な大尉のセリフだな、気を付けないと」そして死体を外へ放り出しました。チミチャンガやさんのてんちょうはあわをふいてたおれてしまいました。めでたしめでたし。
解説
デッドプールはスーパーヒーローなのか?確かに彼は不死身とも呼べる再生能力を持ち、銃や刀のエキスパートだが、そのオリジンは控えめに言って狂気に満ち溢れているし、第四の壁破壊と呼ばれる数々のタブーを通り越したジョークは、彼を明らかにヒーロ―の中でも異端な存在と思わせる。
第一、彼にはキャプテン・アメリカのような高潔な精神も、アイアンマンのようなイノベーティブも、ウルヴァリンのような義侠心もなく、実に気分屋で、いい加減な性格といえる。仮に地球に強大な危機が迫っていても、彼は大好きなチミチャンガを食べながら自宅のソファでテレビをザッピングする、自堕落な生活を送っているだろう。
だがもし、邪悪なヴィランが彼の大好きなチミチャンガのお店を破壊したり、サノスの指パッチンでチミチャンガ屋さんの店長が土くれに変わってしまったら……?「俺ちゃんの大好きなチミチャンガを食べれなくしやがって!許せねえ!」彼はすぐさま行動に移すだろう。(彼にとって)邪悪な存在を倒すために。つまるところ、デッドプールは高潔な精神も、イノベーティブも、義侠心も持ち合わせていないが、多くのヒーローがそうであるように自身の能力への悩みや葛藤を抱えることもなく、ただひたすらに自分の気に食わない相手をブッ飛ばすことに迷いが無いのだ。
そして彼は危ういバランスの上で、混沌であるが悪ではなく(彼は自分自身でヒーローを名乗っている)、そして幸運なことに多くのヒーローに対して(一方的な)好意を持っているのだ。スパイディのアパートに押しかけてギシギシアンアンするし、ウルヴァリンへはあの悪名高いウエポンなんとかの縁で一方的にディスるし、アベンジャーズに入ろうとしたらアイアンマンに「絶対にダメだ」と何度も念押しされるし、他のヒーローたちに絡みに行くことに余念がない。だが、親愛なる読者諸氏は、そうしたヒーローのコラボレーションが爆発的なパワーを持つことを、あの『アベンジャーズ』で十二分に知っているはずだ。それゆえ、デッドプールはこれからのマーベル映画のワイルドカードになりえる存在なのだ。
あなたが映画でしかデッドプールを知らなくても、アメコミやアニメ、ゲームでデッドプールを知った方でも、そもそも名前を知っているだけあなたも、ほんの少しだけおしゃべりな傭兵に思いをはせてほしい。彼は新たなフェイズに降り立ったばかりなのだから。
(『デッドプール2』公開前の日付に埋められたタイムカプセルに入っていた、黄色いフキダシ形状の手紙より)