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推薦図書:『デイ・オブ・ザ・ロブスター』

!ご注意ください!
これからしばらくひどい風邪を引いたときに見る夢が流れます。強い頭痛がした場合は記事の下部までページをスクロールするか、一度画面から離れて深呼吸をする、好きな漫画を読んだり音楽を聴く、クジラについて思いを馳せるなどして気分転換してください。また、筆者はニンジャスレイヤーの一ファンであり、この記事は非公式なものです。
(これまでのあらすじ)
死闘の末、伝説のレリックエピソード『ネオサイタマ・イン・フレイム』を手に入れんとする男の野望は、一人の少年の手によって阻止された。しかし間髮を入れず、古代アーティファクト『キョート・ヘルオンアース』を追い求める邪悪組織「ザイバツ・ランキング」が突如現れたのだ!

「ウワー!」バンダナの少年は爆風に吹き飛ばされ地面を転がった。目を白熱に光らせた無数のサイバー馬が、バイオスズメが彼を取り囲んでいる。「フハハハハハ!どうだい?ぼくの『デス・フロム・アバヴ・セキバハラ』の味は?」

ひときわ大きなバイオスズメの上に直立しているのは尊大な態度の赤マントの少年。「くっそ…突然襲ってくるなんて卑怯だぞ!」バンダナの少年は立ち上がりながら空を見上げた。「きみの戦いの一部始終は見物させてもらった。所有しているエピソードは小物だが、その戦闘能力は危険だとわが組織は判断したのだ」

「くそ…」彼の持つエピソード『フィスト・フィルド・ウィズ・リグレット・アンド・オハギ』は一対一の近接戦闘では無類の強さを誇るが、こうも敵が多くては十分に力を発揮できない。加えて先の戦いでもほんのわずかな隙をついてのギリギリの勝利だったのだ。このまま切り結べば勝ち目はゼロ……!その時!

フイフイフイフイ……不吉なUNIX音がバンダナの少年の背後から迫る!戦場に乱入したフロートバイクはしかし、彼の目の前で停車し、振り返った。「カッコ悪いことになってんな、お前」「テメエは…!」ヘルメットのバイザーからクールな切れ目が覗いた。

「そのバイク……もしや第3部の……?」赤マントが訝しんだ。「ご名答。こいつは『ヘイル・トゥ・ザ・シェード・オブ・ブッダスピード』。そしてこいつは」切れ目の少年は虚空から二丁のスリケンボウガンを取り出した。「「フタツイシユミ・ドー」だ」

彼は二丁スリケンボウガンを抜き撃ちした!ドヒュドヒュドヒュドヒュ!サイバー馬やバイオスズメめがけ楔形スリケンが連射される!「なっ……行きなさい!二人とも跡形もなく消し飛ばしてやる!」赤マントの少年が慌ててサイバー馬やバイオスズメに檄を飛ばす。

「アイツばっかりにいい恰好をさせるわけにはいかないな」バンダナの少年は拳を構え、正面から向かってくる馬爆弾めがけて正拳突きを繰り出した!「フンハー!」馬爆弾は吹き飛び、空中で爆発!KABOOM!

彼が所有するエピソードから得た力「カラダチ」は、打撃の衝撃を無効化し、カラテ振動により相手の動きを封じる絶対防御の守り。しかしサイバー馬とバイオスズメによる生体爆弾攻撃には圧倒的に不利であるが、2人であれば活路は見出せる筈……!

サイバー馬とバイオスズメは一掃された。「まさかここまでやるとは……!」赤マントの少年の呻いた。もはや残っているのは彼が背に乗っているバイオスズメ一羽のみだ。「さあ、その残った一匹も片づけて引導を渡してやる。」切れ目の少年がスリケンボウガンを構え、打った。

しかし楔スリケンはバイオスズメに届く前に見えない壁に阻まれた。「なっ!」「なんだか」両者の間にゴシックドレスの少女がふわりと舞い降りた。「楽しそうなことになってるわね」長く美しい黒髪が風に凪いだ。

今度は切れ目の少年が呻く番だった。「まさか……その力は……!」「知ってるのか!?」バンダナの少年が拳を構えたまま横目で彼を見る。「あーらら。バレちゃった?秘密にしようと思ってたのに」少女が口を尖らせ、しかし得意げに話す。「わたしは『キョート・ヘルオンアース』の一部の解読に成功したの。この力はその成果」

少女の周囲にこぶし大の光球がいくつも浮かんだ。「知ってる?これ、当たるとすごく痛いんだよ」「やべえぞこの雰囲気……!」バンダナから汗が滴った。「待て!そいつらはおれの獲物だ!組織の許可もなく勝手に出歩くなと言われただろう!」バイオスズメの上から赤マントが怒鳴った。

「ボッコボコにされてたところを助けてあげたのに、何その言い方?」「おれはまだ負けてない!手駒が少し減っただけで、まだ挽回のしようはいくらでもある!」「無理よ無理無理。お馬さんと雀さんがいなくなっちゃったらアンタはもう自分の体に力を使うしかないじゃない」「ぐっ……」

「さて」少女が向き直った。彼らが話している間に光球は二人を取り囲み、サイバー馬とバイオスズメの包囲網よりも分厚い層となっていた。「覚悟はできてる?」

(これだけのカラテミサイルを捌ききるのは不可能だ……だがバイクであれば突破できる望みはある……だが)切れ目の少年はちらりと横を見た。(こいつは、やる気だ)

「スゥーッ……ハァーッ……」バンダナの少年は深く呼吸をする。セイシンテキを強く保つのだ。さすれば道は開かれん……滴った汗が地面に落ち、波紋が広がった。彼の目に光が宿った。

赤マントの頭上には『デス・フロム・アバブ・セキバハラ』、切れ目の少年は『ヘイル・トゥ・ザ・シェード・オブ・ブッダスピード』の文字が瞬いた。少女の頭上に『キョ01ト・ヘ0101010アー01 序「エン010101グル01ント」』の文字。そして自分の頭上には『フィスト・フィルド・ウィズ・リグレット・アンド・オハギ』と……もう一つ耳慣れないエピソード名が存在していた。

目の前にポータル穴が出現した。その上には『デイ・オブ・ザ・ロブスター』の文字が浮かんでいる。「な……」その場にいた全員がそのポータルを注視した。次の瞬間、穴から大量のロブスターがなだれ込んできた!

「なんなの、こいつら!」少女がカラテミサイルでロブスターをダース単位で消し飛ばすも、その数は一向に減らず!赤マントはバイオスズメをさらに高く飛翔させ警戒、フロートバイクはアクセルをふかし、急加速し離脱!

「アイツまさか……【デュアル】(二重能力者)なのか……!?」後ろを振り返り、切れ目の少年は独り言ちた。ポータル穴からロブスターが無限に産み落とされ続ける。「アアアアアアー!」バンダナの少年はロブスターの爆心地で頭を抱え叫び続ける。「アアアアアアー!」ポータル穴からロブスターが無限に産み落とされ続ける……!010101010101

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「ハァーッ!ハァーッ!ハァーッ!」おれはガバリとベッドから飛び起きた。ひどい夢を見た。きっと昨夜読んだニンジャスレイヤーのエピソード『デイ・オブ・ザ・ロブスター』のせいだろう。『デイ・オブ・ザ・ロブスター』は全3作執筆されており、ゴーストライターが執筆したといううわさが絶えない『1』と、その『1』を受けて原作者がロブスターに挑んだデイ・オブ・ザ・ロブスター2』、そして恐るべきロブスター真実が明らかになるデイ・オブ・ザ・ロブスター3』のトリロジー作品だ。

そのうち『1』『2』については『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』により完全に映像化されており、DVD/BD第2巻特典として『デイ・オブ・ザ・ロブスター [トリロジー]』という冊子に纏められている。さらに驚くべきことに、それら3作はネット上で無料公開されておりスマッホと通信環境さえあればいつでもどこでもロブスターを摂取できるのだ。

かつて「ニンジャ読書感想コンクール」と称してこの『デイ・オブ・ザ・ロブスター』の読書感想文を投稿する企画もあったが、まあ、ここで語る必要はないだろう。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆


『デイ・オブ・ザ・ロブスター』について、おれの口から語れることはこれくらいだ。正直これを推薦図書とするのは間違いなく正気を疑われることだろう。だがおれはこの狂気を語ることをやめることができない。なぜなら、いつか奴らが夢の世界から現実を侵食し、おれの目の前に現れる予感が頭から離れないからだ……。


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azitarou
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