身体を理解して最高のパフォーマンスを!アレクサンダーテクニークのすすめ
以前こちらの記事でも少しだけ触れましたが、
今年アレクサンダーテクニークのレッスンを受けました。
記事にもある通り、私は左腕を骨折し肘が変形しているため
腕に寿命があるのではないかという不安を抱えていました。
肘や腕、指にまで痺れや痛みを感じ始め、アレクサンダーテクニークのレッスンを受けることを決断します。
今回はそのアレクサンダーテクニークについて詳細を書いてみようと思います。
そもそもアレクサンダーテクニークとは?
Wikipediaで調べてみるとこのように出てきます。
個人的な解釈としては、解剖学に基づいて身体の動きを理解、意識し、余計な緊張をせず自然に効率よく身体を動かすことと認識しています。
私がアレクサンダーテクニークを知ったきっかけはあがり症対策について調べていたこと。
あがり症の症状は人によって様々ありますが、
身体に余計な力が入って筋肉が硬直し、上手く身体が動かせなくなることがあります。
その身体の硬直状態をどうにかできないものか。
そこでアレクサンダーテクニークです。
身体の構造を知り、より自然に動かすことで無理な力を加えずに演奏することができる。
楽に演奏することができれば心の不安、緊張もほぐれ、本番でのパフォーマンスが上がるものです。
上記の通り、演奏は容易にできるものであると認識しています。
もちろん日々の積み重ねがあってこその話ではありますが。
実際、著名ミュージシャンのコンサートを観ていると意図も容易く演奏しているように見える。
そう見えるのではなく、実際本人にとってそれは容易いことなのだと。
そういえば私がアレクサンダーテクニークを知ったきっかけはこの引用元である『成功する音楽家の新習慣 練習・本番・身体の戦略的ガイド』ジェラルド・クリックスタイン著 という書籍だったかもしれません。
この書籍はまあなかなかの文量があり、当時読書の習慣が全くなかった私には購入を躊躇いましたが、
同期が勧めているツイートを見て購入してみたものです。
YAMAHAで目次を眺め、紙の本をそのまま購入。
新幹線に乗って出張に行く時など、荷物にはなってしまうけど持っていって頑張って読んだ記憶があります。
その後、電子書籍版が出たのでKindleでも購入。
一つ一つの項目についてめちゃくちゃ詳しく書かれているわけではありませんが、この書籍から気付くことは非常に多かった。
私が本当に集中できているのかどうか、見つめ直すきっかけにもなった書籍です。
各所に著名ミュージシャンの言葉も引用されており、そこを読むだけでも相当の学びがある。
日本の音大の環境にはない内容も多々ありますが(例えば大学にセラピストとかいなかったし)、
そこから深掘りするきっかけになるのでミュージシャンに勧めたい一冊。
書籍から学べるのは概要
私が持っているアレクサンダーテクニークの書籍は2冊。
それぞれ身体の構造やアレクサンダーテクニークの実践について詳細が載っています。
1つ目の書籍は…もしや絶版!?
YAMAHAには多分置いてると思うんだけど…
ちなみに私はOura Ringというスマートリングを使用しているのですが、
購入した目的はこれまたあがり症克服に役立てるため。
心拍数の測定ができるため、普段の演奏中の心拍数の変動、
そして本番での演奏の心拍数変動を可視化することが可能なのです。
ちょうど2年前、バレエの公演の幕間で演奏するという仕事を頂きました。
幕間の休憩時間中ということで客席は明るく人の出入りも激しい。
そんな環境とはいえキャパ1200人の大ホールで私とバイオリニスト2人だけ舞台に立って演奏。
この話を頂いて真っ先に購入して実践したのがこちらの書籍。
そして本番中の心拍数をOura Ringで測定し、結果を確認する。
結果、全くレッスンを受けていなくてもしっかり効果が肌感覚としても数値としても出ることが確認できました。
この詳細はまた別記事にします。
ただ、正しく実践できているのか、そもそもどこに問題があるのかについて自分で認識することは非常に困難。
実際、2年前の仕事では無事演奏を終えましたが、去年から腕の痛み、痺れがあったため身体に負荷がかかっていた。
書籍だけで実践するにも限界があるのです。
実際に受けたアレクサンダーテクニークのレッスン
師匠に相談したわけではなく、自分でアレクサンダーテクニークのレッスンを調べ受講しました。
今回は身体に痛みが出ている状態だったため、あがり症ではなく痛みがあるということを相談します。
実際に楽器を構え、演奏しているところを見ていただく。
身体のどこに無理な、不自然な動きが出ているのか。
私の場合、楽器を構える際に肩甲骨、そして鎖骨が動いていないと指摘されました。
肩甲骨についてはなるほど、となりましたが鎖骨が動いていない…とは?
先生は関西にいたことが長かったらしく、「関西では肩のことも『腕』と呼ぶんですよ」と仰っていました。
その呼び方は解剖学的にも結構本質的だったようで、肩、そして鎖骨まで含めて考えると良いとのこと。
確かに今書籍を見返すと腕の構造を見た時に鎖骨まで紹介されています。
でも鎖骨が動いていないなんて自分でわかる…?
いや、難しいと思います。
そこで鎖骨を動かすよう意識します。
イメージとしては鎖骨を前方に出す感じでしょうか。
身体の中心側の鎖骨の端。
胸鎖関節というところでしょうか。
ここを基点として鎖骨、そして肩から動かす。
すると腕が長くなるのです!
改めて撮影すると結構差があって驚きました。
腕が長くなった分余裕ができて、楽に楽器を構えることができる。
遠くの物を取る時も無理に腕を伸ばして取ると結構キツイですよね。
でも楽に物を取れる距離であれば負担は感じない。
無理して筋肉を硬直させず、自然な脱力状態で身体を動かすのです。
このことによってまず腕の痛みが消える。
私の場合、腕もですが左側の首筋から指先まで負担があり、それらが一気に解消されたのだから驚きました。
また、無理な緊張状態から解放されたことによって指が動きやすくなる。
速いパッセージでもかなり楽に演奏することができます。
そしてもう一つ。
呼吸が楽になり、音に変化が出る。
鎖骨が持ち上がったことによって肋骨も動き、肺がより膨らみやすくなるのだそうです。
ブレスを吸うことはもちろん、気道がスムーズになると息を吐く際も余計な力をかけずに息が楽器に流れるようになる。
単純に言うと音量が大きくなる、といった感じなのでしょうが、
より具体的に表現すると音の立ち上がりが良くなる。
音の輪郭がハッキリする。
正しく腕を動かした状態だといつも通り吹いているはずなのに、音がパーンと遠くへ飛んでいくのです。
楽器をシルバーからゴールドに持ち替えた際も音の飛び方に驚いた記憶があります。
でもその際は自分の意図しない飛び方をしてしまったので楽器のコントロールに苦労しましたがその時とはまた違う。
本当に驚きました。
レッスンにはアルトフルートも持っていき、フルートと両方見ていただきましたが鎖骨、肩甲骨の動かし方の問題だけでアルトもかなり楽に構えられる。
アルトは楽器自体が大きく重いので結構な負荷がかかるものです。
レッスン受けて本当に良かった。
自分の身体の癖は客観的にしかわからない
この動かし方については先日YouTubeショートとX、そしてTikTokに投稿しました。
私と同じ状態だった方には効果が実感できることと思います。
しかし、それが万人に共通するわけではありません。
もしこのやり方で身体に痛みが出るのであれば動かし方が間違っているか、
この動きによって別の場所に負荷がかかっているか。
痛みが出たら何かが違うのだと認識し、無理して実行しないでください。
自分の身体の動きの癖はその人特有のもの。
身体の大きさも形も人それぞれです。
あがり症のみならず、楽器を演奏するにあたってアレクサンダーテクニークは非常に有効な技術ですが、自己判断は思わぬトラブルを招くことがあります。
ご興味のある方は是非実際にレッスンを受講してみてくださいね。
アレクサンダーテクニークでより楽なパフォーマンスを!
私は楽器奏者ですので楽器演奏の観点での文章とはなってしまいますが、この技術は楽器演奏のみの話ではありません。
例えばスポーツにも同じことが言えますね。
私は毎日ストレッチやヨガ、筋トレをするようにしていますが、
その際にも身体の動かし方を意識するようにしています。
すると以前より楽に運動ができるのだから効果は演奏のみに留まりません。
いきなりレッスンを受けるとなるとハードルが高いかもしれませんが、
ちょっと調べれば解剖学について色々な情報が出てきます。
身体の構造を理解することは健康にも繋がります。
演奏、スポーツに限らず高いパフォーマンスが発揮できるよう、頭の片隅にでも置いて頂けますように!
ここまでお読みくださりありがとうございました!
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