AZCII / あずき

哲学科で美学・芸術学を専攻しています。 VRアートの制作と受容を通じた感性変容に関心があります。

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最近の記事

『サマーウォーズ』15周年に寄せる祝辞—そして、きわめて私的な弔辞—

はじめに——『サマーウォーズ』と私2009年8月1日。細田守『サマーウォーズ』の劇場公開日だ。きょう2024年8月1日をもって15周年を迎えたこのアニメーション映画は、現在、全国各地の映画館で2週間限定のリバイバル上映を行っている。公開当時まだ7歳だった私が映画館でこの作品を鑑賞するのは、恥ずかしながら今回が初めてのことだ。去る7月30日、都内の劇場にて同作を鑑賞する私の目には、終始、視界がにじむほどの涙が浮かんでいた。 同作との出会いは2012年。細田の次作『おおかみこども

    • 「空飛ぶ鯨」を解体する

      はじめまして。哲学科で美学・芸術学を学んでいるAZCIIと申します(リンクからTwitter(現X)に飛べます)。 この文章は、UT-virtualが駒場祭にて頒布した部誌に私が寄稿した論考を、designing plus nine のアドベントカレンダー2日目の記事として使い回し公開したものです。note初投稿のため勝手がよく分かっておらず、加筆修正等もあるかもしれませんが、ご承知おきください。 序 ヘッドセットを装着する。瞑っていた目を開くと、広大な仮想世界が眼前に拡