世界が小さくなったことを理解する
Nサロンの台北視察ゼミに参加し「台北当代芸術館 MOCA Taipei」の展示に衝撃をうけて以来、イベントのコンピレーションアルバムをきいています。
このアルバムを、日本のインディーズ好きな友人に紹介してみると、昨今、台湾インディーズバンドの来日公演は多く、日本のバンドもよく台湾でライブしているよ、と教えてくれました。
まだ歴史の浅い台湾カルチャーの発展についての記事を読むと、台湾の若者は自国に危機感を持っていることもあって、音楽にかけるメッセージ性の重みが日本とはちがうのかもしれない。そして当たり前のように世界を視野にいれて動いている人が多いように感じます。
そんな時に、大好きなNHKの番組「SWITCHインタビュー 達人達」で「奥田民生(ミュージシャン) × リオ・コーエン(YouTube 音楽部門総責任者)」が放映されました。彼らはおそらく同年代。
この番組は、各分野でのプロフェッショナルたちの会いたい人に会いに行き、自分と相手のホームで舞台をスイッチしてお互いがインタビューしあうというコンセプトの番組。
民生さんがYouTuber※になったこともあり「YouTube Music」の責任者に会いにいくことになったらしい。(※YouTuberになったという事実が昔からのファンとしてはとても衝撃!)
そしてリオ・コーエンさんは、マネージャーとして数多くのアーティストをスターダムに押し上げ、自らも大手レコード会社の会長にまでのぼりつめた人物。その音楽業界をすっぱりとやめて「Youtube」という巨大なIT企業のエンジニアとアーティストの橋渡しを使命として入社することに。
レコードショップで新たな音楽に出会ったサプライズと喜びの瞬間!あの体験を同じくデジタル化された音楽配信の中でももたらしいたい!という使命。
いわゆるユーザー体験の設計となるのですが、わたしも前職の動画配信の分野で同じ想いを持って仕事に挑んでいたことを思い出しました。
音楽業界の未来を案ずるがゆえの転職、配信のサブスクリプション化への変革にも希望を抱いていて、なによりも「アーティスト」をとてもリスペクトしているようすが、民生さんへの真摯な応対から見てとれます。
そんなコーエンさんは日本の音楽業界に対する危機感を、とても謙虚な姿勢で提言していました。
日本はいつまでも国内マーケットに目が向いてしまっています。今はデジタル変革においてどんどん世界が小さくなったことを理解するべきです。
お二人ともに共通しているのが、30年以上あふれ続ける音楽への愛。
アナログからスタートした業界のデジタル変革を受け入れ、取り入れ、その中で変革を起こそうともがいているこの年代の人たちの姿を少しでも垣間見れたことは、とても重要なことのような気がします。
そしてそれは音楽業界だけにはとどまらず、台北の「COMPUTEX&InnoVEX 2019」でも感じたこと。そして自分自信の視野の狭さにも。
なにかを変革するには「思案」から入るか「行動」から入るか、答えまだはみつかっていません。