やめられないフジロックについて。2019夏
10年近く参戦している「FUJI ROCK FESTIVAL」(通称フジロック)に今年も行ってきた。
FUJI ROCK FESTIVALとは
1997年に誕生。新潟県苗場スキー場の広大な敷地にて3日間行われる国内最大級の野外ロック・フェスティバル。
世界各国から有名なアーティストが集い連日パフォーマンスを行い、緑に囲まれた大自然の中で音楽を楽しむことができる。
いい大人なんだから、宿で快適に過ごしたいという願望をもちながらもずっとテントサイトに泊まっている。
山の天候は暴力的に荒れるし、日焼けもしたくはない。
ステージ間の移動距離は長く、スケジュールを立てる際は体力の消耗具合をきちんと考慮しないとしんどい。
どんなに疲れていても日の出とともに暑さで起こされるし、ムヒではかゆみのおさまらない虫にも刺される。
温泉に入るのに裸で行列をつくり、まるで囚人になったような屈辱的な気分にもなる。
トータル的にはかなり過酷なので「もう今年で最後にする!」と何度か決意するも、毎年2月に早割チケットが発売されると当たり前のようにポチってしまうのだ。
やめられない、とまらない...そんな今年のフジロックを振り返ってみる。
動員数の増加
10年ぶりに再結成したELLEGARDENや、ジャネール・モネイ、ケミカル・ブラザーズ、RADIOHEADのトム・ヨークという豪華なラインナップの金曜日と3日券はソールドアウトとなった。
越後湯沢駅からの会場までのシャトルバスが3時間待ちという見たことのない光景が広がっていて、はじめて参戦する人も多かったように思う。
ELLEGARDENファンの他にも、東アジア(主に中国、台湾、韓国)から来ている人が例年に比べて増加していて、テントサイトにもたくさんの言語が飛び交っていた。
アーティスト側も韓国、台湾、タイからの出演が増え、わたし自身も例年よりもずっと近隣国のアーティストに興味を持っていた。
「クリーンなフェス」が定着しているフジロックも、言語の問題もあるのかポイ捨てがかなり増えたように思う。
世界が広がっていくことで、さらに運営の進化をとげる必要がありそう。
ブッキングについて
国内では1番歴史の長いフジロック。ブッキングの方向性が気になっていた。
主にヘッドライナーの、おっさんホイホイのラインナップが気になるのだ。
主催であるスマッシュ代表の日高さんも70歳。
すべて日高さんのチェックが入るのでは、進化がないなあと思っていたところでブッキングのインタビュー記事で、挑戦的なその裏側を知ることができた。
各国からの参加しているフジロッカーも増え、いよいよ世界的に認知されたフェスティバルに成長。しかしまだまだ武道館レベルだというお話だった。ブッキングについては、国内2大フェスのサマソニと戦うのではなく、世界中のフェスがライバルとなるらしい。
それでもEDM界のトップDJ、マーティン・ギャリックスやキュアー、ケミカル・ブラザーズなどからは逆オファーを受けているのも世界的な認知が上がっている証なのだろう。
覆面シンガーSIAの、年内のライブスケジュールはフジロックだけということで土砂降りの雨のなか貴重な体験となった。
今回の、ケミカル・ブラザーズとトム・ヨークの時間帯が重なるなど、ステージ割についてはものすごく疑問があった。しかしアーティストの意向を考慮したり、ステージ演出の準備がタイムテーブルの順番に関わってくるという話で納得することができた。
自然の狂気もフジロックの一部
フジロックでは、そこにいる人々が出演者も観客も含めて一体化していて、13万人の観客がただただ音楽を楽しみ、愛し、同じように自然にふりまわされる。
山の天気は変わりやすく、3日間とも晴れたことなど1度か2度あるかないかだった。それぐらい雨はフジロックの一部となっている。
晴天でめちゃくちゃ暑いよりも、パラパラと雨が降るくらいがちょうどよい。しかし昨年に続き、今年も2日目に台風がやってきて大雨警報まで発令された。
見たかったアクトを泣く泣く諦めざる負えないほどのものすごい雨量。川は荒れ、人間が落ちたら一瞬で消えてなくなってしまうさまが容易に想像できた。
テントに戻ると一部が水たまりになっていた。夜なので全体像がわからずおそろしかった。
YouTube配信での「お家でフジロック」のほうが快適にライブを堪能できたのではないかと思う。
それでも、翌日の涼しく凌ぎやすく快適な天候は、まるで神からのご褒美に思えて天を仰いだ。
通常の暮らしはすっかり忘れ、ある種天国にいるような多幸感を感じる。普段お酒を飲まないわたしも、たくさんの乾杯をする。
音楽も山々も空も川も会場の一部で、その空気感は忘れることができない。
今年見たアクトまとめ
★はがっつり見れたライブ
1日目(金曜日)
・RED HOT CHILLI PIPERS(イギリス)
・中村佳穂(日本)
・NST & THE SOUL SAUCE MEETS KIM YULHEE (韓国)
★七尾旅人(日本)
★JANELLE MONAE(アメリカ)
★ELLEGARDEN(日本)
・TYCHO (アメリカ)
★THOM YORKE TOMORROW’S MODERN BOXES(イギリス)
2日目(土曜日)
★銀杏BOYZ(日本)
★DYGL(日本)
★AMERICAN FOOTBALL (アメリカ)
・MARTIN GARRIX(オランダ)
・SIA(オーストラリア)
3日目(日曜日)
★never young beach (日本)
★竹原ピストル (日本)
・TENDRE(日本)
・HIATUS KAIYOTE(オーストラリア)
★CHON (アメリカ)
・Superfly(日本)
★toe(日本)
・INTERACTIVO(キューバ)
★HYUKOH(韓国)
・KOHH (日本)
★VINCE STAPKES(アメリカ)
★JAMES BLAKE (イギリス)
・G&G Miller Orchestra feat. トータス松本
★QUANTIC (イギリス)
・真鍋大度(日本)
★THE COMET IS COMING (イギリス)
ライブレポについては素敵な記事のこちらを掲載。
さいごに
今年はさまざまな要因で見れなかったライブが多く、後悔が残った。
苗場プリンスホテルはテントサイトからみると異次元。いつかは苗プリから出勤したいものです。
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