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SL-1200MK4をゆるく音質改善してみる(2)

音質改善ポイントを定める

オーディオ機器の中でも、特に物理的に情報を拾い上げていくレコードプレーヤーにとって、あらゆる振動が大敵です。しかもターンテーブルがレコードプレーヤーにビルトインしているのですから、自らが発する振動にも気を使う必要があり…
という訳で、ポイントは「振動対策をとる」。
具体的には、
①脚元の振動対策をとる
→外部振動を遮断する
→内部振動を抑える
②レコード盤/プラッター上の振動対策をとる
→レコード盤の反りを抑え、カートリッジの読み取りの暴れを抑える
③ピックアップの振動対策をとる
→レコード盤の反りや偏心で誘発される低域共振を抑える
この3ポイントに対するアプローチを取ることにしました。


コストはどこまでかけるか?

無尽蔵にコストをかけるわけにもいきませんので、MK4購入費用+音質改善に係る部材購入費用の合計が、現行の1500C(改訂前価格)を上回らないようにする、としました。

尚、効果のビフォーアフターがわかるよう、フォノケーブルは純正付属品、カートリッジは純正ヘッドシェルにつけたML170で聴感上の確認をとります。


アプローチ1: 脚元の振動対策をとる

ここは定番メニューの、脚元を固めることからはじめてみました。
❶オーディオラックとプレーヤーの間に、オーディオボードを挟む
これが侮れません。今回は逸⚪︎館のコーリアンボード(35×45cm 12mm厚)を挟みました(ラックからボードが滑らないよう、1mm厚のゴムシートを貼り付け)。
使用ラックはヤマハのGTラックで、これ自体つくりはガッチリして良好ですが、ボードを載せることで、ラック天面を叩いてもカチコチです。
それが効いたのか、レコード再生で確認してみると全体的に余計な響き(滲み)が多少おさまった感触です。

❷インシュレーターを交換してみる(GAE純正)
よくよく調べてみると、現行モデルでオーディオファイル向けのG/GRのインシュレーターの内部構造は、MK7/1500Cのそれとは違っていることに気づきました。前者はシリコン、後者はこれまでの1200シリーズ通りバネがインシュレーターの基幹パーツになっています。MK4は二重バネ構造だったことを思い出し、G/GR用のシリコンタイプの方が振動のシャットアウトに寄与するのでは?という発想でGAE用の純正インシュレーターを取り寄せ入手しました。
…純正のカラーリングと同じ少しシャンパンがかったようなシルバーがMK4にマッチしてますね。
効果は思ってたより大きかったです。先述の中低域の男性ボーカルとベースの被りが解消し、よく分離するようになりました。ベースの締まりが良くなったので、それまで分かりにくかった音階感がわかるようになりました。これはいい。

蛇足ですが、MK4純正インシュレーターは1個50g程、GAEのものは290g(!)とだいぶ重量差があります。振動吸収の基幹パーツの違いだけでなく、インシュレーターのハウジングもプラから鋳鉄製に大幅アップグレード。足裏のフェルトも、前者は文字通りのフェルト、後者はフェルトというより発泡剤系のような見た目のものでした。
ただし、装着した見た目は車をリフトアップしたよう(笑) GAEより軽いのもありましょうが、ボディー側の構造が違うためでしょうか。


(続く)



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