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レコード再生の難しさ

久々の投稿です。
アナログ(レコード)再生はカスタマイズ性が高い=趣味性の高さが面白い一方、難しさを痛感することもあります。感覚論ではありますが、なんとなくリストアップしてみました。

①調整箇所が多い
カスタマイズ性の高さの裏返しで、デジタルメディアのように、再生ボタンを押して終わり!とはならず、しっくりした音を出すには微調整の連続。季節毎、カートリッジ交換毎、場合によってはLP交換毎…等々。

②場所をとる
プレーヤー自体よりも、レコードの収納スペースに場所をとる。しかもチリツモで、結構重たい。

③お金がとにかく飛ぶ
音質を求めると、とにかくお金が飛ぶ。しかもカートリッジ、レコードプレーヤー(ターンテーブル&トーンアーム)、フォノイコライザーやプリメインアンプ全方位にお金が飛ぶ笑 デジタル再生と比較して、引けを取らないくらいいいよね、というレベルまで持っていこうとすると、どんなに少なくともデジタル再生にかける金額の倍以上はかけないといけない(と思う)。さらにコスト高騰の煽りをモロに受けて、(実質的に)消耗品のカートリッジが高騰してきており、ランニングコストが高騰中。加えてレコードは手入れが命。つまりいわゆるコスパはかなり悪い

④原音(=録音情報)忠実再生ではデジタルに全く敵わない
物理的な再生原理上、必ずどこかで伝達ロスが発生し、歪率が必ずデジタル再生よりも高くなってしまう。フォノイコライザー(増幅信号)に入るまでに、針先のトレース(内周歪みや大振動追従性・THD)、カートリッジ+トーンアームの低域共振の制動等対処するべきところが多い。
しかもターンテーブル自体が極めて正確に回っていても、レコード自体の偏心(厄介なのが片面だけというパターンが割と多い)で、特に内周に行くほど音のふらつきが気になる場合がある。(CD等光学メディアはピックアップ部の信号ロスを無視できるレベルに抑え込み、時間管理により収録情報にないふらつきが生じることはまずない)

*原音忠実でない=客観的な(スペック上の)音質がデジタルに敵わないのであって、聴感上の音の良し悪しに対する感性を否定している訳ではありません。いわば、レコード再生をめぐる議論は「原音再生への追求(録音に忠実であること)」と「(原音にない音が生じることによる)心地よさ、記憶に対する再現性」のせめぎ合いなのかもしれません。

ざっとこんなところでしょうか。我ながら、アナログ再生の改善に行き詰まるたびに、デジタルっていいよなあ…と幾度となく辞めたくなってきたのが正直なところです笑。それでも続けようと思うのは、再生原理が物理的である以上、改善が目に見えてわかりやすいという「いじり」の部分と、やはりレコード時代の楽曲は想定されていたメディア=レコードで聴いてみたいという「好奇心」でしょうか。今後もレコード再生の上手い付き合い方を模索しながら楽しんでいきたいなと思うのでした。


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