試してきたレコードカートリッジたち
忘備録です。これまで3年ほどの短期間で、気が狂ったようにそれなりの数のカートリッジを入手しては手放してきたので、いい意味で印象に残ったカートリッジについてさらりとメモとして残そうと思い立ちました。
オーディオテクニカ編
①AT-VM95ML
レコードには内周ひずみが生じやすい…というレコード再生デビュー間もないころのそんなの聞いた事ねえぞ!という衝撃と悩みを一挙に解決してくれた思い出深いカートリッジです。今思い返すとコンプライアンスも極端に高くないし、軽量ヘッドシェルと合わせて使う分にはアームを選ばず、気軽に低歪なマイクロリニア針のすばらしさを堪能できました。初心者こそこのカートリッジを使ってほしい!
②AT-OC9SXL
低域から高域までバランスよく、だれでもわかりやすい高音質を堪能しました。優等生なのでとりあえずこれ買っておけば間違いないカートリッジの一つだと思います。
③AT-ML180, AT-ML170
AT社の本気を垣間見たカートリッジ。これって本当にVM型なの?と思うくらいの情報量の多さ、アンプ等どのオーディオ機器にも通じる「性能が上がるほど音像がコンパクト(適正)に、ホールのS席から全体の見渡しよく聴けている気分」になるカートリッジでした。どちらも同社にしては珍しいボロンパイプカンチレバー仕様です!尚、ML180とML170の交換針側の違いは、針先サイズ(0.08mm角 vs. 0.1mm角)とマグネットのサイズ/仕様。ただ困ったことに、低域共振鋭度が強く出るので、SL-1200Gのアームには合わず、泣く泣く手放しました…。本来的には、SME 3009 Ⅲ等、実効質量が10gを切っているようなアームとの組み合わせで本領を発揮するとみました(試してみたい)。再販してほしいカートリッジです…。
テクニクス編
④EPC-305MCMK2
(別項で書いているとおりですので割愛します)
ヤマハ編
⑤MC-3
音楽が薫ってくる…何言ってるんだコイツは…と思うでしょうが、本当に薫ってくる…そんな言葉が真っ先に思い浮かぶカートリッジでした。ヤマハ流音楽の奏で方、というものでしょうか?振動系実効質量0.145mg、0.06mm角特殊楕円針、空芯コイルと贅沢仕様…トレース能力抜群に高いです。コンプライアンスが高いので、とにかくヘッドシェルを軽くした方が、水を得た魚のように生き生きと精彩のある再生をしました。
⑥MC-1000
MC-3の性能を一段と高めたと感じるカートリッジ。MC-3より音楽が濃密で、色彩感が濃く、しかも「音像がコンパクト(適正)に、ホールのS席から全体の見渡しよく聴けている気分」がわかるカートリッジでした。諸事情で手放してしまいましたが、もう一度聴きたいカートリッジのひとつです。
ORTOFON編
⑦MC200, MC200U
MC200はMCカートリッジ初デビューしたカートリッジでした。当時はSONY HA-T30というピンプラグタイプのMC昇圧トランスと組み合わせて使っていましたが、何度も繰り返している「音像がコンパクト(適正)に、ホールのS席から全体の見渡しよく聴けている気分」を初めて味わったカートリッジでした。中央への凝縮感とそこから放射されるエネルギーがとても素晴らしく、Ortofon流の濃い音楽を堪能できました。MC200Uの方は後から入手したのですが、すでにアンプなどのシステムをすべて変えてしまった後で、かつてMC200で味わえた体験の再現とはいかず…ですが、改めて聴いていてよい音だと感じました。尚、テストレコードで確認すると、SL-1200Gにテクニクス純正シェルとの組み合わせだと低域共振周波数が11~12Hzでした。出力電圧の低さ→MCヘッドアンプ/昇圧トランスとフォノイコライザーのSN比を最大限に高められさえすれば、実はとても使いやすいカートリッジだと感じました。
SHURE編
⑦V15V-MR、ULTRA500
(詳細は別項に譲ります)このカートリッジも本当にいいカートリッジが持っている「音像がコンパクト(適正)に、ホールのS席から全体の見渡しよく聴けている気分」がよく感じ取れます。クラシック音楽聴くならこのカートリッジたちほどステレオイメージ(前後左右上下の3D情報?)が正しく決まるカートリッジも珍しいと思います…何より今まで聴いてきた中で、内周に至るまでトレース能力が超高いです(次点がヤマハMC-3)。
と、ここまで大半がいまやディスコンになってしまった品々ばかり…。現行製品にも目を向けたいところです(が、ほとんどが高すぎる!!)
*コンプライアンス高めなカートリッジばかり聴いてきたので多分に発想が偏っておりますが…コンプライアンス高めのカートリッジはヘッドシェルを軽くした方がたいてい出音が整い、水を得た魚のように、低域も高域ものびのびと鳴ってくれます。トレース能力も明らかに良くなります。
*今まで入手して聴いてきたカートリッジリスト(諸事情によりほぼ手放してしまいました…また機会があれば聴きたいものは★)
○アントレー
EC-35
○オーディオテクニカ
AT9V, AT15Ea, AT15Sa, AT-VM95ML, AT150ANV, AT152LP, AT-ML150, AT-ML170 (★), AT-ML180 (★), AT-VM440MLb, AT-VM740ML, AT-VM750SH
AT-OC9Ⅱ/ML, AT-OC9XSL, AT33PTG, AT33PTG/Ⅱ
○テクニクス
EPC-205CMK4(純正針およびJICO SAS針), EPC-P205CMK4, EPC-24CS
EPC-305MCMK2 (★)
○デノン(デンオン)
DL-103M, DL-207
○フィデリティ・リサーチ
FR-1mk3
○ナガオカ
MP-110
○ヤマハ
MC-3 (★), MC-5, MC-505, MC-1000 (★)
○ORTOFON
MC100U, MC200, MC200U (★)
○SHURE
V15-Type Ⅲ, V15-Type V-MR (現用), ULTRA500 (現用ただしVN5MR)