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登場人物に感情移入する読書

私は最近、本を選ぶ際には日常系の物語ばかりを選択している。「読んで良かったなぁ」となるものは、ハッピーエンドのものばかりで、感情の浮き沈みもそこまで激しくないものだ。

そういえば、ドラマも社会人になってから、あまり見ることができなくなった。仕事によって時間的な余裕が少ないことも影響してはいるものの、精神的な部分が大きく占めているように思う。
ドラマは10話分ほどの期間盛り上げるために、必ず登場人物たちが困難な状況に陥る。そして次回まで報われないことがほとんどだ。

このような形で心がかき乱されることを、私自身が望まなくなってしまった。

仕事以外で自分の気持ちが落ち込む要因を作りたくない。本であれば、まだ手元の本を読み終われば報われる一方、ドラマは1週間待たなければ彼らは報われない。

こんな話を、ランチタイムに会社の後輩としていたところ
「それは共感性が高すぎますよ。アザラシさんすぎますって。」
と言われてしまった。

なるほど。

会社の制度で受けさせてもらったストレングスファインダーでは、意識せずとも外に出やすい特性として「共感性」が上位5位に入っていた。この特性は、「他人を自分に置き換え、その感情を直感的に感じることが得意」「相手を自然に思いやることができる」のだそうだ。「相手の気持ちを汲み取った上でのコミュニケーションが当たり前」とのこと。たしかに。

また、最近では初めましてのタイミングで絶対に聞かれるMBTIは「ISFJ(擁護者)」である。この中の「F」が思考型に対して”感情型”であることを示しているらしい。思考・判断の際に感情に重きを置く特徴があるとのこと。たしかに。

どんなコミュニケーションにおいても、相手の気持ちを最優先したいし、「その発言・行動をするあなたの気持ち」をまずは肯定したいと思っている。

この特性が、本の読み方やドラマ・映画の観方に影響しているようだ。

登場人物の感情に合わせて私の感情も動く。

感情がジェットコースターのように動くこともある。それが疲れてしまうから、できるだけ平和な物語を選ぶようになった。ハッピーエンドなら、登場人物が前を向いて終わっていたら、私も一緒に前を向いて進むことができる。


彼氏がMBTIの特性上、思考型の人だったのでこの話をしてみた。すると、彼は「本や映画はエンタメとして楽しむから、自分の感情には影響しない」とのこと。えぇ、そんな。

感動するのはあくまでその作品に対してなので、特に自分の感情が持っていかれることはないのだとか。なんとまぁ、感じ方の違うこと。

”読書が好き””映画が好き”とひとことで言えてしまうのに、楽しみ方がこんなに違うとは驚きだ。友人は、noteで読ませていただいているみなさんは、電車で前の席で本を読んでいるあなたは、いったいどんな風にその本を楽しんでいるのだろうか。

身近な人が、自分とは全く違う楽しみ方をしているだなんて想像したこともなかったので、すごく面白い思考経験ができた。

でも、私は彼氏のように思考型だったら、物語や映画を楽しめる自信がない。今のように、前のめりに楽しめるとは思えない。

やっぱり、自分で良かった。

こんなに物語を全身で楽しめるんだもの。

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