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歌詞の解釈

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#存在

「電車かもしれない」から読み解く不確実性

「電車かもしれない」から読み解く不確実性

「電車かもしれない」は、2001年に発売された”たま"のマキシシングル「汽車には誰も乗ってない」に収録されている一曲で、天才「知久寿焼」の作詞作曲によるものです。知久寿焼の詩には独特なシュールさと神秘性があり、この歌詞もその典型的な例です。「体のない子供達」や「物理の成績が悪い子供達が空中を歩き回る」という描写から、現実離れした世界観が描かれています。詩を分析する際には、現実と非現実、存在と不在と

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「異国」(中島みゆき)アイデンティティ喪失からの脱却。

「異国」(中島みゆき)アイデンティティ喪失からの脱却。

中島みゆきの「異国」という歌詞は、故郷やアイデンティティ、帰属意識に対する深い葛藤と喪失感が描かれています。主人公は、自分が生きてきた町や故郷に対して拒絶され、帰る場所がないという孤独な心情を吐露しています。この歌詞では、故郷への愛憎、存在の根拠を失った不安定な自己、そしてその中で生き続ける葛藤が強く表現されています。

1. 「ふるさと」の喪失

「とめられながらも去る町ならば ふるさとと呼ばせ

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