あざみ

心理学を学んでいます。心、体、人、技、金、時の6つのカテゴリーから人生を豊かに過ごす秘…

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心理学を学んでいます。心、体、人、技、金、時の6つのカテゴリーから人生を豊かに過ごす秘訣「Mentoring Cube」を考案しました。 座右の銘 過ぎたるは及ばざるが如し カウンセラー メンター 作家

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「防人の歌」解釈

「防人の詩」は、さだまさしが作詞・作曲した、深い哲学的問いかけを持つ作品で、映画『二百三高地』の主題歌でもあります。この詩は、命の儚さや人生の無常、愛や故郷といった大切なものの消滅についての深い考察が込められています。以下、歌詞の解釈を掘り下げて説明します。 1. 生命の有限性と自然の無常 「この世に生きとし生けるものの すべての生命に限りがあるのならば」 この冒頭部分で歌われているのは、すべての生命がいつかは終わりを迎えるという現実です。この問いかけは、個々の人間だけ

    • 米津玄師「檸檬(Lemon)」解釈

      米津玄師の「檸檬(Lemon)」は、深い喪失感とそれに伴う悲しみ、未練、そして忘れられない愛を描いた曲です。この曲は、ドラマ「アンナチュラル」の主題歌であり、特にその背景にある、愛する婚約者が殺されてしまったという裏ストーリーと重なり、歌詞により深い意味合いを持たせています。以下に、歌詞の解釈を掘り下げて解説します。 1. 夢と現実の交錯 「夢ならばどれほどよかったでしょう 未だにあなたのことを夢にみる」 愛する人を失った後の現実は、まるで悪夢のようなものであり、主人公

      • さだまさし「檸檬」解釈

        さだまさしの「檸檬」は、青春や過去の愛、そして時間の流れによって失われていくものに対する感傷が深く描かれた作品です。特に男女の感情の揺らぎや、女性の心情の繊細な変化が、象徴的な言葉で表現されています。以下に、詩全体の解釈をまとめます。 1. 湯島聖堂の石の階段 「或の日湯島聖堂の白い石の階段に腰かけて」 湯島聖堂は学問の象徴としての歴史ある場所であり、ここでの「石の階段」は、時の流れや永遠性を象徴しています。彼女がこの石の階段に腰掛けているシーンは、時間の流れに逆らえな

        • 「ひとり上手」解釈と対策

          中島みゆきの「ひとり上手」は、愛する人との別れや孤独をテーマにした歌詞で、主人公がひとりになってしまった心情が深く描かれています。表面的には「ひとり上手」、つまりひとりで上手に過ごしているように見えるかもしれないが、実際はその孤独に苦しんでいる主人公の内面が切実に綴られています。 1. 愛する人を探し続ける孤独 「私の帰る家は あなたの声のする街角 冬の雨に打たれて あなたの足音をさがすのよ」 主人公にとって、「帰る場所」とは物理的な家ではなく、愛する人(あなた)がいる

        「防人の歌」解釈

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        • 歌詞の解釈
          11本
        • 歌詞の短編小説
          7本
        • Mentoring Cubu
          0本

        記事

          「ヘッドライト・テールライト」解釈

          中島みゆきの「ヘッドライト・テールライト」は、人生の旅路を象徴的に描いた詩です。歌詞全体を通して、過去と未来を見つめながらも、旅が続いていくというテーマが繰り返されています。これは、人生の道を歩む人々が、希望や過去の記憶に支えられながらも、終わりのない旅を続けていく様子を表しています。 1. 忘れられていく存在 「語り継ぐ人もなく 吹きすさぶ風の中へ 紛れ散らばる星の名は 忘れられても」 ここでは、時間の流れの中で人々の存在や功績が忘れられていく様子が描かれています。「

          「ヘッドライト・テールライト」解釈

          「修二会」解釈

          さだまさしの「修二会」は、奈良の東大寺で毎年行われる伝統的な行事「修二会(しゅにえ)」を背景に、主人公の心情と儀式の壮大さが交錯する内容です。この歌詞は、宗教的な儀式の中で、失われた愛や罪の意識が織り交ぜられた非常に象徴的な作品です。以下、わかりやすく解説します。 1. 儀式と季節の象徴 「春寒の弥生三月花まだき 君の肩にはらり 良弁椿」 この冒頭部分では、3月のまだ肌寒い時期に、東大寺の「修二会」行事が行われる情景が描かれています。「良弁椿」とは、東大寺にある椿の木で

          「修二会」解釈

          「この空を飛べたら」解釈

          中島みゆきの「この空を飛べたら」は、失われたものや叶わない夢を追い求める心情と、それでもなお諦めずに前に進もうとする強い意志が込められた詩です。この歌詞は、未練や希望、そして現実の中で感じる限界に対してもがきながら、それでも夢を手放さずにいる主人公の心情が描かれています。 1. 失われた愛と希望への執着 「あの人が突然戻ったらなんて いつまで考えているのさ」 ここでは、主人公が過去の恋愛に対して未練を抱いている様子が描かれています。すでに終わってしまった関係を「戻ったら

          「この空を飛べたら」解釈

          「異国」解釈

          中島みゆきの「異国」という歌詞は、故郷やアイデンティティ、帰属意識に対する深い葛藤と喪失感が描かれています。主人公は、自分が生きてきた町や故郷に対して拒絶され、帰る場所がないという孤独な心情を吐露しています。この歌詞では、故郷への愛憎、存在の根拠を失った不安定な自己、そしてその中で生き続ける葛藤が強く表現されています。 1. 「ふるさと」の喪失 「とめられながらも去る町ならば ふるさとと呼ばせてもくれるだろう」 この部分では、もし自分を引き止めてくれる町があれば、それを

          「異国」解釈

          胡桃の日

          窓の外では、冷たい雨がしとしとと降り続いていた。風に揺れる唐松の枝が、リズムを刻むようにしなっている。そこには、一羽のルリカケスがじっと動かずに止まっていた。その光景は、まるで僕たちの今の関係を映し出しているかのようだった。 僕たちは、いつからか言葉を失っていた。いや、失ったというよりも、言葉を交わすことが意味をなさなくなってしまったのだろう。何を言っても、もうお互いに通じ合うことはないことを、心のどこかで知っていた。 部屋の真ん中のテーブルの上には、胡桃の実がひとつ。誰

          胡桃の日

          「地上の星」解釈

          中島みゆきの「地上の星」は、社会の中で名声や成功に目を向ける一方で、見過ごされ、評価されることのない人々や事象に光を当てる歌です。この詩は、輝かしいものや成功を追い求める人々が、その足元にある「地上の星」、すなわち目に見えない努力や価値ある存在に気づかないまま進んでいく様子を描いています。 1. 見えない存在と見送られない努力 「風の中のすばる 砂の中の銀河 みんな何処へ行った 見送られることもなく」 この冒頭の部分では、風の中に消えていくすばる(星)、砂の中の銀河といった

          「地上の星」解釈

          まほろば

          春日山から飛火野にかけて、夕暮れの柔らかな光が大地を染めていた。鹿たちの姿が木々の間をゆらゆらと揺れながら見え隠れし、穏やかな風が草を揺らしていた。静かな風景が広がる中で、僕たちの心には複雑な感情が押し寄せていた。 彼女は足元のぬかるみを気にして、慎重に歩を進めていた。泥に足を取られることが気になっているわけではなく、目の前の現実が重たく感じられ、その一歩一歩が不安に満ちているように見えた。 僕は彼女の隣を歩きながら、ずっと遠くの空を見つめていた。僕の頭の中には、まだ見ぬ

          「まほろば」解釈

          さだまさしの「まほろば」は、古都奈良を舞台にした歌詞で、移ろいゆく時の流れ、人生の儚さ、そして愛と別れの葛藤が深く描かれています。古典的な情景を織り交ぜながら、人間関係や時間の無情さが詩的に表現されています。この詩の解釈を、主要なテーマごとに説明します。 1. 夕暮れの情景と道の迷い 「春日山から飛火野辺り ゆらゆらと影ばかり泥む夕暮れ 馬酔木の森の馬酔木に たずねたずねた 帰り道」 この部分では、古都奈良の情景が描かれています。春日山や飛火野といった具体的な地名を用いて、

          「まほろば」解釈

          「明日天気になれ」考察

          中島みゆきの「明日天気になれ」は、日常に潜む悲観と楽観の狭間で揺れ動く心情を描いた作品です。人間の持つ弱さや諦め、そしてその一方で捨てきれない希望が表現されており、自己矛盾や感情の揺れが繊細に描かれています。以下、歌詞の解説をしていきます。 1. 絶望的観測と慎重な姿勢 「なんにつけ一応は 絶望的観測をするのが 癖です」 歌の冒頭部分では、何事にもまず悲観的に考えてしまうという主人公の癖が語られています。楽観的に期待することを避け、失敗や裏切りに対して事前に自分を守ろうとす

          「明日天気になれ」考察

          お前の家

          雨が上がり、静かになった街を歩きながら、ふと彼の家を訪ねたい気持ちが湧いた。理由はよく分からない。ただ、なんとなく、しばらく顔を合わせていない彼の姿を見たくなった。 玄関先に立つと、昔よく訪れていた家の雰囲気がどこか変わっていることに気づいた。時間が経っているのだから当たり前かもしれないが、それでも違和感があった。ドアをノックすると、すぐに彼が現れた。しかし、その姿はどこか以前とは違う。髪型が変わり、背後からは彼が以前は絶対に聴かなかったような音楽が、やけに大きく流れていた

          彼女は鏡の前に立ち、静かにハサミを握っていた。長い髪が肩から腰まで、まるで自分自身の一部であるかのように垂れている。その髪は、彼に「好きだ」と言われたあの時から、ずっと伸ばし続けていたものだった。彼が喜んでくれるなら、どんなに長くてもいいと思っていた。けれど、今、その髪の先には何も残っていない。彼の姿は、もうどこにも見当たらなかった。 「長い髪が好きだって、あなた昔言ってたでしょう?」彼女は、思い出すように小さくつぶやいた。あの日の彼の言葉が頭をよぎるたびに、彼女はもっと髪

          「エレーン」解釈

          1. エレーンは死んでいるか? 中島みゆきの「エレーン」は、失われた人物、エレーンに対する哀愁と孤独感、そして社会が彼女に対して抱く無関心や冷酷さを描いています。彼女が生きた人生とその影響が、過去に埋もれていく中での人々の反応や、彼女が抱えた深い孤独を歌詞で表現しています。まずは、この詩の解釈をエレーンが死んでいるとして考えてみます。 風にとけていった お前が残していったものと言えば   おそらく 誰も着そうにもない 安い生地のドレスが鞄にひとつと   みんなたぶん一晩で

          「エレーン」解釈