五千頭の砂クジラの大群が大砂海を横断していく。薄桃色の巨大な頭部が砂原を勢いよく突き破っては空中で身をよじり、束の間、まるで時を止める遊びを楽しむかのようにスローモーションを現じる。やがて露にしたその銀腹を思い切り砂面に打ち付けると、飛び散った大量の砂しぶきが我々の視界を遮った。
水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。 ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。