東京探索記 9 雪の夜の東京①
2月5日(月)午後から降り始めた雪は昼間にも関わらず次々と降り積もり、吹雪くように風が渦巻いていました。
仕事終わり、こんなに雪が降り、積もっているとは思っていなかった。ほんとうに降るのかな、また空振りでは?とか思っていたので、この大雪を目の前にして、じっとしていられなくなりました。
犬や男の子は雪が降ると大喜びで外に飛び出していくように、大人の男も飛び出してしまうんです!
さて今宵は「雪と××」をテーマに歩いてみました。
「雪と暗渠の女」
西新宿で神田川に注いでいる支流、通称、笹塚支流(*1)の暗渠と雪の風景。
柳橋と呼ばれる橋跡を渡る女性。
橋は川に架かっているものなので、川を渡るために橋を歩くのが、普通ですが、暗渠だと逆に川跡の暗渠を歩くために橋を渡る光景を見ることができます。
雪の白色に鉛色の雲と夜空。モノトーンに近い背景には庚申堂の赤い提灯が映えます。ここの庚申塔は地元の方々によって大切に守られています。
「雪と階段」
西新宿の熊野神社の下にはかつて十二社池(*2)と呼ばれる細長い洋梨型の池がありました。その池のほとりには料亭、小料理屋などが建ち並び、東京近郊の観光地として賑わっていたということです。いまでは池は埋められ、かつての料亭などの跡もなくなりました。廃業して建物だけ残っていた料亭があったのですが、数年前についにビルに建て替わりました。
そんな往時を偲ぶ名残りが池から料亭、小料理屋などへ通じていた階段です。完全なまっすぐではなく、少し曲がっているところがいいですね。
「雪降る路地と井戸」
しんしんと雪が降り、路地にはその雪が地面に到達して出す音が静かに響く路地。井戸はこの夜も静かに佇んでいます。
「雪の都庁と谷へ下りる男」
降雪で霞んで見えますが、谷を渡った正面に都庁。その谷を一人降りる会社員の男性。時間をかけてでも慎重に下りていきました。
「雪夜に映えるビールケースと防犯看板」
白一色に染まりつつある夜の街。そこに色とりどりの花を咲かすかのように積み上げられたビールケース。ちょっと暖かそう…もちろん暖かくないですよ。
背後の白塀も古そうですが、負けじと古い防犯看板。淀橋警察署はもう存在していないので、なお貴重です。
さて、西新宿界隈の雪景色を見おえて後半へ。
注釈
(*1)正式名称はないようで、ほかには幡ヶ谷支流、和泉川などの名称があります。いずれも川が流れている流域の地名です。
(*2)十二社と書いて、「じゅうにそう」と読みます。日本語難しいですね。