【イタリアの光と影024】フォトジャーニー半島周遊の記憶・朽ちた鉄格子で閉ざされた窓。

ローマからバチカン市国への道は、荘厳な雰囲気に包まれていた。大聖堂を取り囲む石像たちは、まるで歴史そのものが命を持っているかのように、天空へ向かって手を伸ばしている。中心にそびえるオベリスクは、夜の星々の運行を示す羅針盤のように立ち、訪れる者に時の流れを思い起こさせる。

サンピエトロ広場には観光客の喧騒が響き渡り、カメラを手にした人々が素晴らしい建造物の数々に目を奪われていた。しかし、バチカンの華やかな表面の裏には、暗く静かな一角が存在していることに気づく者は少ない。

その場所は、バチカンの荘厳な建物から少し離れたところにあった。忍び返しの槍塀で囲まれ、外部からの侵入を拒むように鋭くそびえている。周囲の観光名所とは異なり、ここには人々の賑わいが届かない。朽ちた鉄格子で閉ざされた窓が、かつての栄光や秘密を今も守り続けているかのようだった。

私はその場所に足を運ぶことにした。かつて、この場所に関して語られた話が頭をよぎる。バチカンの奥深くには、知られざる秘密が隠されていると言われてきた。歴史の闇に葬られた事件や、数々の謎に満ちた書物がこの建物に秘められているという噂が絶えない。

錆びた鉄格子の間から中を覗くと、薄暗い廊下が奥へと続いているのが見えた。まるで時間が止まったかのような静寂が広がり、足音ひとつ立てることをためらわせるほどだ。この場所には、何か言い知れぬ力が宿っているように感じられた。古びた壁の向こうには、未だ解かれぬ謎や、人知れず消えていった歴史の断片が隠されているのかもしれない。

私はしばらくその場に立ち尽くしていた。石畳の道を照らす薄明かりが、建物の陰影をさらに深めていく。周囲の騒音が遠のき、静寂の中に何かが動き出す気配があった。

突然、かすかな物音が耳に届いた。誰かが近づいてくるのか、それとも風が古い建物の隙間を通り抜けただけなのか、定かではない。私は緊張のあまり、息を飲んだ。暗い建物の中から、何かが私を見つめているような感覚がした。

その瞬間、背後から低い声が聞こえた。「ここにいるのは君だけではないようだな。」振り向くと、ローブに身を包んだ人物が立っていた。彼の顔はフードで覆われていて、表情を読み取ることはできない。しかし、その存在感は明らかだった。彼が誰なのか、何を知っているのか、私には全く見当もつかなかった。

彼はゆっくりと私に近づき、囁くように言った。「この場所に隠された秘密を知りたければ、覚悟が必要だ。バチカンの光と影、その両方を理解しなければならない。真実は常に表に出るものではないからな。」

その言葉に、私は心の奥底で何かが揺れ動くのを感じた。バチカンが持つ闇の側面、その背後に潜む謎を解き明かすためには、私はさらに深く探求しなければならない。しかし、それは容易なことではないだろう。彼の言葉が示す通り、真実を求めるには、それ相応の覚悟が必要なのだ。

JINSEN BOTTI
AIの秘書