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#1 どうあがいても絶望『SIREN』の感想

こんにちは。味ぽんさんと申します。
初回ということでカルト的な人気があるゲームの感想を書いてみます。
ネタバレはできるだけ避けています。

1.ゲームの概要

パッケージでわかると思いますが、がっつりとしたホラーゲームです。
舞台は日本の「羽生蛇村」。
様々な理由で集まった主人公たちの奇妙で奇怪な3日間のお話と
なっています。

しかし、こんなホラーゲームを人に勧めると大体
「どーせバイオとかサイレントヒルみたいな感じでしょ?」
と言われます。
甘い。本当に甘い。


ちょっとキャッチコピーを見比べてみましょう

まずは我らがSIREN
         「どうあがいても、絶望」
キャッチコピーから分かる難しさ。

次はバイオ
        「そこを歩く、という恐怖。」
まだ戦えそうだし、どうにかなりそう。

最後にサイレントヒル
         「不気味が気持ちいい。」
舐めとるんか。


キャッチコピーから察せると思いますが
SIRENは他のホラーゲームとは違い
「自分の力で希望を掴む」ホラーアクションではなく
「どれだけ頑張って抜け出そうとしてもほとんど死ぬ」
ガチ激ムズホラー系ホラー
です。人を選ぶ要因その1

しかもリングのような和風ホラーの中「屍人」と呼ばれるゾンビ的なものと戦うことになるのですがそれがまぁ怖い。

屍人。生きていた時の行動をとり続けている。

そしてこいつらが異常に強いんです。
・倒しても1分弱で復活
・数発殴られるだけで死んじゃう
・視野が明るいため遠距離からでも発見される
・そこから猟銃で狙撃してくる

こんなゾンビの上位互換みたいなやつらに対して正面切って戦えるわけなく、基本はこそこそ動くしかできないわけです。
しかし敵の場所、どこを見ているかなんて分かりません。
そんな時にSIRENの基本アクション「視界ジャック」の出番です。

すっごくわかりやすく言えば「視界を覗ける」
スティックを倒した方にいる人物の視界を見れる

敵を吹き飛ばせるとか一切ない。
ほんとにただ見るだけ。

敵視点。プレイヤーの場所に青十字が付いてる

しかしこの能力、応用が利きます。
自分の視界では真っ暗でも、屍人の視点は明るく見えたり、上の画像のように「壁越しでも自分の位置がわかる」ので空間把握がしやすく、敵の位置を安全に確認できたり、ダイアルナンバーを確認したり。
難易度も格別ですが、地味な能力で強い敵を捌く快感もほかのゲームではなかなか味わえない点だと思います。人を選ぶ理由その2
(ちなみに難易度調節はありません)


そしてもう一つSIRENの魅力である「アーカイブ」の存在です。

そもそもこのSIRENというゲーム。
まともにストーリーを話してくれません。
まともにストーリーを話してくれません。(二回目)

いやマジなんですよ。
そもそも主人公の入れ替わりが激しいし、時系列もバラバラ。
そして各シナリオごとに終了条件が二つある。
なんとなく遊んでたらエンディングにたどり着くレベルです。
(経験談)

リンクナビゲーター。ここで時系列を整理できる。

 シナリオも主人公が「風が変わったな」ってつぶやくだけで始まったり(しかも初登場)、無言の映像だけで始まったりでわからない。そしてそれを整理しても結局意味が分からない。
そんな時にアーカイブです。

まずこのアーカイブ100個あります。
それを各シナリオ中に回収しないといけません。
重要な内容(屍人の誕生秘話)から羽生田村のバックボーンがわかるものまで多種多様です。

石田巡査がお酒好きと分かるだけ
村の名産物、羽生田麺の作り方
(いちごジャム入り)

こういった情報を繋ぎ合わせる事で、ようやく本編のシナリオ中分からなかった部分が補填されてわかる部分が出てくるというシステムです。
上二つのようなどうでもいい情報でも、違うアーカイブと組み合わせれば攻略に重要な情報になっていきます。
あ、もちろん分からない部分も残ります。
私はいまだに2割ぐらい理解してないです。

2.良いところと悪いところ

まずは良いところから

・今作じゃないと味わえない雰囲気


これは一番の魅力だと思います。

どこにでもあるような田舎村で繰り広げられる3日間の群像劇。
各主人公たちの結末。
それを知りたいがためにどんな高難易度だろうが、アーカイブだろうが最後まで遊んでしまう。
そしてクリアしストーリーを理解した後の独特な達成感。
どんなゲームだろうがこのゲームを超える達成感はないと思います。

というかこのリアルでもローポリすぎるわけでもない画質がいいんですよ。
なんか思い出しやすいというか。

・救いのないストーリー

これは賛否両論点かも…

ネタバレは避けますが、全員色々頑張ります。
けどどれだけ頑張っても明確にハッピーエンドと言えるのは1人。
キャッチコピーの「どうあがいても、絶望。」がマジでドンピシャなんですよね。
おかげでなかなかストーリーを忘れないし。
(というか難しくて何回も見なおしたし)

・PS2時代には細かすぎる作りこみ


先ほど説明に出したアーカイブとかを全て手作りしてからゲームに取り込んでいたり、主人公それぞれで身体能力が違ったり、息切れの音に敵が気づいたり。
現代の作品でも通用するような細かい作りこみがプレイヤーたちを虜にしていると思われます。
今これを書いている著者は現在18歳。(2004年生まれ)
現代機であるPS4のゲームをやり込みまくってますが、画質はともかく、PS2ながらゲーム内容と作りこみなら現代機のA級作品と大差ないぐらい面白いです。


逆に悪いところとしては

・人を選びまくる高難易度さ


はっきり言って
2023年現在、高難易度ゲームとして有名なフロムゲーと見比べても
最難関だと思います。
というか攻略サイトを使ってやっとフロムゲーに並ぶレベルです。

正直高難易度の点を上げ始めたら、キリがないんですけど
特筆すべきは終了条件です。

一言で言うならクリア条件的なものなんですが
それが一番このゲームの理不尽と言える点なんです。
そもそも一つのシナリオに終了条件は2つずつあるのですが
まだ一つ目の方はなにも見なくても行けるんです。
2つ目の方が難しすぎるんです。

そもそも条件2を開放するために
・アイテムを取得(ノーヒント)
・敵を倒しておく。(ノーヒント)
・扉の鍵を開けとく(ノーヒント)
・スタート地点からノーミスでアイテム拾いつつクリア。
鬼畜過ぎない?

これだけ頑張ってようやく終了条件2を始めれます。
もちろん難易度は最高潮です。
まずスタートしてから出る「終了条件」

  「手帳」の入手。
これだけ。分かるわけない。

流石に制作側も「ムズすぎる」と思ったのか説明書に「31のヒント」が載っています。
そんなの作るならゲーム内でヒント乗せて

ちなみに内容は
      ヒント『厨房の隙間で溶ける。豚が叫ぶ前に正面へ』
↑31個全部こんなノリです。ヒントとは。

3.まとめ

色々書きましたが、このゲームを一行で表すとするなら
         「オーパーツすぎるカリスマ作品」
となります。
重すぎる内容、独特な遊び心地と操作感。
そして魅力ある登場人物と雰囲気。
今後もこんな感覚を味わえる作品はないでしょう。

今の時代、考察好きの方々を「フロム脳」と言いますが
そんな人たちが遊んだらずっとホクホク顔間違いなしでしょう。

難易度の方も現代でも通用すると思うんで、是非PSplusで来てほしい。
そして全員苦しんでほしい。


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