朝日杯FS振り返り~有馬の前に

朝日杯FS、残念ながらハズレ。。

各馬評価を書きながら「本命にしづらい馬ばかりだな」という印象で、面白そうなラップを刻んでいるなと思ったら、別のレースで「あれ?」というラップになっていたり、違和感が噴出していたんですが、結果を見て色々と納得しました。

結果的に、1,600m以下で強い馬がセリフォス以外にいなかったなぁと。

これは全頭を評価して、消去法的にセリフォスを選んだことにも表れています。結局、このラップなら…と確信が持てるような数字の裏付けを持つ馬はいませんでしたし、セリフォス自身も「強い」と確信を持って言えるだけの裏付けは、残念ながら過去3戦からは見出せなかったというのが正直な感想です。

馬を評価する上で大事にしていること

私がラップを見ている時に大事にしていることは何かと言うと、「常識の範囲を超えたことが起こっていないかどうか」です。

例えば阪神JFで穴評価したラブリイユアアイズ。その根拠は「京王杯2歳Sでの上がり3F推移がなだらかな減速だった」ことだと本馬の評価やトウシンマカオの項で書きました。

通常、上がり3Fというのは「11秒台⇒10秒台に加速⇒11秒台に減速」や「11秒台前半⇒11秒台前半⇒12秒台に一気に減速」という推移を辿ることが多いのですが、そういった多くの馬で見られるような推移(=常識の範囲)になっていなかった。しかし、トウシンマカオは普通の上がり3Fの推移。

だからこそ、ラブリイユアアイズを評価し、逆にトウシンマカオはあまり評価しなかったのです。

他にも、2年前に朝日杯FSでグランレイを☆評価して3着に激走しましたが、この馬は新馬戦(2,000m戦)で前半3F35.4秒とマイル並のラップで逃げて3着に粘りました。しかも次に1,400mまで一気に距離短縮をして、2着以下を0.7秒も突き離して快勝(先行して上がり最速)。もうこの経歴だけで、普通の馬では見られない戦績なので、評価しました。

こうした「普通ならこうなるけど、そうなっていない」部分を見つけることで、馬の能力を正当に評価することが出来ます。
ちなみに、2019年東スポ杯でのコントレイル、2020年の宝塚記念でのクロノジェネシスなんかも、常識の範疇を超えたパフォーマンスが数字からもうかがえました。


2歳世代のレベルに疑問

正直なところ、現2歳世代のレベル(特に牡馬)は相当に怪しくないかなと考えています。

別に毎年のように怪物の出現を望んでいるわけでもないのですが、昨年のレッドベルオーブやグレナディアガーズ、一昨年のサリオス、グランレイのように根拠を持って評価できる馬が皆無、というのが初めてなんですよね…。

考えてもみてください。上位5頭の内、セリフォスを除く4頭がすべて1,800mからの距離短縮というのは普通あり得なくないでしょうか?しかもその内の3頭は厳しいペースを経験してもいない。

これには2つの仮説が考えられます。
1つは単純に上位が強い、もう1つは1,600m以下の馬が弱い。

ただ、厳しいペースを経験していない馬が1頭くらい馬券に入るくらいなら誤差の範囲内なのですが、1~3着すべてですからね…だからこそ冒頭に書いた通り「1,600m以下の馬が弱い」と考えています。

これが何を表すかというと、、、阪神JFの各馬評価で書いたこととつながってきますし、また、朝日杯FSのレベルについても大いに疑問符がつきます。

レースレベル自体は時間が証明する形になりますが、ひとまずこのことを念頭に、年明け以降の3歳戦を考えていこうかなと思っています。

ちなみに、これまでにピンと来た馬と言えば、牡馬ではイクイノックスとテンダンス。そのテンダンスを封じたヴェールクレール、そしてそのヴェールクレールに競り勝ったサトノヘリオスくらい。
牝馬では2つの異なるレース質で対応したウォーターナビレラと、阪神JFの1着馬サークルオブライフに、2着馬ラブリイユアアイズ。

期せずして、イクイノックス新馬組が3頭も入ってきますが、恐らく現2歳世代はこの組を頂点としたピラミッドになるんだろうなと思われます。


以下は、備忘録的に。

カジュフェイス
「ラップ的に面白い」と書いたんですが、結果的に最初の600mは未勝利勝ちした時のレースに近いペースで走り、途中で緩ませてしまった。結果、後続も息を入れることが出来、追走に脚を削がれることが少なかったと言えます。これを緩ませなければもう少し結果は変わったと思うんですけどね…この騎手にそこまで期待するのは厳しかったように思います。

オタルエバー
この馬は各馬評価で書いた通り、瞬発力の馬なので前半急かされると厳しい。自分でハナ取りに行かなかった時点で試合終了でしたね。
本命にしようと思える程ではない「嫌な感じ」の正体が、12着という結果に表れていると思います。

アルナシーム
警戒していたこと自体は良かったのですが、上がりの差が上位とほとんど差がなかったため、結局そこまで強いとは言えないところがあります。スタートもかなり出遅れていましたし、気性にだいぶ難があります。

ヴィアドロローサ
個人的にちょっと期待していたのですが、上がりを見る限り1,600mは厳しそうですね。35.6秒という数字は明らかに距離の壁があります。下げたことが不可解というコメントも見られましたが(セリフォスの後ろにつければよかったのにそれもしなかったので、そういう意味では不可解ですが)、下げたところでバテるタイミングがもっと早まっただけだと思われます。

プルパレイ
ブリンカーを付けようが、ガンガン調教をしようが、短期間でそう簡単に馬は変わらないということを教えてもらったように思います。ラップの観点からは、デイリー杯から特に大きくは変わっていないように思います。

ドーブネ
今回控えた割に、上がり3Fが35.3秒とさほど速い脚は使えていませんでした。距離、ということになるでしょう。

トウシンマカオ
2匹目のどじょうを狙うのはどうか?と書いた通り、馬券内はありませんでした。もちろん、先行勢の中ではセリフォスに次いで残ってはいるので、その点は評価しなくてはいけないのですが、1,600mで積極的に狙えるかと言えば…。速い時計の出る馬場であれば、という注文はどうしてもつくでしょう。

トゥードジボン
前半3F 35.2秒で逃げた程度ではGⅠでは厳しいですね。ラスト1Fの失速具合が…と書いたように、さらにペースアップしては厳しかったようです。この教訓は来年に活かします。

ジオグリフ
コマンドラインとの使い分けの弊害としか言えず。もちろん、持続力があるからこそ、最後に5着まで来たんですが、各馬評価で「最後の最後に伸びてくるも、前を捕まえられずという展開になっても驚けません」と、書いた通りの結果に終わりました。
次走どうするかは分かりませんが、仮に共同通信杯に出てきた場合、前につけられなさそうならまた軽視すると思います。共同通信杯はスローからの瞬発力が問われやすいため、内枠先行が有利なレース。このジワジワ型の脚で後方からになると、最後の最後に差せるかどうかみたいなことになりそうな気がします。

ダノンスコーピオン
瞬発力で何とか間に合わせた感じですが、セリフォスを交わせてない辺り、前半の追走に脚を削がれた形。距離延ばした方が良いと思います。

ドウデュース
今の時点でどっちが上、下という議論をするのはあまり良くない気はしますが、今日のパフォーマンスではイクイノックス相手は厳しいかなと。。
33秒台出せていたら驚くんですが、34.5秒は常識の範囲内という印象です。正確な上がり推移は計っていませんが、これが加速ラップなら話は変わりますが。。


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