35歳おひとりさまが映画「ブリジットジョーンズ」を観て改めて独身のつらさを考える
永遠の名作。
誰がなんと言おうと、20年前から好きな映画ナンバー1の映画。
初めて観たのは高校生の時、なぜか父親と二人で。父は「この子、お前みたいだな」と私に呪いをかけた。
そして「お前も多分、こうなるよ」と。
予言通り、20年たった今も私はまだ独身である(ブリジットは結婚したのに)
涙なしには観られない、冒頭の7分間
映画スタート時、ブリジットは32歳。20年前の32歳といえば、今の日本なら感覚的に40歳前くらいのイメージだろうか?
冒頭、家で一人赤ワインを飲みながら歌う名シーン。若い頃はこのシーンの切なさをここまで理解していなかった。「なんで突然歌い出すの?やっぱ映画だよね。欧米だよね」くらいにしか思っていなかった。
今ならわかる。この辛さが。
友人とワイワイ過ごした楽しいパーティから一変して、乗り気はしないが帰省。そこでの独身女への洗礼。
親戚からの「最近どう?彼氏いるの?」「時間切れになるわよ」。頼んでもいないのに全然イケてない男を紹介され、「大酒飲みのよく喋る売れ残り」評価を受ける。「こっちが願い下げだ!」と強気の態度にも出れず、愛想笑いして逃げるように帰る。1番の味方でいてくれるはずの実家に居場所がない辛さ。
20年経っても全く変わってない、世の中からの独身女への仕打ちに驚かされる。
そして、一人になった家でホッと落ち着くものの、次に襲いくる孤独感。
これ、お正月に帰省して無邪気なおじいちゃんに「結婚はまだか。彼氏とどうなった」と責められる毎年の恒例行事と、とんでもない男しかいない婚活パーティに出席して、それでも誰ともマッチングしないと傷つくという、婚活女性の辛いことベスト2が同時にきたパターン。
しかも独りで過ごさないといけない夜。耐えられない。そりゃ飲むわ。食うわ。歌うわ。
わかっちゃいるけど惹かれるダメ男
冷静になってみると、「絶対そっちじゃなかっただろ」という男に惹かれがちなのが私含め、周囲の独身女性を見回した時の共有点である。
結婚はしたいというのは疑う余地もない心の底の底の底からの願望なのに、なぜかダニエルみたいな男に惹かれてしまう。
仕事はちゃんとしていて、なのにノリが軽くて気楽に付き合えて、会話も楽しくて、女に慣れているから自分が欲しい言葉もサラっとくれて、女の扱いも余裕があってスマート。
婚活市場に溢れる、真面目でつまんなくて冴えないくせに上から目線男(マークタイプ※マークはかっこいいけど♡)のオンパレードに疲弊したあまり、ダニエルタイプに出会うと「私はこういう人と合ってるんだよ!よかった本来はこっちの人間なんだよ!」と、飛びついてしまう。
最初から、「この男、本当に大丈夫?」というセンサーが働いているにもかかわらず。
2年前観たときは、ダニエルをすぐ家族に会わせようとしたり、家に突撃して女物のコートを見て家宅捜索したりするブリジットを重い女だなと思った。そんなことするから終わるんだよ、と。
でも今観たら、「当然だな!大事な行事から逃げ回って言い訳ばかりのダメ男、さっさと切れ!現実から目をそらすな!」と思った。
当時はダメ男と付き合ってたんだったっけ?少し不幸な女の思考回路を脱出できていてよかった。
賢い女コンプレックス
マークが連れている女も、ダニエルのニューヨーク女も賢くてできる女。
元彼が次選ぶ女ってどうして自分のコンプレックスを刺激してくるのだろう。若くて可愛いだけの女ならいいんだ、その程度の男だったと思えるから。でも、若い上に賢くてできる女で、しかも綺麗って、もう耐えられない。勝ち目ないもん。
そして、付き合っている間は彼が仕事できるのもいい職業についてるのも自分の自慢だったのに、別れた瞬間それも憎らしくなる。今まで付き合ってきた期間、バカにされてた気持ちになる。
そんな時でも、ブリジットは一通り酒を飲んだら再び前を向いて、運動してゴミ捨てて、一人で生きていく本を買い、不器用ながらも転職して仕事も頑張る。傷ついているのに。
いつまでもグチグチ言っていないし、悲劇のヒロインにならないところがかっこいい。それでいて愛嬌もあって、素朴で可愛い。
本当にいい女。
ティファニーのオープンハートが欲しい
数年に一度見直している大好きな作品だが、観るときの自分の状況によって観点が変わってくるのが面白いところ。数年前は気にならなかったところが気になったり。独身女性なら一度は観たことあると思うが、改めて観ると新しい発見があるかも。
毎回思うことだが、ブリジットがいつもつけているティファニーのオープンハートが可愛い。流行りすぎて今さらダサい感があるだろうか。でもブリジットは3でもまだつけてるし、永遠の定番ということでよろしいでしょうか。
36歳の自分への誕生日プレゼントはティファニーのオープンハートと分厚い日記帳にしよう。
そして今年こそ、父の呪いをといてやる。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?