こんな男に、誰がした
いつもの朝はスヌーズを、何度でも止める。
そして結局起きるのは、7時前。
それでも間に合うということが分かってからは、ギリギリまで寝ていたいという気持ちが勝つ。
朝活したい気持ちはどこへやら。
言い訳なんだけど、1月最終週は完全なる社畜と化していた。激務だった。だから疲れていたの。
あれだけ毎日続いていた朝の筋トレも、もう2日サボっている。
今日から2月。
気持ちを切り替えるには絶好のタイミングではないか。
今日から東京へ。
朝6時半のバスで4時間かけて新宿へ向かう。
…と、なると、いつものように7時まで寝ているわけにはいかない。
遠足の前日は興奮して眠れない子どものように、昨日の私は、なかなか寝付けなかった。楽しみだったのだ。いくつになっても子ども心が消えていないなと、我ながら愛おしい。
仕事が休みのダンナは、私が起きた時にはもう起きていた。私がちゃんとバスに間に合うように家を出れるか心配らしい。
時間には正確(早すぎる)なダンナと、かなりルーズな私。ダンナとの揉め事の発端はだいたい時間に関することが多い。
2日間留守にするので、ダンナと息子のためにご飯も作ったし、パンやお菓子や飲み物などなど十分に用意しておいた。
そこまでする必要があるのかとも思うが、多分私がやりたいからやっている。
朝、またさらに、お米をセットしておこうかとか、鍋をするなら野菜をカットしておこうかとか私は世話を焼いてしまった。
ダンナは、「いい、いい、大丈夫だから。必要ならやるから。心配するな」と、気遣ってくれていたようだ。
とはいえ、やるからと言っていたことを、息子に指示してやらせるんじゃないかと心配している。実際、息子は出来るかもしれないが、親ならお前がやれよと思ってしまう。
なんせ、休みの日はリビングの定位置から1mmも動かないダンナだ。
無事に、6時半のバスに乗り込めた。
ダンナにLINEをする。
「〇〇くん(息子)じゃないけど、俺もそう」
と、わけの分からない返信が来た。
既読スルーして、バスで眠る。
2時間走って、休憩場所のSAに着いた。
「双葉着いたよ」と、なんてことのない駐車場の写真とともに、ダンナにLINEしてみる。
二度寝してるんだろう、未読のまま。
そういえば、家を出る前に、昨日の夜息子が私に言ってきたことをダンナに話した。
ママいないと楽しくないし、寂しいから、早く帰ってきてね、と中学生の息子が言ったのだと。
フフ、と笑っていたダンナ。
もしかして、さっきの訳のわからないLINEはこれか。ダンナも私がいなくて寂しいから早く帰ってきてほしいのか。
いや、ダンナの場合は、自分の世話人がいないとなにかと不自由だから早く帰ってきてほしいんだな。きっとそうだ。
相変わらずなやつ。ムカついてきたわ。
こんな男に誰がした。←私だよ。
長野から東京へ向かっているのに、今日も富士山はどの山なのかがわからないまま、バスはもうじき山梨を抜ける。
車窓には、空と山しかないけどな。