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最近、夜が涼しい。 数ヵ月前は大好きな季節をあんなにも心待にして、わくわくして、あれをしようこれをしよう、なんて考えていたのに、気づいたら大好きな季節は私より少し後ろを歩いていた。 帰路、徐々に低くなっていく気温を肌で感じながら、日に日に高くなっていく鳴く虫の声に耳を傾ける。 夏の虫よりもどこか儚く聞こえるその鳴き声が、心なしか涼しさを演出しているようにも思える。 その、季節を繋ぐ一つ一つが、疲れて内へとこもろうとする私の心を自然と外へと向けてくれる。 この町の