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ギーのあれこれ 外用編

・口内炎(mukhapāka)

ピッタドーシャ(火のエネルギー)と血液の悪化によって、口内に赤く焼けるような痛み、ちくちくする痛みを伴うでき物ができる。
口内炎は鋭さと熱性という性質を持つので、柔らかい性質、冷性、治癒作用のあるギーを塗ると良い。

・小さな傷、かすり傷、出血を伴う怪我(vraṇa)

少量の出血がある場合は、ウコンの粉(止血、抗菌作用あり)を患部にかけて、止血させる。
患部の汚れはウコンの粉(抗菌)を煎じた液、もしくはトリファラがあればその煎じ液でよくきれいに洗い流す。
それからギーのみ、もしくはウコンの粉を混ぜたギーを塗ると良い。

・軽度の火傷(dagdha vraṇa)
火傷もまた鋭さと熱性という性質を持つので、柔らかい性質、冷性、治癒作用のあるギーを塗ると良い。

・手足のアカギレや乾燥肌
ギーを塗ると良い。ギーの油性の性質や治癒作用、皮膚の色を良くする作用が働く。

ギー ghee

サンスクリット名:ghṛta
味 (rasa) :甘味
効力 (vīrya) :冷性
消化後の味 (vipāka):甘味
性質 (guṇa):柔らかい、油性、重い
ドーシャに与える影響:ヴァータとピッタを減らす。カファを増やす。
効能:ヴァータの動きを正常に戻す。
   精神病、癲癇、腹痛、熱を鎮静させる。
   ドーシャ、身体組織、排泄物の経路に滲出液を増やし、少し閉塞させる。
   dīpana 消化の火を付ける。
   Smṛti 記憶力を良くする
   Mati 直感力を上げる
   Medha 記憶力・理解力を上げる
   buddhi 知性を上げる。
   Kānti  輝きを与える。
   Lāvaṇya 見た目を美しくする。
   Saukumārya 肢体を柔らかくする。
   Oja 身体組織(ダートゥ)のエッセンスを上げる。
   Teja エネルギーを与える。
   Balakara 強さを与える。
   Āyuṣya 寿命を伸ばす。
   Vṛṣya 強精剤
   Śukra meda  生殖組織と脂肪組織を増やす。
   Medhya ギーは神聖なもの。
   vayaḥ sthāpana 加齢を遅らせる。
   Cakṣuṣya 目に良い。
   罪や悪霊を取り除く。解毒する。
   śastra agni ナイフなどで負った怪我、火傷に良い。


油の中で、一番良い油がギー。
牛の乳からできたギーが一番良い。
ギーは古ければ古いほど良いものとされる。

他の薬用植物と使用すれば、1000ほどの効力と1000ほどの働きを発揮する。
                 

チャラカサンヒター 総論編27/231−232
スシュルタサンヒター 総論編45/96
アシュタンガ・フリダヤ 総論編5/37ー39

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