"DIVIN" Vol.6
『DIVIN』(ダイヴィン)は、国内外の様々な記事や読んだ本、面白いinstagramアカウントなど、生活している中で得た「誰かに教えたい情報」をお伝えするニュースレターです。
今週は2冊の本を読み終わった。
佐々木康裕さんの「感性思考」と、水野学さん・山口周さんの「世界観をつくる」の2冊。
感性思考も前回のDIVNで少し触れたようにたくさんの発見や学びがあり、とてもよかった。ちょうど今朝読み終えた「世界観をつくる」にも似た話題や未来への示唆もあり、スイスイ読んでしまった。
今までは「役に立つ」ことが重要であったが、今は「意味がある」ことが求めされる。ひいては、「物語(=世界観)がある」ことが他社との違いになること。
すぐに役に立つこと以外のものや情報に触れていくことで、その人の世界観が作られていくこと。会社に夜中まで籠もって仕事をしていても、世界観やセンスは作れないよね、という話。
その他にも、なるほどなあと思った考え方や説明の仕方や表現もとても参考になった。
プレゼンの進め方やチームでの仕事の仕方など、話題は多岐に渡り、飽きない。おすすめの本。
目に見える安心を求めて
第4回目のDIVINで紹介したアムステルダムでテスト営業が始まったレストラン。
グリーンハウスを用いて、社会的距離を保ちながら、食事を楽しめる場所だ。
店名はフランス語で「別室」を意味するSerres Séparées。
一方でギリシャのリゾート地として有名なサントリーニ島のビーチにできたとある施設。
ビーチ・バーといえば、パラソルがあったりチェアーやソファがあったり。席のランクによって、その快適度が変わるものである。
このビーチ・バーのラウンジにできたのはガラスのシールドを持つ席。(ただし、アムスのように完全に囲まれている訳ではなさそう)
サントリーニ島に再び観光客が戻って来た際にコロナウイルス感染症を予防する策として、このバーのオーナーは準備を始めている。
オーナーのCharlie Chahineは「このような施設がビーチに点在する将来になることは願っていないし、好きではない。が、観光客を取り戻すため、そして人々の安全性を左右するのであれば仕方がない。私達は仕事がしたいんだ。」と語る。
サントリーニ島はギリシャの島々の中でも最も人気のある島。その名前を聞いたこともある人も多いだろう。
観光業に依存していたこの経済圏は、3月23日から始まったロックダウンの影響を強く受けている。
新婚旅行にも人気のこの場所には年間200万人を超す人々が世界中から集まるが、勿論いまはその美しい石畳を歩く人はおらず、フォトジェニックなテラスで写真を撮る人は誰もいない。
7月からはロックダウンが解除され、観光客が少しづつ戻るのではと、ホテルオーナーたちは考えている。
観光業に依存する人々が大半で、その従業員たちの生活を守るため、またサプライヤーたちの仕事を確保するため、不安ながらも今日も準備を続けている。
アムステルダムのレストランとサントリーニ島のラウンジに共通しているのは、「目に見える安心・安全」という点。
目に見える、つまり”分かりやすい安全性”とも言える。
どちらも”壁”という、あたかも空気を共有しないというものが安心感を生んでいる。
今後は色々な形でこの「分かりやすい安全性」がトレンドになってくるかもしれない。例えば、少しバズったこのアメリカのレストラン。
客はゴムチューブがついたテーブルに”座る”ことにより、ソーシャルディスタンスを保つことができる。
とにかく”安全”に見える。だって物理的に近づくことも、近づかれることもないのだから。
このレストランの施策・アイデアは少し飛んでいるものではあるが、色々な業態や領域に派生していく可能性はある。
例えばドアのノブやハンドル。今までは、指紋が見えにくい素材やデザインが人気だったかも知れない。
掃除をこまめにしないとその場所の”顔”であるのに、汚く見えてしまい、掃除の頻度は増す。毎日の運用を考えるとその方が効率的だ。
が、今後は逆に指紋がつけやすいものに変わり、そこに指紋がついていないことが安全性を証明するものになるかもしれない。もっと分かりやすく、人が触った箇所が光ったり色が変わったりして表示するかもしれない。
今まで物事に対しては効率性や合理性が一番に考えられてきた。それが、この優先度が一気に変わるかもしれない。
少し前の #Lobsterr の中でも下記のようなことがが紹介されていた。
”ラグジュアリー”とは「金銭的資本」を示すものであった。どれだけお金を持っているか、富を持っているかを示すことが、ラグジュアリーさである。つまり分かりやすいブランド品を身に纏うことであった。
それが昨今では「文化的資本」を示すものに変わったと言われている。ブランドは健康や教育、生産性などの観点で、「最高の自己実現サポーター」の称号を巡って争っている。
フィットネスであったり、最高の教育 やそのシステムである。アメリカの富裕層を中心にフィットネスが人気となり、ベジタリアンやビーガンなどの食生活もその1つの傾向と言える。
つまり、ビーガンの食生活を取り、ジムでフィットネスに励むという生活がラグジュリーさを示している。(ビーガンやベジタリアンの生活を取ることは金銭的にも難しい)
それが今後の将来は「安全的資本」になるのではないか。新型コロナウイルス感染症のワクチンが完成し、完全に人々が自分自身でその安全性を確保できるまで、この”ラグジュアリー”を持つことが人々の目標となるかもしれない。
更に盛り上げる音声ビジネス市場
次世代SNSの1つと呼ばれているClubhouseというサービスを知っているtだろうか。
先週5月15日(金)に1億ドル(100Mドル)もの時価総額を獲得し、1200万ドルの資金調達を得たと予測されている。
数ヶ月前までは利用者は1人もおらず、いまだ5000人にも満たないテストユーザー数。ユーザー希望者はgoogle formを用いたウェイティングリストの登録を行っている状況で、まだapple storeにアプリは存在しない。
そんなベータ版のアプリが巨額の評価を得たのである。
Clubhouseは簡単に言うと音声版Twitterとも説明できる。
Clubhouseでは、色々な人の「部屋」に入り、話を聞いたり、手を挙げて参加することが出来る。
そのトークテーマは参加している登壇者が決めるため、自由である。現在のユーザーの多くはシリコンバレーの人間が多く、スタートアップ・テック業界の著名人が集まっている。
ユーザー数が少ないこと、まだ一部(シリコンバレー界隈)の人が使っていること、ベータ版に関わらずこのような評価を得ていることに対して、「過大評価だ」という声もある。
Benedict Evansもニュースレターの中でこのアプリが過大評価となる可能性も示唆いるが、同じようにFacebookなど現在はインフラのようにもなったサービスの初期と比較し、このような声が上がるのは仕方ないとしている。
日本でもstand.fmやVoicyなど、いくつか音声アプリ・サービスは人気を得ている。
実際にこの在宅勤務、生活を通り、ポッドキャストなどを聞き始めたという人も多いと思う。
今まではオフィスで仕事をしており、勤務中に音楽を聞くのができなかった人も、今では好きな音楽を聞き、仕事をすることができる。
WEB会議が終わった後にそのままspotifyに以降なんて形が多いだろう。
このソーシャルディスタンス生活の中で、「普通」となったこの習慣が今後も残るのか、はたまた他にもある「楽しいコンテンツ」が戻ってきた際に人々は引き続き音声コンテンツを使うのか?という議論もある。
Clubhouseに見る音声アプリ市場の盛り上がり。まずは、自分も何個かトライして見ようと思う。
あなたの隔離生活に星を付けて?
ワシントン・ポストが運営する旅行に関するWEBメディア「BY THE WAY」。内容もとてもよく、旅行好きの自分は以前よりニュースレターも登録している。
そんなBY THE WAYの企画が面白かったので紹介。
BY THE WAYはコロナウイルス感染症が広がってから、物理的にどこかへ移動(旅行)するのではなく、バーチャルミュージアムツアーやホテルで食べるようなレシピなど「ソファから旅する」ことを読者に奨励してきた。
今回の企画は、自宅生活を送る自身の生活”STAY”を、ホテルレビューのように投稿して!というもの。どの”レビュー”もウィットに富んでいて素敵。
BY THE WAYのメッセージもジョークが多く、とても良い。
and no matter how many times you put out the Do Not Disturb sign, it never works (other guests, a.k.a your kids, are always barging in).
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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edited by Ayumu Kurashima
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