"DIVIN" Vo.1
『DIVIN』(ダイヴィン)は、国内外の様々な記事や読んだ本、面白いinstagramアカウントなど、生活している中で得た「誰かに教えたい情報」をお伝えするニュースレターです。
更新頻度は週に一度。
扱うジャンルは、デザイン・アート、テック、スポーツ、ヘルスケアやファッション、旅行など多岐に渡る予定です。(自分の興味次第なので、将来はどうなるか分かりません)
毎週月曜日の配信を楽しみにしている、大好きな #Lobsterr を参考に始めました。
タイトル”DIVIN”は、英語の"DIVE IN"からもじった造語。この言葉には、「潜る」の意味の他に、「集中する、没頭する」の意味がある。
TVのニュース番組は悲観的なニュースばかりを取扱い(それが真実の一部でもありますが)、SNSでは良いも悪くも情報が溢れている。
インターネットが発達し、ニュースはもとよりコンテンツも急激に増え、人々は情報に「溺れている」状態であると言われる。
情報に溺れる(=drown)ではなく、自らの意思で飛び込む(=dive in)ようなポジティブなコンテンツになれればと願い、”DIVIN”と名付けた。
キュレーションメディアは多く存在するけれど、「ニュースレター」のように編集者の考えや趣味・意向を感じながら情報を得られる日本のメディアは海外に比べてまだ少ないと思う。
週に1度ワクワクする情報をお届けし、好きな情報は”ディグ”り、更に深く調べる(潜る)機会になれば嬉しい。
何かを伝えるということ
「誰かに伝える」または「オススメする」というのは責任が伴う行為だと思っている。
その相手の時間を奪うこと、そして、その推薦するモノが自分の価値観、ひいては自分自身を伝えることになる。その人のセンス、とも言える。
なので、僕は「旅行にオススメの国や街はどこ?」とふいに聞かれると、少し背筋が伸び、緊張する。その人の考え方は勿論、休暇の過ごし方や趣味、好きな食べ物などを頭の中で考えを巡らせる。
その結果、ある人には「ミャンマーだね。」と言い、ある人には「コペンハーゲンだね。」と答える。
このニュースレターはその週に出会った情報や人、モノたちを、緊張しながらもお伝えするチャレンジでもある。
さて、長い前置きになってしまったが、そんな初回のDIVIN。
アメリカで早くも始まる「バーチャル疲れ」
”自宅で1人の時間を大切にする人たちは、すでに自主的な自己隔離の専門家だ。かつてはバーのハッピーアワーに足を運ばず本を読むような人は付き合いが悪いと言われたが、いまでは愛国者だ。”
という一文で始まるMITテクノロジーレビューのある記事は会議や打ち合わせ、そして飲み会に至るまでバーチャル化(ZOOM化)している昨今の流行りについて考察している。
記事の中では、アメリカの教授や研究者、学生や会社員の生活に沿って、バーチャル化した世の中での人々の状況を説明している。
ZOOM化することで人は、すべてを「会議」のように認識するようになり、通常時は自然に扱える「間」が存在しないことで疲れを感じているという内容だ。
移動距離などが無くなったおかげで効率的になったが、1日中オンライン会議が立て続けに入り、「在宅勤務は結構辛い」なんて意見も多い。
いい意味で頭の切り替えとなる自席から会議室への移動の存在や、何よりイライラする音声の途切れや、相手の発言を遮らないように間を考えて話したりなど、意外とビジネス上の大人数のオンライン会議は疲労感を覚える。
早くもGoogleは、みんなの敵であるこの音声の途切れをAIで解決しようとしている。
自粛が進み在宅勤務が増え始めた初期に、「新入社員が宴会を断るように、ZOOM飲みを断る時代になる」なんてジョークとしてTwitterに上がっていたが、早くも自分の周りでも「会社の人とのZOOM飲みを断る方法」を投稿している人も散見されてきた。
しかしそんな記事の中で、特に印象に残ったのは下記の1文。
バーのハッピーアワーで10人が集えば、ちょっと隣の人とおしゃべりしたり、新鮮な空気を吸いに席を外したり、飲み物を飲みながら会話を聞いたりできる。
僕は元々外食が好きだが、その理由はこれだろうと気付いた。
美味しいご飯やお酒の内容は勿論だが、「どんなお皿に載ってくるか」「料理を作っている最中の手さばき」「トイレで使った良い香りのハンドソープ」「こだわりのレコードで選曲される音楽」「たまたまカウンターで出会う共通の友人」など、そこでしか得られない体験たち。
それはバーチャルでは得られない、リアルならではのワクワクとセレンディピティが多く存在する。
今後、飲食店を始め、多くの産業において”今まで”のビジネスモデル変わる中で、このような体験をどうやったら提供できるのかを今考えている。
コロナで変わる出会いのかたち
新型コロナウイルスが蔓延し始めてから、出会い系アプリは苦戦しているとのこと。結局のところ、出会い系アプリで肝心なのは、「物理的に誰かに会う」ことだからと思われているからだろう。”出会えない(外出できない)のに誰がデートアプリを使うのか”、と。
現実に、日本でのお馴染みの出会い系サイト大手の「ティンダー(Tinder)」と「Okキューピッド(OkCupid)」を運営しているマッチ(Match)グループの株価は25%下落した。
が、この世界的なパニックは同時に「つながりの大切さ」を改めて人々に深く再認識させたとも言える。
株価が下落する一方で、世界中に存在するデートアプリでは、アプリ内でのメッセージのやり取りが大幅に増えており、”会わなくても会える”「ビデオチャット」機能を新しく追加したりしている。Tinderは、元々有料の機能であったが無料開放を始めた。
Facebookは、NPE(新製品実験)チームと称される、一般消費者向けの実験的なアプリを開発する新部門が、カップル向けの新しいアプリ「チューンド(Tuned)」をリリース。国内にも何個かある、カップル間のクローズドなSNSである。
NPEは、今となっては懐かしい「6秒ムービーSNS」のVineの元GM・Jason Toffがプロダクトマネージャーとしてジョインしたチーム。
人々は孤独感から今後は更に結びつきを求め、「いいね」の数やインスタライブの視聴数を気にしながらも、本当に大切な人との限られたSNSを楽しんでいくのかもしれない。サービス停止してしまったかつてのPathのように。
コロナで伸びるもの、落ちるもの
新型コロナウイルスで通販(EC)利用は説明するまでもなく劇的に増えている。D2Cブランドや商品を広告無しでInstagram上で”本音”でレビューするアカウントthingtestingが紹介していた記事から。
thingtestingは、PRとインスタ広告で溢れている昨今、企業からお金を受けずにレビューを投稿している。
VCで働いていたJenny Gyllanderがサイドビジネスとして始めたが、その投稿の内容の質の良さは勿論、”D2Cバブル”となり商品が溢れ始めていたアメリカを中心に人気となり、今では4.5万人のフォロワーを得る。
有料会員であるinstagramの「Close Friendship」になると、新しい商品を先取りして知れたり、限定コンテンツを得られる。開始から6週間で300人が100ドルを支払いこの有料プランに入会し、現在ではウェイティングリストになっているほど人気。
インターネットでの検索や人々の関心もコロナウイルス前後で大きく変わった。インターネットにおけるワードのトレンドを測れるサイトGlimpsでは、新型コロナウイルス関連でのワードについてよくまとめてある。
使い捨ての手袋や免疫を高めるためのサプリメントは勿論、在宅勤務が増えたため、PCモニターは175%、フィットネス器具は170%のトラック増となっている。
驚きはネイルキットの288%、自宅でのヘアーカラー剤は750%、DIYヘアーカットは662%だ。
ECのデータ分析、広告運用や戦略支援を行っているStacklineも、3月度でECで伸びている、または落ちている100のカテゴリーを紹介している。
当たり前と言っては当たり前かもしれないが、この様々なスタッツは多くの示唆に含んでおり、コロナウイルスの影響(自粛や在宅勤務など)が欧米各国に比べ後に来た日本の今後のトレンドを測れるものになるかもしれない。
今週見つけたブランド
UK発の壁紙・塗料のD2Cブランド「Lick」
「気になっているけど、自分でやるのは難しそう。」「どこで塗料を変えばいいのか分からない。」という疑問、悩み。
そしてなによりLickでは、「塗った後にどんな部屋になるのか」を分かりやすくサイトで伝えている。写真は勿論、ムービーも多く、塗り方や部屋のイメージが直感的に分かり、心理的ハードルを下げている。
サイトにはコラムのページもあり、「どんな家具が合う?」「虫除けになるって本当?」など興味をそそられるものも。
「今日オーダーして、明日デコレーションしよう!」と伝えるサイトはなんとも楽しそうで、日本の塗料メーカーや画材屋のサイトとも大きく異なる。
instagramアカウントも彩りが美しく優しげなトーンでまとめられ、自分もチャレンジしてみたくなる内容だ。
UKでは4%のみがオンライン経由で塗料を購入しているとのデータがある。そんな中、Lickはオンライン上でスムーズに購入できる点や、カラーコーディネーターの助言、そしてサンプル配布などのメリットを伝えている。
創業者はオーストラリア・シドニーが拠点のアウトソーシングサービスAirtaskerの元GMのLucas氏。
参考:Lick Home launches in the UK
今週のDIVINはここまで。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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edited by Ayumu Kurashima
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