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"DIVIN" Vol.26

『DIVIN』(ダイヴィン)は、国内外の様々な記事や読んだ本、面白いinstagramアカウントなど、生活している中で得た「誰かに教えたい情報」をお伝えするニュースレターです。

”アマチュア”の強み


どの分野でも、その道で長い下積みを経験していない”アマチュア”のトップが増えている。

この記事ではアパレル業界を取り上げ、ラフ・シモンズ、カニエ・ウェスト、ヴァージル・アブローなどの”アマチュア”たちを例にし、説明する。

クリエイター・エコノミー、アマチュア・エコノミーという概念を使いながら、その特性や時代背景を説明している。

この記事の中で、カニエ・ウェストのようなクリエイターたちの強み(アパレルのプロでないが、有名企業とコラボ商品を出す等を行うクリエイターたち)を、アマチュアのスタイルとストーリー性としている。

特にこのストーリー性(記事では、Story, Narrativeと表現されている)を特徴とし、彼らの物語性こそがメインストリームの外にいながらも独自のカルチャーの中で市場と戦う武器としている。

25年前には存在しなかったファッションスタイリストが、ある日急にクリエイティブディレクターになっているのが今の流れである。

インスタグラムのインフルエンサーが人気スタイリストとなる中で、『彼らは、自分自身の感性で市場に挑戦している』と記事は語る。

特に興味深いのが最近、Humanraceというスキンケアブランドを立ち上げたファレル・ウイリアムスを例に上げて説明しているブロック。


アマチュアは、自分自身(とそのブランド)にとって「最初で、そして最高の顧客」であると説明している。

彼は元々、サステナビリティや健康、ウェルビーイングに熱心に取り組んできた経緯があり、そんなHumanraceのプロダクトは、単にファレルの価値観を反映したものではなく、彼自身の価値観である。

Humanraceは、「私たちは人間のために作っている。私たちは皆同じ肌で生まれ、Humanraceはそれを祝福する」というステートメントから始まる。そのフレーズはファレル自身の価値観を表しており、まさにファレルという1人の人間の物語性である。

記事はその後でこう読者に聞く。

「自分が働くブランドのプロダクトを買いますか?そして、自分のブランドが伝えるメッセージを本当に信じていますか?」と。

この記事を読み、先日読んだnoteを思い出した。

竹村さんは、全体のクオリティが上がる中で「それっぽいもの」が増えており、ウケにくく、刺さりにくくなっている時代であると説明する。

そうではなく、自分が本当に面白いと思ったものとか、役立つと思ったものをそのままパッケージする。そうするとうまくいきます。

まさにいまアメリカを中心に広がるアマチュア・エコノミーのように、その道のプロでなくても、本当に面白い、良いと思うものを作る。

ファレルのスキンケアブランドのように、自分の価値観をそのまま投射したプロダクトを作り、発信する。ファレルは別に化粧会社に長年働くマーケターでもないが、どんな世界を作りたく、どんな世界にしたいのかを考え、行動に移す。

前回のDIVINで伝えたように、「自分がほしいものつくる」というD2C的な考え方、戦略もも今後より増えていくだろう。

そこにはその人だけの物語があり、課題があり、解決策がある。

そう考えると、今は「ふつうの人が強い時代」なのかもしれません。

プロの洗練されたそれっぽさよりも、ふつうの人が思いをこめて放った一撃のほうが強かったりする。それが現代です。

プロじゃない人は、下手に「それっぽいもの」を作らなくてもよくて、本当に裸のまま、生っぽいものを出すほうがウケる可能性は大きいんじゃないかなと思います。



そのワクチンは、本当に安全?


コロナウイルス感染症の対策として世界中で開発が進められ、世界各地で接種が始まっているワクチン。先行きが見えない状況の中で、唯一の希望の光となっている。

自分も思ってもいなかった問題と視点があったので、今回はある記事をシェア。それは、ワクチンは「ハラル」なのか?というものだった。

(ハラル:イスラム法上で、行って良い事や食べることが許されている食材や料理)

中国のワクチンメーカーであるシノバック社は2020年7月にインドネシアの国有ワクチンメーカーに、彼らのコロナウイルスワクチンは「豚の材料を使わずに製造されている」と書簡を提出した。

その書簡に関わらず、敬虔なイスラム教徒が多く住むインドネシアの聖職者は、より多くの詳細を必要とした。

実は世界最大のイスラム教徒人口を擁するインドネシア。

微量の豚肉のDNAを混入したワクチンが、一部のイスラム教信者の接種を阻止する可能性があるからだ。その理由は前述の通り「ハラル」だ。

シノバック社は、より多くの情報を提供するのに数ヶ月かかっていたが、それがしばらく経って年末にようやく追加情報が出た。

東南アジアで最もコロナウイルスの感染数が多いインドネシアは、15ヶ月以内に1億8,150万人の成人にワクチンを接種するという目標に向け、支持を集めようと躍起になっている。

しかし、シノバック社ワクチンの安全性や、前述したようにハラルかどうかなどの疑問が浮上しており、政府の取り組みを複雑に、そして困難にしている。

ジョコ・ウィドド大統領は「このワクチンがハラルであるかどうかについては、何の懸念もないはずだ」と述べた。そして、「我々はコロナ・パンデミックに対する緊急事態にある。」と。

インドネシアでは80万人近くの感染者と2万3千人以上の死亡者を記録している。

シノバック社のワクチンが安全で効果的であることを保健当局が納得すれば、数週間後には保健所などのエッセンシャルワーカー、兵士、警察官を対象とした予防接種が開始される予定だ。

しかし、ワクチンはインドネシアでどの製品がハラルであるかを決定し、影響力のあるイスラム教聖職者のグループである「ウレマ評議会」による承認プロセスを経る必要がある。

「医薬品において、ハラルはワクチンそのものの安全性、有効性、品質に次ぐ重要な要素の一つである。」と、インドネシアの国営ワクチンメーカーBio Farmaの広報担当者Bambang Heriyanto氏は言う。

ウレマ評議会は今後数週間のうちにシノバック社ワクチンの使用を許可する政令を発行する予定だが、インドネシアの多くの保守的なイスラム教徒の間でどれだけ広く受け入れられるか注視する必要がある。

この国では2018年に麻疹が発生した際も、似たような事例が発生したことがある。

世界保健機関(WHO)の支援を受けた政府は、積極的なワクチン接種プログラムを実施したが、十分な量で利用可能な唯一のワクチンには豚の原料が含まれていた。

ウレマ評議会は麻疹ワクチンを分析した結果、ハラーム(イスラム教で禁止されている)であると宣言した。しかし、麻疹の発生が緊急事態であったため、ワクチンの使用は認めた。

しかし国内の一部の地域では、地元のイスラム教徒の指導者たちがハラームワクチンの使用に反対した結果、95%の摂取目標を大きく下回る結果となってしまったのである。

同じような状況を発生させないため、ワクチン接種の普及を促進するために、コロナウイルスの接種を拒否した人を罰することを可能にする新しい法律を可決した地方自治体もある。

2億7千万人の人口を持つインドネシアは、今後1年以上で人口の約3分の2をワクチン接種することで、集団免疫の獲得を目指している。

インドネシアはいくつかの企業からワクチンを発注しているが、すでに300万人分を納入しているシノバック社にその大部分を依存している。

(シノバック社ワクチンは、これまでのところ同国に到着した唯一のワクチンである。)

一方で、マレーシアやアラブ首長国連邦などイスラム教徒が人口のかなりの割合を占める他の国のイスラム国家では、より多くの予防接種を可能にさせるため、豚ゼラチンを含んでいても許容するとの判決を下している。

この、ワクチンは(宗教上)安全なのか?という問い。

麻疹の際にも起きたという前例や、その他のイスラム国家の判決や取り組みなど、初めた知ったことが多く、印象に残ったニュースだった。


63番目のアメリカの国立公園

ウェストバージニア州にあるNew River Gorge公園がこの度63個目の国立公園として登録された。

1960年代以降、世界最古の川の1つともされるその急流やロッククライミングの場所として多くの冒険家、アウトドア愛好家を魅了してきたこの場所が遂に”秘境”から”公園”になった。

ワシントンDCから5時間のドライブで着くこの場所。雇用率も低いウェストバージニア州で、このニュースに期待する人々は多い。

実際に、インディアナ州のインディアナ・デューンズ国立公園が国立公園に制定された時に、初年度の訪問者数は21%も上昇した。今回は更に多くの伸びが見込まれている。

国立公園化されるものの、このエリアでの昔ながらの伝統は残そうという取り組みもある。狩猟が文化として残るこのエリアでは、一部のエリアを除き、保護区に指定されたエリアでは狩猟が許可されている。

国立公園化することで、観光者が増えることや、伝統が損なわれることに不安を感じる地元住民からの反対の声もあるが、多くは好意的なものだ。

炭鉱で栄え、今は特に観光地もないこのエリア。国立公園の近くの田舎町はいま、新たな産業の誕生に向け、楽しみに準備を進めているという。

若者たちは大きくなるとウェストバージニアを離れ、都会で職を探すという。雇用が見つかりづらいこの州の大きな問題に対し、州議員たちは期待を込める。

「就職のために州を離れる若者は非常に多く、そして殆どは定年後に故郷に戻る。」この国立公園化が大きな変化への一歩であると語る。

コロナの状況が良くなり、また海外旅行が可能になった時、海外の大自然に行きたいと思う気持ちが強い。ぜひ、この絶景を自分の目で眺めてみたいところだ。

https://wapo.st/3aipvqr


今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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edited by Ayumu Kurashima
Instagram: @micronheads
Twitter : @micronheads_new

illustration by @mihirayuta


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