真っ黒のかわいい毛玉
動物ってかわいい。
鴨に限らず、散歩しているワンとニャンももちろんかわいいな。
先日買い物に行った時に、真っ黒のトイプードルを散歩させているおねえさんがいました。
黒い毛玉みたいで、かわいいなぁと思いながらすれ違った時、そのトイプードルがわたしの方に一直線にやってきたんですね。
普通なら「かわいい!」っていうリアクションを取るはずが、刺激に弱っているわたしはビクついてしまい「うわっ」と声を上げてしまいました。
おねえさんがすかさずリードを引っ張って「すみません!」と謝ってくれたのですが、違うんです、そうじゃないんです、ワンちゃんとてもかわいいんです、わたしの方の問題なんです、こっちこそすみません、ところでワンちゃんもかわいいですがおねえさんも美人ですね!という気持ちを噛みしめながら、おねえさんを見送りました。
ちっちゃくてかわいいトイプードルにもビクついてしまうとは、こりゃあ問題です。モフモフできる絶好のチャンスだったかもしれないのに!
モフモフしたいよね。飼い主さんが許してくれるなら、ちょっとだけでもモフモフしたいよね。
前みたいに慣れようと、YouTubeで犬や猫の動画をたくさん見て、復習しています。
でも気がつくとエガちゃんねるから、果ては星野源の動画とか見ていて、違う違うこれじゃないって慌てて検索し直したりしています。特にエガちゃんねるは違う。面白いけど、今じゃない。
あれですね、押し入れの整理をしているうちに、マンガを見つけてしまってずっと読んじゃうみたいな。
そういえば、散歩させている最中によく見かける、ワンちゃんが電柱にマーキングしてしまった後、飼い主さんがペットボトルの水で消すやつ。
マナーとして正しいことなのだと思っていますが、それを眺めているワンちゃんはどんな気持ちなんでしょうね。
「あっ消された!」と思っているのか「ご主人さまも一緒にマーキング?」と思っているのか。
「一緒にマーキング?」と思ってくれている方が幸せですが、聞けないのが残念。
たまにベランダの向こうで日向ぼっこしている「俺は誰も信じねぇ!」という鋭い顔つきの北斗のニャンを眺めるだけでも幸せです。
いつか猫と一緒に暮らしたい。
だけど、一緒に暮らすなら猫ちゃんが一生困らないくらいの貯金を貯めてからにしたいし、猫のいいところだけでなく、悪いところもちゃんと勉強して、それからじゃないと暮らせません。
当分無理だなー。でもいつか、ツンデレに振り回される時が来るなら、その時は思い切り振り回されて、そして幸せにしてあげたい。
昔、京都で友達と住んでいた頃、友達の猫も一緒にいました。
全然なつかない男の子で、避けられてばかりだったのですが、一度だけ向こうからやってきた時があります。
わたしが一人で泣いている時。
いつもじゃ考えられないくらいにすり寄ってきて、驚きました。
慰めてくれたのか、俺のテリトリーでうじうじ泣いてるんじゃないよということなのか、これも聞けないので分かりません。だけど、嬉しかったのは確か。
わたしが泣き終わると、定時で帰らせて頂きますんで、と言わんばかりにすぐに定位置に戻っちゃいましたけどね。
そんなことがあったので、いつか猫に恩返しできたらいいなぁ。
今度また、あの真っ黒の毛玉とすれ違うことがあったら、せめて笑顔で迎えてあげよう。