棋書カタログno.2 奨励会~将棋プロ棋士への細い道~(マイナビ)おすすめ度☆×4(親御さん必読レベル)
あゆみ将棋塾に通う生徒の内、奨励会興味があるなという子もいるので、その子の親御さんに読んでもらいたい本を一冊紹介します。
本書は、元奨励会員の著者が、奨励会の仕組みと実際に在籍した感覚をうまくまとめられている。
読んだ感想として、プロ棋士もプロアスリートだという認識に至った。当たり前の話だが、身体運用が少ない分、そこまでとは考えていなかった。勝てれば、試合が増え、負ければ、対局に出られなくて引退する。厳しい世界だ。
とはいえ、それでも奨励会に行きたいという生徒が出てきた際に、どうするか考えてみることにしよう。
僕がおすすめするのは、アマチュアトップクラスになって、三段リーグに横入りするルートである。所謂、邪道ルートです。
奨励会に入って、三段リーグまで駆け上がるのは、至難の業だと推察されます。(塾長は奨励会に挑んだ経験すらありません)
それゆえ、他の学業だったり、スポーツだったり、社会経験を積む場だったり、いろいろな活動をしても、罰は当たらないと考えています。
そのルートを見事に描いた作品が今連載されています。
上述の『盤上のオリオン』では、将棋の正規ルートである奨励会に草鞋を脱ぐのではなく、アマチュアの全国大会で優勝して、奨励会三段リーグに編入するルートを取っています。
あゆみ将棋塾では、そのルートを取ることを塾生・保護者にはおすすめしています。いろいろな家庭の事情があったりする中、小さいころから将棋に出会えたことは大事なことですが、人生を賭して、取り組むべきことなのか。その判断は、10年単位で保留しておくこともありだと考えています。
といった理由で、この本は、将棋で生きていけたらなと思っていそうなお子さんをお持ちの保護者の方はぜひともお手に取って読んでください。よろしくお願いいたします。