私家版 将棋遍歴録 第一話 将棋との出会い
ある日、僕は気づいた。後ろの席で、ぱちぱち音がすることに...
僕は、中学二年生だった。その当時、サッカー部を辞めて、ソフトテニス部に所属していた。朝から昼間の授業は退屈で、放課後の部活の時間にならないかということをずっと考えていた。
でも、毎日つまらなくはないけれど、心が共鳴するようなものでない授業を聞いて、難しい英単語やよくわからない数学の定義を習っても、どこか遠くに意識が飛んでいたような気がした。
昼休み、僕は学食でパンを買ってきて、教室で食べていた。い