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その常識、必要??

「宿題終わった?」

当たり前に親が子どもに言うこの台詞ですが、子どもの頃、親に言われてとても嫌な気持ちになったのを覚えています。
それが分かっているのに、私も小2の次男に口すっぱく言ってしまいます。
夏休みが終わりに近づき、その台詞は頻度を増していました。

小2の次男は、体を動かす遊びや生き物が大好き。
大好きなことに対しては、ものすごい集中力を発揮します。
反対に、学校の勉強はほとんど興味がないようです。
それでも、学校には友達がいるし、スポーツ少年団のサッカーをしているので、しぶしぶですが学校に行っています。

そんな感じなので、小学生になってからの1年半は、学校に行かない日もあります。
学校に行きたくない理由の1つは、“宿題が終わってないこと” です。
絶対に学校に行きたくない!というわけではないし、行けば「楽しかった」と言って帰ってくるので、宿題さえ終わればストレスなく行けるんじゃないか、と思い、つい「宿題終わった?」と聞いてしまっていました。

それに、
「教えれば理解できるはず、ゆっくり伝えれば大丈夫」
「基礎的な勉強だけは身につけておいて欲しい」
と私目線で考えていて、どうにか次男に分かって欲しいと思っていました。

夏休み終盤。
途中までしか宿題が終わっていないのに、自ら手をつけようとしない次男を見かねて、「一緒にやってみようか」と声をかけました。
ところが、次男は大泣き、大暴れ。
きっと、これまでの「宿題終わった?」という私からの声かけでかなりストレスを溜めていたのが爆発したんだと思います。

私が声を荒げると逆効果なので冷静に対応していましたが、段々と、
「何でこんなことしてんだっけ?」
「誰のため?」
「このやりとり、誰が幸せなの?」
と感じるようになりました。

1人になり、自分の気持ちと向き合ってみました。
すると、
「宿題が終わっていないと、困るだろう」
「勉強できないと、将来困るだろう」
「学校に行けないと、友達にも会えないしサッカーもできなくて、可愛そう」
という次男を心配する想いから、徐々に

「学校前日に泣かれたら、私が困る」
「ホームスクーリングは私にはムリ」
「家事を手伝ってもらいたいけど、嫌々されると大変」
と、私自身の心の声が見えてきました。

次男のことを考えながらも、結局は私の考えを彼に押し付けていたのです。

先日、『興味のままに』という記事で、「興味を持った時が、その子にとってのベストタイミング。」と書きました。
また、『森のようちえん』では、子どもたちのやりたいことを応援し、子どもたちがもともと持っている力を信じて見守りたい、と思って関わってきました。

それなのに、
“学校” という社会に入ったとたんに、学校教育を受けてきた私の中の “常識” を子どもに押し付けていることに気がつきました。


目まぐるしく世の中が変化する今。
これまで大人が身に着けてきた “常識” がまったく通用しない時代になっています。
子どもたちが巣立っていく10年後20年後は、更に変化した時代になっているでしょう。

そんな時代の中で、変わらず続けられてきている学校教育。
学校の良さ、学校にしかできないことは感じています。
でも、一人ひとり生き方が違うように、学び方や学ぶタイミングもそれぞれです。
宿題が必要だと感じて取り組んだ子には大きな学びになりますが、
嫌々取り組んだ子にとっては、学びどころか、苦痛でしかないでしょう。

「学校行く=宿題絶対」
というのは、私や多くの大人が経験した中で身についてしまった価値観であって、目の前にいる次男にとっての価値観ではありません。
私も含め、大人は、子どもよりも経験が多いので教える立場だと思ったり、自分の方が上、という意識で物事を伝えたりします。
でも、子どもが生まれて思うのは、子どもから学ぶことの多さです。
それは、“知識” ではなく、“生き方” 。
「母ちゃんが持ってるその“常識”、必要??」
といつも子どもに問われている気がします。

今回、次男とのやりとりで、「学校行く=宿題絶対」という私の”常識” を見直す機会をもらいました。
担任の先生にもその想いを話したら、意外にもあっさりと共感してもらえて、「宿題は出来たところまでで大丈夫です。学校で会えるのを楽しみにしてますね(^^)」と言ってくれました。
共感を得られない、と思っていたのも私の勝手な思い込みで、それによって私は、次男の大好きな友達やサッカーという大切な学びの場を奪うところでした。

私は子どもたちに、知ったかぶって常識を押し付けたいんじゃなく、
子どもたちの楽しそうな笑顔をずっと見ていたいし、
子どもたちが大好きなこと、興味があることを応援したい。

それが私の幸せだなと思った、夏休みの終わりでした。


子どもたち初めてのサーフィンin種子島 (movie by shunzo)

https://youtu.be/FermDkM7x0o


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