忘れられない味とは
わたしには6年ほど、海外を旅したり、一定の場所で暮らしたり、日本に帰国したり、を繰り返していた時期がある。
どこの国の料理も口に合って、困ることはなかったが、暮らしていた時期は時間があり、たまに好奇心にかられ、凝ったものを作ってみようという気になったものだ。
例えば、じっくり煮込んだトマトソース、手ごねパン、あんこ焚き、などなど、時間がかかるがゆえあまり機会に恵まれてこなかった手作り、に目覚めたこともあった。そのひとつが、皮から手作り餃子、である。
海外で日本の食材を手に入れられないこともないが、いかんせん、お値段がお高め。その事実も手伝って、小麦粉最強!と思いながらそのときも餃子の皮作りに勤しんだ。ここで初めて知ることになるのだが、薄く伸ばす、ということがなかなか難しい。諦めて少し分厚めのまま餡を包み焼くこととなったのだが、皮が肉厚でもちもちしておいしい!という結果になった。
そしてそこから数年経った先日、同じシェアハウスに住むメンバーで、再び皮から餃子を作ろう!という機会に恵まれた。それぞれの経験やアドバイスを取り込み、試行錯誤をし、数時間かけて餃子は完成した。結果は、、、おいしすぎる…!!!!!かつてこれほどまでにおいしい餃子を食べたことがあるだろうか、というほどの、最高の出来だった。
今回、わくわくしながら、わいわいと、みんなで楽しく作ることができたことも、おいしさに上乗せされていると思うと、一緒に作ったメンバーに感謝である。このときの餃子の味は、忘れられないだろう。忘れられない味、の体験を、人生のうちにたくさん作っていきたいとおもった。