若手社員こそ必要な「巻き込み力」ってナニ?
日本はもうすぐお盆休み。皆さまは帰省されますか?
暑さが続いているみたいなので、移動や外出の際は例年以上に夏バテにはお気を付けください。
私は、こちらカナダのモントリオールに来て2週間が経ち、こちらの生活も残り半分となりました。こちらに住んでいる日本人の方々やカナダに暮らすいろんな国の方々と交流しながら過ごしています。
天気は例年に比べて雨が多く、そのせいか気温が25度前後と肌寒い時もあります。6月後半~7月前半の高校訪問で熱中症になるかと思ったくらい灼熱の中にいたのに、8月はこんなに涼しい夏を過ごすとは思いもしませんでした。
こちらの生活について、Threadsにアップしています。カナダの暮らしに関心を持っていただける方は、よろしければこちらもご覧ください♪
https://www.threads.net/@ayumimoroto
さて本題に戻りますが、こちらのnoteのメインテーマのひとつでもある
人材育成において、すべてのビジネスパーソンが必ず身につけるべき社会人基礎力については、過去エントリ
「ピカピカの新入社員、一人前の人材に育てよう!(前編『最初の第一歩』)」
「「育成虎の巻」の強い味方!選んで活用中小企業向けオンライン公開講座、始めます」
などで何度もお話させていただいております。その内容ー3つの能力、12の能力要素はしっかりと把握されておりますでしょうか?
①「前に踏み出す力」の能力要素—1. 主体性2. 働きかけ力:3. 実行力:
②「考え抜く力」の能力要素—4. 課題発見力:5. 計画力:6. 創造力:
③「チームで働く力」の能力要素7. 発信力:8. 傾聴力:9. 柔軟性:10. 情況把握力:11. 規律性:12.ストレスコントロール力:
この基礎力は、職種、業種に関わらず働く全ての人が持つべき力だ、というのは項目を見ればご理解いただけるかと思います。
若手育成においても、この項目を漏れなくインプットしていくべきなのですが、この能力の中で、特に若手社員が早期に身につけるべき力はどれでしょうか?
新人にこそ必要な「巻き込み力」
まず、大前提としてすべての仕事はチーム戦だ、と定義しましょう。特殊技能で戦う専門職でも、仕事の先には必ず人がいます。
つまりは、「誰もが、誰かと仕事をしなければならない」ということです。
それを踏まえたうえで、チームの中での若手社員の立場はどのようなものか、考えましょう。
まずは、仕事についてはまだまだ未熟であり、教わることも多いでしょう。そして、先輩や上司に引っ張ってもらう必要もあるかと思います。
そんなチームの中で、若手社員はどのように立ち回るべきなのか。
仕事はひとりではできません。できないからこそ、自分にない能力を持つ人の力を得て、自分のできることに責任を持ち、みんなで目標に向かいます。
そんなチームを編成するのも、引っ張っていくのも上司や先輩になりますでしょうか。
しかし、若手社員は、自分が「引っ張られて」「教えてもらいながら」仕事を進めなければなりません。
若手社員の主観で言えば「自分を引上げてくれる人を、自分の元に引き寄せる」必要がある、ということになります。
つまり、若手社員が円滑に仕事を進めるためには「巻き込み力」が必要、ということになるのです。
「巻き込み力」は、若手社員の必須スキル
「巻き込み力」という言葉は、一見するとそのチームを引っ張る人に必要な能力のようにも見えます。
もちろんリーダーにも必要な要素ではあります。しかし、ひとりでできることに限界がある若手社員だからこそ、「助けてあげたい」「教えてあげたい」「手を貸してあげたい」と「思わせる」力が必要なのですね。
未熟だからこそ(笑)必要なのが、この「巻き込み力」。しかし、「巻き込み力」とは、具体的にどのような能力なのでしょうか。
若手にこそ必要な「力になりたい!を引き出す力」
「巻き込み力」と文字だけ見てしまうと、バイタリティあふれる優秀な人が、テキパキと周りに仕事を振り分ける…みたいなイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし「優秀さ」は「その人の力になりたい」という気持ちの原動力になるとは限りません。
この人はひとりで何でもできるな、と思ってしまえば、仕事を依頼を受けることはあってもその人を助けたい気持ちは持ちにくいでしょう。
「優秀な人に依頼された仕事をこなす」というのは「巻き込み力」に少々及ばないように思います。
例えば、不器用でも一生懸命な人や、誠実な人が困っていたりすると、「助けたいな」「この人の力になりたいな」と思ってしまう経験は誰しもあるかと思います。
「巻き込み力」とは、優秀さや雄弁さが必要、という話ではなく、あくまでもその人に「自主的に」「力を貸したい」「一緒に頑張りたい」と思わせる力ということですね。
上記のたとえ話にある、優秀でバリバリなんでもこなす人でも、その人の言動が魅力的であれば、「一緒に仕事をしたい」「共に努力したい」と思い、自主的に動く人がいれば、それは「巻き込み力が高い」ということになります。
ここで冒頭の「12の社会人基礎力」を振り返ってみましょう。
「巻き込み力」とは、「チームで働く力」に対する総合的な能力であり、「前に踏み出す力」能力要素の中の「2. 働きかけ力」にあたるもの、ということになるでしょうか。
「巻き込み力」は、周囲の力を借りなければならない若手社員だからこそ、必要な能力ということですね。
「巻き込まれる動機」は人それぞれ
先ほどのたとえ話の通り、「巻き込み力」は、その人の属性によっても違いますし、各々の立場や、受け取る人の性質などでも違ってきます。
周囲に自分の困った気持ちを伝えられない人は、「助けたい」と思う上司や先輩がいても、手を貸しにくい、と思われる可能性があります。
また、能力が高いと評価されている人は、助けなど必要ない、と思われているかもしれません。
頑張っている人こそもっと応援したいと思う人がいる一方、頑張れているのだから手助けは不要かな、と感じる人もいます。
どのような状況であれば、この人は「巻き込まれてくれる」のか、を考えて行動する必要がある、ということですね。
「巻き込み力」を発揮するには、巻き込む人も、また、巻き込まれる人もそれぞれ。
私は過去エントリ
「「部下」としてどう接する!?上司タイプで使い分ける!コミュニケーション術」
などでお伝えしております4つのタイプ「ソーシャルスタイル理論」などを活用し、その人に合った方法でコミュニケーションを取るようにしておりました。
感情に訴えるのが良いのか、理論的な説明を求められているのか…人によって様々です。
「ちょっと今、こんなことに困っているんだよね」といった、軽い切り出し方の方が話を聞いてくれる人が多くなる一方、深刻さが伝わらない人もいるでしょう。逆に、改まり過ぎる話は、面倒そうだと最初から聞く耳を持たない人もいます。
これらは本当に人による、としか言いようがありません。相手に「刺さる」話の切り出し方を選んで話をすれば、成功率はグンとアップします。
これらを「人による」を念頭に、「巻き込まれてくれる」話の切り出し方ができると良いですね。
「巻き込まれるプロセス」も人それぞれ
「巻き込み力」には巻き込む人、巻き込まれる人の特性が影響しますが、他にも大切な要素があります。
ちょっとしたスキマ時間や、昼休憩の雑談がきっかけで仕事でも助け合う関係になった、というのは誰しも経験があるでしょう。
飲みニケーションという言葉も時代遅れの象徴のように思われていますが、実際には飲みの席だけではなく、給湯室での軽い挨拶から別部署の人と仲良くなる、というのは往々にしてあることですし、今や完全に時代遅れとなりましたが、タバコミュニケーションなども、確かに有効だった時代がありました。
これら「仕事以外の場所、時間で知り合い協力関係ができた人」というのは、一体何が要因なのでしょうか。
そう聞かれると、これはもう「たまたま」だったのでは??と思いますよね。その通りです。たまたま、その人の時間的、心情的タイミングが合ったということなのだと思います。
お願い事や頼み事がある、協力を求める際、引き受けてくれるかどうかは切り出し方のタイミングも大きく影響します。
上記のようなスキマ時間に、さりげなく相談するのが良いのか、しっかりとアポを取り、時間を作ってもらうのが良いのか、これもまた人によって違います。
「折り入ってご相談があります、30分ほど時間をいただきたいのですが」と言われるのと、「ちょっと今、5分だけいいですか?」と言われるのではその印象はまったく違ってきます。どの方法が相手に、そして自分に適しているかも検討しましょう。
また、機嫌の善し悪しで同じ話を聞いても返事が変わってしまう、というのは誰しも経験があると思います。こういった外的要因も影響してくるでしょう。
タイミングを含めた様々な環境的要因に留意することで、あなたの「巻き込み力」をアップさせていきましょう!
なぜ、その人を「巻き込みたい」のか
これは「巻き込み力」を発揮する前に考えるべき話なのですが、周囲の先輩や上司など、あなたが「巻き込みたい人」の得意分野を予め把握しておくのも大切なことです。
あなたが「巻き込み力」を発揮するのはどんな時でしょう。当然ですが、その人の力を借りたい時です。助けが欲しい、そんな時に、どの人を、どのように巻き込むのか?を、ある程度は想定して声かけをしていくでしょう。要は「戦略」が必要になる、ということです。戦略を立てるには情報が不可欠です。
周囲には、どんな人がいますか?
その人の得意分野は何ですか?
得意分野を発揮してもらうには、どのような声かけが適切なのか?
これらを把握して、初めて「巻き込み力」が発揮できるのではないでしょうか。
モノは言いようシリーズ 『上手に周囲を巻き込める伝え方』開催のお知らせ
そこで、恒例のお知らせをさせてください。
過去エントリ「「育成虎の巻」の強い味方!選んで活用中小企業向けオンライン公開講座、始めます」でお伝えしております
「一人ひとりに合った学びの場を。実践的ワークで今日から活かせる!社会人基礎力でワクドキ組織をつくるオンライン公開講座」
9月は4回目となる、モノは言いようシリーズ『上手に周囲を巻き込める伝え方』を実施いたします。
若手、中堅社員を対象に、周囲の巻き込み方や連携の取り方を学ぶ講座です。自身のコミュニケーションスタイルを分析したうえで、周囲を巻き込み、巻き込まれるためのポイントを押さえ、ワークを通じて実践します。
社会人基礎力は社会人の必須スキルです。これを機会に、 「チームで働く力」「働きかけ力」を着実にインプットしていきましょう。
皆様のご参加をお待ちしております!
講座詳細はプログラム内容・お申込ページも併せてご覧ください。
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