見出し画像

#4 優れた科学者は優れたデザイナーである!?

1.オープニング

どーも!Ayumiiiです。
今回は「優れた科学者は優れたデザイナーである!?」と題してデザインについて、まーったくといっていいほど知らない私が、認知科学者であるD.A.ノーマン氏の「誰のためのデザイン?」という本の全7章のうち第1章まで読んだ要約と感想とかを書きたいなあと思います。



デザインと聞くと製品の美しさとかの話で、そこまで興味を持っていなかったのですが大学の講義などでデザインとは、ある機能を込めたものと知り、それから組織が機能するかなど、身の回りの多くの場面で関係するものだと感じました。それからハマってしまいました笑
人間の認知の過程やデザインを考えるときの概念とかを知ることができて身の回りのモノやサービスの見え方が変わり、「どうして〇〇は使い勝手がいいのか」、「どうしたら自分が望むシステムになるのか」っていうのを考えるようになり、とても見える景色豊かになったなあって思ってます笑
デザインの考え方(概念)を知ると、皆さんの周りにあるもの見え方や関心・問題解決のプロセスなんかが変わるかもしれません。よろしければお付き合いください!

2.内容紹介


第1回は、特に面白かった「アフォーダンス」と「シグニファイア」を中心に書きたいと想います。

アフォーダンス(affordance)、、、シグニファイア(signifier)、、、

これらは、モノ(恐らく物体に限らず)を認識するときに関係する概念です。
本書では、
アフォーダンス:「人と環境の間で起こるインタラクション。アフォーダンスの中には知覚可能なものと、そうでないものが存在する」
シグニファイア:「ものごとを示唆するものである。とくに、どんな行為が可能か、それがどのように行われるべきかを示す」
と、紹介されていました。

。。。?
具体例をもとに考えると納得がいきました。
本書では例の一つとしてガラスとヒトの関わりについて示されていました。
ガラス、、、、窓とかに使われてて透明で割れやすいもの。。

そうです!その透明と認識するやり取りこそがアフォーダンスであり、そのような見た目がシグニファイアなのです。
先ほど紹介したように、アフォーダンスとはインタラクション、つまり関係性です。ガラスとヒトとでは主に2つの関係性が思い浮かぶかと思います。
一つは、透明に見えること。もう一つは通さないこと、です。
ガラスは、ある分子がある並び方をして形成されています。
それに対してヒトは目や神経、脳を用いた仕組みによって、見る能力があります。また、ヒトは大きさを持つという特徴があります。
よってこれらの間には、透明に見える関係性・ものを通さない関係性が成り立つのです。また、透明に見えることに関しては視覚的にヒトに働きかけるというシグニファイアがあります。



このようにモノと受け取り手には、受け取り手の能力(先の例ではヒトの見える能力と大きさを持つという特徴(能力))とモノそのものによってアフォーダンスが存在している。そのうち認識されるものとされないものが存在し、認識される際に手助けするものがシグニファイアである、となります。


3.考察?

自分なりにモノと受けての関係について図を書いて深堀り?してみました。

( ⅰ )①受け手の気づく鋭さ②受け手の経験、が異なるから人の違いを理解した上で、できるだけ多くの人に機能を知覚されるシグニファイアを備えることが大切であると思いました。


( ⅱ )
デザイナーは、多種多様なヒトの知覚の違いを意識して、そこから逆算してモノとヒトの関係性が気持ちよくなるように設計していて、改めてすごいと思いました。
モノがあってアフォーダンスが成り立つという順番だと私は思うので、それを作成するのは逆算的なプロセスに感じ、まるで数学で直感でわかった答えを紐解く天才のように感じます。

( ⅲ )科学は、自然とヒトの間のアフォーダンスを探すものを含んだものだと思いました。(他にも対象物そのものを探求するなどありますね)
ニュートンはりんごが落ちるという現象を見た際に、それまでの人が認識することができなかったりんごが引っ張られている、という摂理を認識できたといいます。(逸話なのかもしれませんが笑)
これはニュートンが気づきに鋭さがあったから、または経験があったから、ちょっとしたシグニファイアを認識できたのかもしれませんね。
そんなシグニファイアに鋭くてアフォーダンスを近くできる人が、ヒトの見え方や、いままでの概念を元にして、適切なモデルを提言したり(数式そのものを立てることや数式内の誤差の扱い方など)、実験を適切に設計するなどデザインすることで発展してきているのかと思いました。
経験を積んだりセンスを磨いて、ちょっとしたシグニファイアを頼りにアフォーダンスを認識する。かつて数の概念を生み出したように、適切な概念・モデルを設計して、それを人の能力として多くのアフォーダンスを知覚する、そんなことが理系の自分にも必要なのではないかと思いました。

※それにしても数式は、人の概念と現象の間のアフォーダンスなのか、人に知覚を促すシグニファイアなのか、それとも現象(対象)そのものなのか、人の能力なのか、わからなくなりました。。。笑


( ⅳ )
電子化したときに元の形に似せる(電子書籍のめくった際の動きが紙のようなど)のは見た目の美しさからだと思っていたんですけど、シグニファイアをなくさない点でも大切であるんだと思いました。本書では、本の栞がただの紙であるのにも関わらず挟んだところの前後の分厚さから、どれくらい読んだのか、あとどれくらい残っているのか知覚できる、と紹介されていました。
技術が進み電子書籍やVRなどによって、いままで扱っていたものを普遍的に扱えるようになりますが、その際に使っているときの知覚も大切にしないといけないのかもしれませんね。

( ⅴ )人と人が接するときも、相手に認識してもらうという過程があるはずなので受け手としては、経験などによってちょっとしたシグニフィア(表情など)にも気がつけること、伝える方としては言葉、表情といったシグニファイアをしっかりデザインすること、が大切だと感じました。(見せ方で騙して、、の前に内面を磨くことももちろん大切ですね笑)

( ⅵ )執筆現在「Clubhouse」が物凄い勢いで流行しています。
その理由として引き算設計に優れているとよく紹介されているように思います。
コメントがなかったりやリアクションが限られていたり。ビデオもないですね。
このように機能が引き算されていることで、かえって他のノイズを受けにくく素晴らしいと称されていました。これも、ガラスの例で紹介したアフォーダンスが他のアフォーダンスに干渉している例なのかもしれませんね。

よく、新しいサービスを考えなさい、とかをインターンや授業で課されます。その際、既存のものと似ているけど、使い勝手が異なるものを提案するときがあります。しかし、「それもうあるよね?、〇〇で代用できるくね?」と評価されてしまうことがほとんどです。
zoomでClubhouseと似たようなことができるかもしれませんが、画面オンだと障壁や他の情報が入ってきてしまうし、オフだと距離をうむ可能性があると思いました。その点、ビデオという機能を引き算することである使いやすさが増すんだと思いました。
機能の充実度と使い勝手は必ずしも相関せず、人間が扱う以上、機能が限られていても人の使い勝手を意識したものが流行るんだと思います。

検索機能を持った携帯が普及したり、その一方でこのように機能を限ったものこそが普及したり、その繰り返しを経て段々と人が最も使いやすいものに収斂していくのだと思います。


(ちなみに、この内容はLaws of UXというサイトでHick's Lawとして紹介されている、「選択肢を選ぶのに必要な時間は選択肢の数とその複雑さに比例して伸びる」という法則にも関連しているように思えます。サイトでは例としてテレビのリモコンが挙げられています。たくさんのボタンがあるが認知不可が大きいため、ご高齢の方に対してその子どもなどが音量・電源・チャンネルといった最低限のボタンに限り、他はテープでぐるぐる巻きにして遮断するケースがあるそうです。

※Laws of UX とは、デザイナーのJon Yablonski氏がデザインに活かせる20の心理法則をまとめたサイトです。(書籍化もされているようです。)ある案件において彼が定性・定量データなくしてデザインの有効性を示す必要がありました。その際行動心理学・認知心理学の文献を漁り見事ステイクホルダーを説得するのに成功したそうです。彼は、それを通じてより良いデザイナーになったと感じたようです。またデザイナーが、そういった心理学を参照する際に一箇所にまとまったものがないと感じ、特に有効な20の法則をまとめたサイト、Laws of UXを作成したそうです。(Podcast、Designput(デザインプット) エピソード032:データ無しでデザイン 紹介より)


4.エンディング

いかがだったでしょうか。。。?
今回紹介したものから、みなさんがデザインに興味を持っていただければ幸いです。また、日常の視点が良い方向で変わっていても幸いです。
間違っていたり、「私はこう思う」などあればコメントしていただけると幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
読みすすめて適当なタイミングでまとめてみようと思いますので、もし今回のが面白ければ、また読みに来ていただければと思います。

では、また〜👋




いいなと思ったら応援しよう!