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"海外"のリファラル採用に迫る。日本と海外のリファラル採用の違い
こんにちは、ポテンシャライトの寳田(ほうた)です。
以前リファラル採用におけるTipsを書かせていただきました。
・リファラル採用導入のステップ
・リファラル採用で陥る2つの落とし穴
・リファラル採用をより加速させる6つのtips
上記内容に触れております。もしご興味ある方はこちらもぜひ🙋♀️
今回もリファラル採用に関する内容です。今回は少し視点を変えて「海外」のリファラル採用と「日本」のリファラル採用 について比較してみます。
アメリカでは日本より遥かにリファラル採用が進んでいます。海外と比較することにより、日本でも転用できるTipsもありましたのでご紹介させていただきます!今回は「リファラル採用」の中の「報酬」にスポットを当てて比較します!
0. はじめに
まずは簡単なTipsからご紹介したいと思います。
0-1. リファラル採用の報酬額について
まずはじめに、リファラル採用の報酬額について。
海外では、リファラル採用の報酬額は10万〜50万の報酬額を設定しています(全体の70%の企業)。
報酬規定は様々なのですが、下記2つを基準に設定している企業が多いようです。
・採用/紹介人数で報酬額を設定
・採用単価により報酬額を設定
0-2. アメリカのリファラル採用の状況
アメリカのリファラル採用の状況を簡単にお伝えします。
▼アメリカの「リファラル採用」の状況
・約8割の企業が「リファラル」採用を導入
・2012年以降、採用数が最も多い採用チャネルになっている
▼アメリカで「リファラル採用」が浸透している背景
・報酬制度がきちんと設計されている
・人の流動性が高い
1. 報酬制度を設計するメリットとは
そもそも「報酬制度」を設計する意図は何なのか?もちろん「浸透」させるために必要なのですが、報酬制度を設計する理由は大きくこの2つです。
・インセンティブで社員のモチベーションをUPさせるため
・社員の負担を減らすため
というのも、リファラル採用は採用コストを削減できる手法ですが、コストは掛かってしまいます(インセンティブや交際費など)。
報酬制度を設計せずともリファラル採用を行うことは可能です。しかしながら、その場合は報酬以外の別の施策を立てる必要があるため、リファラル採用を導入したばかりの企業や、まだ浸透しきれていない企業の場合は「報酬」という形でわかりやすく社員に明示したほうが浸透しやすいです。自社の経営状況に応じて報酬額等は設定するのが良いでしょう。
2. 日本と海外での報酬制度の比較
2-1. 日本の報酬制度の特徴
日本の報酬制度は「現金」でインセンティブを支給する企業もありますが、「お金」以外の「モノ」や「名誉」で報酬制度を設計している企業のほうが多いです。
例えば下記のように個人賞とチーム賞で分けている企業もあります。
<個人賞>
・Amazonギフト券 5万円分
・ヤマダ電機利用券 10万円分
・最新Mac PC変更購入
・旅館 界 星のやペアチケット
・ディズニーランド ミラコスタペアチケット(平日)
・クオカード5万円分
<チーム賞>
・お食事券5万円分
2-2.アメリカでの報酬制度
アメリカではリファラル採用の報酬として、数日間の休暇を提供している企業もあります(約15%)。
また、Linkedinの調査により、社員がリファラル採用を行う理由が見えてきました。
・転職活動中の友人をサポートするため(35%)
・会社の事業を成長させるため (32%)
・優秀な社員とみられたいから (26%)
・お金を稼ぎたいから (6%)
そして驚いたのがこちら。アメリカにはリファラル採用報酬制度の種類が大きく3つある事が分かりました。
◆「賞金」型
紹介してくれた社員に対して「現金」で一定の金額が支払われるもの(日本と同じですね)。6%の、お金稼ぎを目的でリファラル採用を実施している社員には効果的です。
◆「称賛」型
リファラル採用に貢献してくれた社員に対して、表彰などを通して「称賛」を送るもの。この場合は優秀な社員と見られたい、という承認欲求の高い社員に効果的です。
◆「社会貢献」型
リファラル採用が決定した際に、紹介してくれた社員の代わりに、お気に入りの慈善団体へ寄付するなど「社会貢献」を実施するというもの。友人や会社を助けたい、という思いの強い利他的な社員には効果的です。
日本とアメリカのリファラル採用報酬制度における違いは、報酬制度の種類です。日本で「社会貢献型」の報酬制度を実施している企業は限りなく少ないのではないでしょうか。
3. アメリカと日本の報酬制度を比較した気付き
アメリカの報酬制度と日本の報酬制度を比較して感じたことは、「人間の働く欲求」に紐づいて報酬制度は設計するのが良いということです。
前述した通り、アメリカにはリファラル採用における報酬制度が3パターンあります。なぜアメリカではそのような報酬制度になっているのか考察してみました!
◆「賞金」型
アメリカでも日本同様、「現金」や「旅行券」などで支給しておりましたが、金額のレンジ感は異なりました。
アメリカの報酬相場:10万〜50万
日本の報酬相場 :10万前後
アメリカと日本の採用の手法に違いがあるからこそ、賞金型の報酬制度になるのではないでしょうか。というのも、アメリカの採用経路はほとんどがリファラル採用です。アメリカでは広告を使わなくても人が集まるので、広告というものに価値を感じていない現状があります。求人広告で採用するという考えではないので、リファラル採用を推進しており、シリコンバレーではリファラル採用の比率が50%を切ったら採用担当者がクビになるともいわれています。
そのような状況なので、単純に「リファラル採用」に対する本気度も日本とはだいぶ違うでしょう。
◆「称賛」型
称賛型とは、紹介してくれた社員に対して、社内で表彰をするだけではなく、会社や代表のSNSでも感謝の気持ちを投稿するというものです。
日本では社内で表彰を行うことはありますが、あまり外部へ発信することは少ないのではないでしょうか?あくまで推測ですが、アメリカは国土が広く共に働くメンバーが地理的な問題で離れて仕事をしていることから、リファラル採用の様子を社外の人問わず遠く離れたメンバーに伝えるべく「称賛」型の取り組みをしているのではないかと考えます。
◆「社会貢献」型
「社会貢献」型の報酬制度は日本には全く浸透していないですね。「社会貢献」型というのは、紹介してくれた社員が指定した、慈善団体へ寄付するというもの。アメリカで「社会貢献」型の報酬制度が浸透している理由はアメリカが多民族の国という背景からなのではないでしょうか。元々の出身国はアメリカではない、かつ出身国が貧しい場合は「自分が報酬を受け取るよりもその国に寄付してくれた方が嬉しい」ということから浸透しているように思えます。
4. 日本の未来の報酬制度
これまで比較してきて気付いた「人間の働く欲求」に紐づいて報酬制度は設計するのが良いという観点を元に、日本のリファラル採用における未来の報酬制度を設計してみました。
まずは、人間の欲求を表した図でよく使用されるマズローの欲求です。
では人間の働く欲求を想定できる範囲内で羅列してみました。
自己実現欲求 ・・・自己実現
承認欲 ・・・承認欲求
休暇欲 ・・・社会的欲求
リフレッシュ欲 ・・・社会的欲求
貢献欲 ・・・社会的欲求
報酬欲 ・・・安全欲求
食欲(美味しいものを食べたい)・・・生理的欲求
上記マズローの欲求のフェーズと、人間の働く欲求を照らし合わせてみました。
このように考えていくと、既にある報酬制度以外にも報酬制度は設計出来そうです。
生理的欲求を満たす報酬制度:
例)叙々苑2回分の支給。
紹介してくれた社員と入社決定の社員で行けるようなもの。
安全欲求を満たす報酬制度:
例)採用決定につき「20万」支給。(旅行券などの代用でも可)
※採用決定だけでなく選考ステップ通過ごとに支給しても良いかと
社会的欲求を満たす報酬制度:
例)採用決定した場合、数日間の「休暇」支給。
※20万円分の旅行券と共に休日を支給しても良いかと
承認欲求を満たす報酬制度:
例)表彰や代表とのランチ会支給。
自己実現欲求を満たす報酬制度:
例)交換留学制度や7日間のプログラミング研修等支給。
自己研鑽のため、社員の指定したプログラムを受講可能になるようなもの。
最後に
いかがでしたでしょうか?リファラル採用は気軽に始めることはできるものの運用や浸透において頭を抱えている企業も多いです。
ポテンシャライトではリファラル採用の報酬設計や浸透設計なども支援をしております。ご興味をお持ちの方はお気軽にご連絡をいただければ幸いです。採用状況を鑑み、無料でカウンセリング商談も実施しておりますので、よろしくお願い致します。
ポテンシャライトは、2020/6/22〜2020/10/12まで「ポテンシャライトマガジン」という発信を続けています。購読希望の方は下記にてご登録ください。 ↓