「5W1H」で考える採用広報5.0とは
「採用広報を進めていきたいけれど一体何をどのように進めていけば良いでしょう?」
最近採用広報の戦略・設計からご相談いただくことも徐々に増えてまいりましたし、自社採用を実施している当社内においても模索することが多くなりました。
(既にご覧いただいている方もいらっしゃるかと思うのですが)上記は採用広報の歴史をまとめたものになります。様々な採用広報のカタチがトレンドになり、戦略的に採用広報を行うことが求められる時代が到来しました。
そんな中で当社も採用広報系の記事はいくつかアウトプットしてきました。日々、模索する中でターゲットや題材設計だけではなく、表現手法や公開先なども設計した方がより効果的な採用広報に繋がるのではないかと感じました。
今回はポテンシャライトが考える採用広報5.0についてお伝えします。
(どちらかというと「採用マーケティング」の領域に近しいかもしれません。)
0. はじめに 〜これまでの採用広報1.0から採用広報4.0〜
はじめに、これまで当社が提唱してきた採用広報1.0から採用広報4.0をさらっと振り返ります。
## 採用広報1.0 (2017.09~2018.09)
とにかく各社社内の様子を可視化する施策として社員インタビューが多数UPされていましたよね。入社して初めての仕事はWantedlyのストーリーを書くことですという声もよく耳にしました。ある程度社員インタビューを実施していくと型ができてきます。そうすると徐々に似た記事が蔓延する様に...。ここから「採用広報疲れ」を引き起こしてしまった気がします。
採用広報をアップデートする必要があるなと感じてそのタイミングで市場に存在しているフィードを踏襲し、題材の分類を進めていきました。
## 採用広報2.0(2018.09~2019.09)
早速題材の分類をスタートしました。当社が過去に作成した採用記事+世の中にUPされている採用広報記事を100つ程度調査して当時明確になったのは13つの題材があるということでした。
13の題材を企業における4つのP (理念/philosophy、事業/privilege、人/person、福利厚生/privilege)に分類をしています。
※「円の大小」は世の中に出回っている採用広報の「量」を示したものです。
## 採用広報3.0 (2019.09~2020.05)
題材を分類して早速記事執筆へ、と思ったのですが、記事のターゲットが曖昧であったり、最も伝えたいメッセージが他社と同じだと勿体ないですね。採用広報の手法を設計していきました。
採用ターゲットの設計/採用競合の選定/SW分析/ゴール設定/ポジションマッピング/ターゲット別のメッセージングを設計していきました。設計方法など詳しくはこちらにアウトプットしております。気になる方はぜひご覧ください。
## 採用広報4.0(2020.05-2020.10)
ここから少しずつ採用マーケティング的な概念の話に入っていくのですが、「採用広報ってどのプラットフォームで実施した方が良いのですか?」とご相談いただくことが増えてきたこともあり、題材やターゲットに合わせてプラットフォームは変えた方が良いという内容をアウトプットさせていただきました。
結論としては
- 非エンジニア:Wantedly
- エンジニア :はてなブログ/Qiitaブログ
これが2020年11月時点の王道と言えます。
詳しくはこちらへ
1. 採用広報 = Wantedlyストーリーの違和感
採用広報4.0をアウトプットしてから約1ヶ月が経過しました。この1ヶ月間で新しく採用広報戦略を設計し直すことになった背景について触れていきます。
1-1. 「人」によって提供する情報は異なるのでは?
そもそも「誰に」対してのメッセージングなのかを定義しなければなりません。ペルソナ = ターゲットですね。このターゲットが曖昧だと最終的に伝えたいメッセージにもブレがでてきてしまいます。
このペルソナ設計、どこまで詳細に設計できていますでしょうか?
例えば「エンジニア」をペルソナとした場合であっても
・Web系のエンジニア
・Slerのエンジニア
によって興味を持つコンテンツ・惹かれるコンテンツは少なからず異なります。人によって提供する情報は異なるべきですし、「誰に」向けたメッセージにするのかはより追求した方が良いことに気付きました。
1-2. 忘れてはならない「題材」について
ペルソナ設計が終了した後はそのペルソナに対して、「何を」届けるのか、つまり題材が肝になるのではないでしょうか?
上の図は、採用広報2.0で先述した採用広報における題材です。13の題材を企業における4つのPに分類しています。
ただ・・・
これはどの企業も普遍的に打ち出すようになってきた気がします。
より差別化を図りながら採用広報を進めていく必要性がでてきました。
1-3. 「面接前」に提供する?「面接後」に提供する?
続いて、「誰に」「何を」が決まると「どのタイミングで」(つまり「いつ」)がポイントになるかと思います。
公開した採用広報の記事は選考時に最大限生かせていますか?
適切なタイミングで採用ターゲットに届いていますでしょうか?
せっかくの資産かと思うので選考でも生かしていきたいですよね。当社でもWantedlyストーリ/note/podcast/SNSを中心に採用広報を実施しているのですが、カジュアル面談前と選考中で候補者さんへ読んで欲しいコンテンツをピックアップし展開しています。
面接前 or 面接後など「いつ」提供するかの設計も重要ですね。ここで重要なのは求職者のニーズによって出せるカード(情報)を複数持っていた方が良いということです。
1-4. そもそもブログでなくて良いのでは?
ここまでくると、そもそもブログでなくても良いのではと思ってしまいました。採用広報はブログを書くだけではありません。TwitterやLinkedinなどのSNSでも広報できますし、さらには動画やラジオなどで臨場感とともに自社のことを伝える、これもまた採用広報です。
そうなってくると「どうやって」自社の魅力を伝えていくかは設計した方が良さそうですね。
1-5. プラットフォーム(メディア)を変えた方が良いのでは?
2016年頃から2019年頃まででしょうか、採用広報=Wantedlyストーリーというイメージが強かったです。メドレーさんの「私がメドレーに入社理由」という入社エントリは人気でしたよね。ただ、最近状況がやや変化しているように感じました。このところWantedlyストーリーでちらほらと目にするようになったのは「公式noteに発信を移行します!」という記事。
公開するコンテンツに合わせて、プラットフォーム(メディア)を変えた方が良いのでは?という疑問が出てきました。
・・・ということは「どこで」公開すべきなのかも内容に合わせて設計したほうがよいですね。(こちらは採用広報4.0で触れている内容になります。)
2. 分類すると「だれに」「何を」「いつ」「どうやって」「どこで」になる
今回の本題はここからです。
先ほどの採用広報における課題感を分類すると
「誰に」「何を」「いつ」「どうやって」「どこで」の5W1Hがキーワードになるのではないかと考えました。
戦略的採用広報の時代にはこの5つをさらに細かく設計することで、採用広報をさらに加速させることが出来るのではと思いました。ここから一つずつどの様に設計するのかを説明していきます。
2-1. 「誰に」とは?
「誰に」とは一番最初に設計する必要があります。ペルソナ設計のことですね。
ペルソナ設計の項目としては下記8つほどかと思います。この辺りまで設計できるとその後ずれることがないので良いかと。
- 基本情報
- 仕事内容
- 転職活動の軸
- 思考性
- 価値観
- 人間力
- 業務スキル
- 目標/ゴール
特にエンジニアの場合は、Web系のエンジニアとSlerのエンジニアで業務スキルが異なるため下記のように業務スキルを細かく設計することでイメージしやすくなります。
2-2. 「何を」とは?
続いて、「何を」を設計していきます。コンテンツ/題材のことですね。
採用広報の題材って、社員インタビューからはじまり、ミッションやビジョン、カルチャの訴求など様々です。ただ、ネタ切れに頭を抱える方も多いのではないでしょうか?
・・・そこで題材としてどんなものがあるのか、もう一度採用広報を実施している各社の題材を分類してみました。そうすると以前の4Pの題材からさらに増えており、大きく8つに分類できました。
これまで当社では4P(Philosophy/Profession/Person/Privilege)での題材を紹介してきましたが、その他この4つも題材にして採用広報を実施している企業も複数ありました。
Market :業界課題、業界規模、海外事例
Tech :開発手法、使用技術、(エンジニアの)働き方
Culture :全社カルチャー、開発組織カルチャー、コミュニケーション
Other :会社情報、サービス実績・事例/受賞歴など
2-3. 「いつ」とは?
題材やペルソナが決まると次は「いつ」その情報を候補者さんに届けるか、ですね。
Wantedlyのストーリーに出しておく、でも良いかと思うのですがせっかくなので有効活用した方が良いでしょうし、選考フェーズに合わせて題材も変えるべきですね!
ちなみに当社では下記のように届ける情報を選考フェーズで分けております。
▶︎カジュアル面談前 :主にPhilosophy/Personを
▶︎一次面接前 :聞くまでもないけど気になるなという情報を
▶︎最終面接前 :入社後の動きや会社として大事にしているポリシーを
ここで言えることは、選考フェーズが進めば進むほど、情報の濃度は濃い方が良いということです。
カジュアル面談では網羅性を意識し幅広い情報提供を。
フェーズが進むとより細かい情報提供を 意識すると良いでしょう。
2-4. 「どうやって」とは?
最近はテキストだけではなく、ラジオや動画など発信する方法が様々ですよね。採用広報もいろいろな表現手法があった方が良いかと。
- テキスト
- 音声
- 動画
- 対面
があると思うのですが、手法によって伝わり方も若干異なります。
例えば臨場感 ってテキストだとなかなか伝わらないため向かない一方で
正確さを出すためにはテキストの方が良かったり・・・。そんな感じで打ち出す題材(「何を」)に合わせて手法(「どうやって」)を決定するのが良さそうですね!
2-5. 「どこで」とは?
ここまで決まると最後は「どこで」公開するか、です。
こちらは採用広報4.0で記載した採用広報戦略でも簡単に説明させていただいているのですが、「採用広報をどのプラットフォームで実施するのが良いのでしょう?」と質問いただくことも増えてきました。
2018年頃まではWantedlyが王道だったのですが、noteが生まれ、少しトリッキーな手法としてmediumを使う方も増えている印象です。
また、エンジニア採用におけるテック系の採用広報をWantedlyを用いて実施する企業は少なく、はてなブログ、Qiitaブログを使うことが多いです。
その他、採用広報ブログを書いた後「拡散」実施することがほとんどだと思うので、そのプラットフォームにユーザー(フォロワー)がいるかどうかは重要なポイントです。
3. 起点になるのは「何を」
ここまで、「誰に」「何を」「いつ」「どうやって」「どこで」という観点から採用広報を紐解いていきました。
見えてきたことはどんな時も「誰に」「何を」は共通であること。
「誰に」「何を」は採用マーケティングスタート時に取り組むべき全体設計になるでしょう。
つまり、「何を」を起点にすることでこれらが決まります。
・「いつ」 :どのタイミングで伝えるべきか
・「どうやって」:テキスト?動画?どう伝えるべきか
・「どこで」 :Wantedly?はてブ?どこで伝えるべきか
もう少し中身を見ていきましょう。
多くの採用広報の場合、「コーポレート系」と「テック系」で大枠分かれますよね。というか分けた方が良いです。そうなった時、「何を」(つまり題材)は変わります。
また、目的に合わせて採用ピッチ資料であったり、採用広報であったりとどのように公開するかは異なりますね。採用ピッチ資料であれば先述した「何を」の項目は全て網羅できます。ただ、採用広報は各項目を「狭く」「深く」打ち出すことかと思います。
上記のように
・コーポレート系-採用広報で打ち出す内容
・テック系- 採用広報で打ち出す内容
は変えるのが良いでしょう。
4. まとめ
以上になります。採用広報は採用という大枠の中の一つではありますが、奥が深いな〜と調査しながら感じました。ぜひ自社にしかできない様な採用広報を始めてみてはいかがでしょうか?
もっとこの辺りを詳しく聞きたい!というものがありましたらお気軽にご連絡ください!
当社の問い合わせ下記まで▼▼▼
今後も採用系のアウトプットを続けていきたいなと思っているので
よろしくお願いします🙇♀️
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