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Agent Experience到来の時代?!意外と見落としがちなActionとは?
みなさん、こんにちは。ポテンシャライトの寳田です🙋♀️
「エージェントさんからご紹介いただくためにはどんなことをしたら良いですか?」
最近こんなご質問いただくことが増えてきました。(私がエージェント出身者だから?笑)
実は先日ポテンシャライトではセミナーを開催させていただき、「エージェントさんを利用した採用でやるべきアクションとは?」というテーマでお話させていただきましたので、今回はその内容をまとめてみることにします✏️
▼ このnoteを読んでいただきたい方
- エージェントからご紹介がこないとお悩みの方
- ご紹介はいただくけれど、あまり優先してもらっていない気がすると
お悩みの方
- ご紹介いただくための施策はやり切ったつもりだけれど、そのほか
一体何ができるのか模索している方
※あくまで本noteではポテンシャライトが日々採用のご支援をさせていただく中で感じた内容を元に書いておりますので一視点として参考程度にしていただけますと嬉しいです。
それでは、はじめます!
0. 勢いを取り戻しつつあるエージェント採用
最近になって増えてきたエージェントに関するご質問やご相談。その理由って何なのか?
どうしても気になってしまったので、、考察してみました。
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背景としては「ダイレクトリクルーティング媒体」が台頭したことです。
2015年頃、WantedlyやGreenなど新鋭媒体が出てきたこともあり、媒体を利用しての採用が主流でした。エージェントはこれらの新鋭媒体の勢いにやや押されていた印象です。
その後媒体を利用した採用は主流になると同様に、ダイレクトリクルーティングを行う企業が主流に、徐々に媒体内で採用企業同士の競争率が増した気がします。媒体を使うだけ(=運用はしない)、スカウトを送付するだけの媒体採用では困難に。そんな中で、エージェントさんに協力を求める企業がが増えてきたのではないかと思います。
多くの求人がエージェントに集まる中で紹介いただくためにまず企業として選ばれないといけない、今後はCX(Candidate Experience / 候補者体験向上)ならぬAX(Agent Experience / エージェント体験向上)の時代も来るのでは・・・?と感じています。
1. エージェントを利用すべき採用とは
採用手法ってものすごい数がありますよね。Watedly、Green、Forkwell、Findy、リクナビ、マイナビ、DODA、en転職、そしてエージェント、リファラル、自社HP採用、SNS採用など多岐に渡ります。
「エージェント」も採用手法の1つになり得るわけですが、ご紹介を依頼するポジションを分けていますか?採用ポジション別に採用手法を設計する過程で、「そもそもエージェントを利用する採用の向き不向きはきちんと把握した方が良いです。
例えばですが、どの企業でも一度は苦戦する「エンジニア」採用の場合、採用手法は下記のようになるでしょう。
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エンジニアマネージャーやテックリード、PMクラス(現在はほとんど開発することはない方)であればエージェントをおすすめしています。一方で「Ruby on Rails を利用したWeb開発開発2年以上(詳細設計も少しやっている)」などのように開発することが求められる場合の採用の場合はマネジメントレイヤーと比較するとエージェントへ登録しているケースは少なく、媒体をおすすめすることが多いです。
※私も前職はエンジニア/データサイエンティストの方に特化して転職と採用のご支援をさせていただいていたのですが、すごく苦戦していました(笑)
これはエージェントだけに限らず、媒体選定においても重要です。
2. フェーズ別エージェントとの関係構築までのステップ
ここからは具体的にエージェントから紹介が来るまでの過程を。
下記はエージェントの方と関係を持った日(=初めてコミュニケーションを取った日)を起点にフェーズ別でどのような点を重視するのが良いのかをまとめてみました。
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1つずつみていきましょう。
2-1. 適切なエージェント選定
さまざまな採用手法があるように、さまざまなエージェントさんがいます。貴社の採用ポジションに強みがあるエージェントに求人の依頼ができているかどうかは非常に重要です。エージェントを選定する中で下記3つは必ず認識しておきましょう。
- 業界別に強みがあるエージェント
- 職種別に強みがあるエージェント
- フェーズ別に強みがあるエージェント
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(ちなみに私は前職JAC Recruitmentに在籍していたのですが「業界はゼネラル×管理職やエグゼクティブ層」に強みがあります。)
2-2. 担当者の選定
「エージェントは担当者次第」
人事をご経験された方であれば一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?・・・正直なところ、エージェントを経験していた私もその意見には同意です。ただ、一概に「優秀な方」に担当していただくだけが策ではありません。
- 大量採用時/厳選採用時
- 採用上のハードルが「高い」 / ハードルが「低い」
- 職務内容が 複雑 / 職務内容がシンプル
などによってご依頼する担当者は変わるでしょう。
2-3. 求人内容の整理
当たり前なことですが、非常に重要です。求人内容は具体的であればあるほど求職者にとってもエージェントにとってもポジティブです。
- 職務内容が2行しか書かれていない
- 必須要件が1つだけ
という求人はいかがでしょうか?その採用ポジションで働くことへのイメージしにくいですよね?一例ではありますが、freeeさんのエンジニア求人は開発環境の詳細部分まで記載されているのでエージェント目線でいうとすごくわかりやすいです。
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ぜひご参考くださいませ!
2-4. 身の丈にあった要件設計
募集する採用ポジションの「採用ハードル」は御社の身の丈にあっていますでしょうか?「現場から出てくる採用ポジションの採用ハードルがとても高いんです」と相談いただくこともあります。採用ハードルが高いこと自体は問題ないのですが、「採用ハードル」を満たす求職者が貴社に惹かれるだけの「魅力」が準備できているかどうかが重要です。魅力が少ない企業は採用市場において選ばれる可能性は限りなく低いです。それにもかかわらず「なぜエージェントから紹介が来ないのか?」と文句を言ってはいけません。まずは自分(自社)を知ることが大事です。
2-5. 選考/連絡スピード
書類選考結果、面接結果の提示スピードは意外と重要です。エージェントからのメールは何時間で返信できておりますでしょうか?ポテンシャライトでは以前、エージェントの方へ「どうしたらエージェントから応募を増やせると思いますか?」とアンケートをとってみました。
・・・その結果なんと1位は「スピードを速くすること」だったのです。
では、なぜスピードが求められているのか・どの程度のスピードが必要なのか。
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上図は一般的に書類選考の結果をいただく日数を表した図になります。
ご覧いただいて分かる通り、スピードは命取りです。もし書類選考の結果連絡に「1週間」ほどかかっているのであれば選考のフロー自体を見直した方が良いでしょう。
2-6. 「会社」の魅力化
言わずもがな貴社の魅力が欠けてしまっていたらエージェントの方はご紹介しないでしょう。魅力溢れる企業であれば自然と応募が集まるものです。
ただ「魅力」って何なのか、どの程度の魅力があれば良いかは悩みますよね。そんな方必見です!
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詳しくはこちらをご覧ください🙋♀️
2-7. 「求人」の魅力化
2-6.でお伝えしたのは「会社」の魅力。これは全職種に共通した魅力とも言えるでしょう。「会社」の魅力と同様に募集求人別の魅力を設定しておくとベストです。つまりその求人(職種)独自の魅力のことです。
求人作成時にはこの4つの項目を意識して「求人」の魅力を整理してみてはいかがでしょうか?
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「求人」の魅力が整理できると、職種別でのメッセージが設計されるのでより戦略的な採用広報ができるでしょう。
詳しくはこちらをご覧ください
2-8. フィードバックの詳細化
面談/面接フィードバックの内容は詳細であればあるほど良いです。面接のお見送り理由が「スキル不足」としか記載をしていない企業も意外と存在します。
フィードバック内容が薄いと、求職者様に納得感がないのに加えエージェントの方にとっても納得感がありません。選考に真摯に対応してくださる企業であればあるほど、フィードバックが濃いものになります。
2-9. 面談/面接(IX)の強化
「面談/面接の内容」はエージェントにとって良い材料になります。
- ある企業は圧迫感のある面接をします。
- ある企業は自己紹介もせずに面接をスタート。態度も悪いです。
極端な事例ではありますが、これらの企業が存在することもあります。丁寧に面談/面接するだけで良い効果が期待できます。このような1つ1つの求職者様とのタッチポイントを拘ることにより効果を発揮できます。選考体験を向上させるためにアンケートを取るのも良いのではないでしょうか。
2-10. 感動の域への突入
ここまで具体的な施策をお伝えさせていただきましたが、2-1. ~ 2-9. の領域を超えると感動移入の領域に入ります。エージェントが貴社の「ファン」になり、貴社を紹介したい意欲に駆られます。ここまで辿り着くまでの道のりは長いですが、辿り着きさえすれば、各エージェントの「注力企業」として貴社が設定される可能性が高く、よきブランディングとなるでしょう。
ここまで、10つのフェーズを紹介させていただきました。それらをもう少し分類し、「工数」「コスト」「効果」で分けてみたのがこちら。
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3. 今すぐ振り返るべき?!Good ActionとBad Actionについて
上記のフェーズ別の取り組みを抑えた上で、
・「採用企業」から「エージェント」に対しての「好ましいアクション」
・「採用企業」から「エージェント」に対して「好ましくないアクション」を知っておくことは重要です。ここからは「採用企業」から「エージェント」に対して抑えておくべきGood Actionを11つ/Bad Action 7つをご紹介します。
3-1. 大事にしたい「Good Action」とは
「採用企業」から「エージェント」に対して「好ましいアクション」は下記11つです。
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簡単にまとめると・・・
- Good Action1:メール以外でのコミュニケーション手法の確立
基本的なコミュニケーションはメールで良いかと思うのですが、細かい連絡のやりとりはメッセンジャーやSlackを用いた連絡の方が好まれます。
- Good Action2:フィーアップ
規定の35%の紹介料率を上げる施策です。一定の効果は見込めますが、他の施策と合わせ技一本の方が効果は上がるでしょう。
- Good Action3:エージェント向けのメルマガ配信
隔週くらいのタイミングでエージェント向けに情報共有をする施策です。
- Good Action4:エージェント向け説明会
取引しているエージェントに参加いただき一斉に説明する説明会です。
- Good Action5:個社エージェント カウンセラー向けの説明会
あまり実施する企業は多くないのですが特に成果が出ている/出やすいエージェントの方へは実施しましょう。
- Good Action6:ブラインドレジュメ選考
貴社募集ポジションにマッチした方の個人情報をマスキングしたレジュメを見せていただく施策です。
- Good Action7:書類選考権限の付与
信頼しているエージェント限定で「書類選考権限」を付与します。エージェント側で書類選考を実施し、合格の場合は面接確約で応募意思をいただくパターンです。
- Good Action8:エージェント(候補者)向け採用ピッチ資料
2018年頃からトレンドになった「採用ピッチ資料」この採用ピッチ資料をエージェントが必要とする内容を追加し作成します。
- Good Action9:attract bookの作成
採用ピッチ資料の中でもさらにattract(魅力)ポイントに絞った資料。魅力項目を深く/具体的に記載することによってエージェントに活用いただこうというBookです。
- Good Action10:入社決定者からカウンセラー向けメッセージ
エージェント経由で入社決定した求職者からエージェントのキャリアカウンセラーに向けてのメッセージを送ります。
- Good Action11:入社決定者からカウンセラー向けの動画
エージェント経由で入社決定した求職者から、エージェントのキャリアカウンセラー向けて「動画」を作成します。
3-2. 意外と見落としがちな「Bad Action」とは
ここからは「Good Action」とは真逆の、「採用企業」から「エージェント」に対しての「好ましく無い」アクションについてお伝えします。意外と見落としがちなものもありそう?なので振り返ってみましょう!
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「Good Action」同様に「Bad Action」の7つをみていきましょう。
- Bad Action1:フィーが低い
「他のエージェントと統一だから30%で」と言う理由で契約を迫ってくるパターン。(市況が悪くなってきた時、大量採用する場合は寛容できるかと)
- Bad Action2:不必要なミーティング
月に1回定例ミーティングの設定、用もないのに電話をしてくるなど目的/理由なきミーティングなどは控えた方が良いでしょう。
- Bad Action3:謎の紹介数コミット
なぜか紹介数/面接数にコミットさせてくる採用企業があります。成果報酬のビジネスモデルの中コミットさせられること自体が良いおつきあいにはなりません。
- Bad Action4:機械的なコミュニケーション
質問に対して端的すぎる結論を回答する企業は意外と多いのですが、できる限り詳細な情報をいただけると嬉しいですし、今後のマッチングの精度を高められます。
- Bad Action5:高圧的な態度
エージェントを「業者」扱いする企業。エージェントの方は新規求人には困ってません。貴社に注力する理由が少ない中で高圧的な態度を取られてしまうと紹介をする気が失せてしまうものです。
- Bad Action6:採用角度の予想値も教えてくれない
紹介した求職者がどの程度の確度で内定が出そうなのか?全く回答しない企業もいらっしゃいます。「予想」だけでも教えていただけるとその情報を参考に策を練られるのです。
- Bad Action7:選考回数が多い
ただエージェント経由の平均選考回数は2~3回。3回以上面接を実施する企業はリードタイムが長い場合、求職者様が他社で内定/入社承諾をしてしまう可能性が高いのでエージェントは紹介を避けるようになります。
4. 最後に
いかがでしたでしょうか。
今回はエージェント採用において抑えておくべきことをおまとめいたしましたが、意外とできていないかも?とご判断いただくきっかけになったのではないでしょうか?
エージェント採用を取り入れても、うまくご紹介に繋がらないループに陥ってしまうケースもあるかと思いますが、その際にはぜひ、今回ご紹介した方法に取り組んでいただけましたら幸いです。
※当社の採用/人事組織系支援にご興味がある方はお気軽にお声掛けください。
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