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土足生活と寝具

この週末は家事をする日で、こちらに来てはじめて掃除機をかけ、シーツと枕カバーを洗濯した。

大きな掃除機
寒くなってきたので毛布を出してもらった

土足で生活するのは不衛生で慣れないんじゃないかと思っていたけれど、全く気にすることなく生活している。最近では何故日本では靴を脱ぐようになったのか不思議に思いはじめたくらいだ。

土足で生活するというと床が汚い感じがするが、逆に、床が汚いと思えばこそ、床に物を置かなくなって部屋がごちゃごちゃしなくなる。裸足や靴下だったら、少しでも床に埃が落ちていると足の裏にくっつくのが気持ち悪くて掃除機をまめにかけることになるが、靴だったらそんなに気にならないので、案外、靴を履いたまま生活する方が掃除の手間が減る。床は汚いものだと一度認めてしまえば、床の汚れに寛容(鈍感)になる。

食事をするにしても、「ちゃぶだい」という言葉イメージされるような低い机だったら埃っぽくて嫌かもしれないが、それなりに高いテーブルだったら問題ない。だいたい、日本でもレストランや外出先では靴を履いたままご飯を食べることがほとんどだ。神経質になるようなことじゃない。

裸足・あるいは靴下で生活していれば床は比較的綺麗かもしれないが、埃が落ちていないわけではない。例えば食べ物が落ちたら、洗ってから食べるか、捨ててしまうかだろう。食べ物が落ちてから3秒以内なら食べられるという「3秒ルール」とはちょくちょく聞くものの、拾ってそのまま食べる、という人は実際はほとんどいないのではないか。

土足生活でも靴を脱ぐ生活でも大差ない。お風呂に入った後に外履きの靴を履きたくないなら、スリッパを用意すればいい。
さすれば何故日本では靴を脱ぐのか。おそらく、それは布団とベッドという寝具の違いに起因している。
布団は床に直に敷くため、床に落ちている埃からの距離が近い。すると、できるだけ床を清潔に保とうと、外からの埃や菌などを持ち込まないように靴を脱ぎ、頻繁に掃除機をかけるようになる。
それに対し、ベッドは床から高さがあるため、床に埃が落ちていようが気にならない。
現在、日本の家庭では布団とベッドどちらが優勢なのかは知らないが、いずれにせよ皆、靴を脱いで生活しているだろう。ベッドはあっても、土足で生活しているという人は会ったことがない。ベッドは習慣に取り入れても土足は取り入れなかったというのは考えてみると不思議な気がする。布団とそれがもたらす非土足生活、こまめな掃除は小さな部屋で暮らすうえでの工夫と言えるが、ベッドと非土足生活は部屋が狭くなるうえに掃除の手間は減らない。もし足の裏につくゴミが気にならないなら土足生活と近い感覚で、頻繁に掃除しなくてもいいのかもしれないが。

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