幸徳秋水『死刑の前』 三度 『世界評論』
というわけで。
その「わけ」というのはこちら。
今度はこれを探し求めることになった。
神崎清編『新編獄中日記―大逆事件記録』
国立国会図書館デジタルコレクションの検索ボックスに「新編獄中日記」を放り込む。すると。
ヒットはたったの2件。
まず、上から。
蔵書目録?…………やな予感。
15コマ目。
あった。
しかるに、この蔵書目録とは何ぞや。
それについては本書の序に記載されていた。
青森県在住の堀江彦蔵氏の蔵書寄贈本の目録であるらしい。その数4638冊。大正13年に労働党県連を設立以降、戦前戦後に渡って収集された社会思想、社会運動、労働運動に関する資料で稀覯本も少なくないという。『新編獄中日記』はその中の一冊らしい。
ところで、ここにある『証拠物写』とはなんだろう。ものすごく気になる。
もう一つ気になるものがあって、それがこちら。
宮武外骨編。
宮武外骨が大逆事件について編纂したのか。
気になる。
あ、そうか。
宮武外骨は、もしかしたら読み放題かもしれない。
後で検索しよう。
いずれにしても、この資料から『新編獄中日記』を読むことはできないということはわかった。
では、もう一冊にあたってみよう。
出版年鑑…………。
出版リスト…………かな…………。
えーっと、何コマ目だっけ?
979か。
979!?
いったい何頁あるん? これ。
とにかく、見よう。
あった、979コマ(当たり前か)。
げっ。
ここから探せ、と。
と思ったけど、あっさり見つかった。
一番上のものがそうだけど、二番目のは何だろう。『大逆事件記録』とは別にノンフィクションを書いてらっしゃるのか。森長英三郎氏のものも見える。自刊とは自費出版のことか? 「*」のマークは何を意味するんだろう。ああ、凡例にあった。
いずれにしてもこちらも目録。
『新編獄中日記』は読めない。
ならば、「死刑の前」で検索してみる。
937!
多いなぁ…………。
あ!
でも、あった。
『大逆事件記録』
こっちで探せばよかったのか(笑)。
だが。
「国立国会図書館内限定」…………orz
国立国会図書館まで行かんと読めんのか。
あるいは複写サービス。
なら、府立図書館。
今度は『大逆事件記録』で探す。
なんや、あるやん。
誰や、ないっちゅうたん(誰も言うてへんし)。
とりあえず、軒並みマイブックリストに登録しておく。
でも、最後の「1950年版」は何やろな。
予約できひんねん。
なんでやろ。
とりあえずは、大阪府立図書館に行かんと神崎清編「大逆事件記録」は読めんわけや。
国立国会図書館の「死刑の前」検索結果をもう少し眺めてみた。
すると、これ。
なに? これ。
「未発表」?
え?
これが世間への初出なん?
ホンマに?
1950年…………終戦が1945年…………5年後…………。
「送信サービスで閲覧可能」
ふ、ふ、ふ。すぐに読めるやん😙
読まいでか。
なんか、すごいな。
何がと聞かれても困るが。
「死刑の前」はやはり「未発表」とある。
秋水刑死後、39年経ってからの未発表原稿の公開など、どう説明したんだろう。
本文前の解説を抜粋引用してみる。
「手記は遺族に下げ渡すという約束だった」
確か、師岡千代子氏も怪訝がっていた。
ああ、ここだ、『風々雨々』の95コマ。
『死刑の前』以外にも書簡のようなものも書かれていそうな口吻だけれども、見つかったのは『死刑の前』だけだったのだろうか。『新編獄中日記』とあるくらいだから、獄中で書かれた他のものも含まれているのかな。やっぱり、読んでみたい。
そして、何気なく「世界評論」の頁を繰って驚いた。
え?
自筆原稿?
この『世界評論』は、秋水の自筆原稿を元にしたのか。
自筆原稿(と覚しきもの)に、あいにく秋水の名は見えないが。
それでも筆跡は確認できたろう。
秋水はいろいろな人に書簡を送っている。
『偶然の機會』
それはなんだったのだろう。