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幸徳秋水『死刑の前』 再び

そもそも、国立国会図書館デジタルコレクションに本登録をしたのは幸徳秋水『死刑の前』の続きを読みたいからであった。そこでいそいそと(と言っても本登録が完了してからそれなりに経過しているが)幸徳秋水の全集をあたってみた。

国立国会図書館デジタルコレクション
幸徳秋水全集 第6巻

うふふ。
今まではここまでたどり着けなかったわけで。
ここに来られただけでもニタニタしてしまう😊。

出版1968年。まだ比較的新しいのだけど(そうか?)、大阪府立図書館では「個人禁」だし、国立国会図書館デジタルコレクションでは送信サービスで閲覧可。出版からまだ50年程度しか経っていないのに何故だろう。希少なのか。

理由はわからないが、とにかく読める。
ページも既にわかっている。

542頁である。

よし!

ごめんね。
意図的にぼかしました。
国立国会図書館デジタルコレクションに本登録したら読めるからね!(青空文庫でもね!)

「第一章 死生」は読んだのよ。

その後が読みたい。

ん?

今や即ち其の時である、是れ私の運命である、以下少しく私の運命観を語りたいと思ふ。

これで終わり?
これは、「死生」の末尾ではないか。
「以下語りたいと思ふ」の「以下」は何処に?
次の頁が「解説」って、どういうこと?

あわてて、その「解説」を繰る。

この死刑求刑後、翌正月(明治四十四年)に書きはじめたものが「死刑の前」(仮題)である。一月十八日死刑判決、二十四日死刑執行となり、この稿は予定のうちの第一章「死生」を書いただけで未完に終わった

未完…………

そうか。
そうだよな。
判決から執行までが短すぎる。
あまりに短い。
書ききれなかったのか。
書ききれなかったのだ。

ああ。

なんということだろう。

残念でしかない。

この稿が公になった経緯なども知れるかと思ったが、解説はそれには触れていない。

あ。

「死生」の末尾にある、これか。

神崎清編世界文庫版『新編獄中日記―大逆事件記録第一巻』所収、〔 〕は神崎氏による注記)

今度は『新編獄中日記』を探すのか…………。

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