見出し画像

股旅堂 古書目録 28

何故か、こんなに付箋を貼ってしまった。

股旅堂 古書目録 28  付箋

別にこれが全部探し物というわけではない。
念の為。
この付箋のことは置くとして。

〝ガマ将軍〟南喜一の蔵書に関するものはこれ一つだけだった。

2527 (〝ガマ将軍〟南喜一旧蔵)直筆原稿(約800枚)+海外旅行記ノート3冊 一括 ¥30,000-

股旅堂 古書目録 28 

ない。
ことはないんだが。

巻末に編集後記のようなものがある。おそらく「日本の古本屋」さんのインタビュー記事のようなんだが、そこにまたこんな風に書かれていたりする。

[司会] 〈前略〉目録も、ますます充実、ディープな世界を扱われていて、今年6月に出された27号は表紙とも328頁のボリュームで、巻頭が「ガマ将軍」南喜一の資料特集でした。高額にもかかわらず複数注文があったと伺いました。
[吉岡] 南喜一は、戦前、赤線地帯・玉の井にて私娼解放運動に尽力した人物で、後に国策パルプ、ヤクルト本社会長など実業家として活躍しています。その解放運動に尽力した際の、玉の井の実情を記した原稿、人身売買されて私娼となった女性・家族が助けを求める手紙、関係書類、解放運動の会報などの資料一括で、それを「明治大正昭和売春考」という特集記事として、第27号の巻頭に掲載しました。

股旅堂 古書目録 28 

「吉岡」という方が股旅堂の店主でいらっしゃる。

この「ガマ将軍」南喜一の資料。その一部は、先生が購入されたものだろう。「特集」というのは、複数に分けて売りに出されたのだろうか。複数の注文に対してどのように対応されたんだろうか。

そして、あらかた売れてしまった残りが先の「直筆原稿」か。

…………。

よし!
とにかく、2023年6月27号の目録も買おう!

「股旅堂古書目録 第27号」 2023年6月上旬発行!!

orz
まさかの売り切れ…………。
なんだか、みんな、私の脇をすり抜けていくようだ。

せっかくなので、もう少し読み進めてみる。

この資料は、古書組合の市場で落札して仕入れたものなので、詳しくはわからないのですが、作家・脚本家の岡本功司が、南喜一の著作編集のために使用した参考資料と思われます。一部資料がその著作に使われていますが、大半は未発表でした。〈中略〉そうした縁もあって、南喜一が亡くなった後、この資料を保管していたんじゃないでしょうか

股旅堂 古書目録 28 

岡本功司が南喜一の著作編集のために。
南喜一の著作編集って?
伝記?

これか。

岡本功司 著作

違うものもちょっと混ざっているけど。

南喜一が亡くなったのは1970年だからその前後、か。

(妄想…………)

岡本「あなたの伝記を書きたい」
ガマ「…………」
岡本「ついては、あなたの資料を貸してもらえないか」
ガマ「…………いいだろう。その辺りのものを適当に持って行くがいい」

(あるいは…………)

ガマ「あんた、俺の伝記を書いてくれないか」
岡本「…………」
ガマ「この辺りにある資料を何でも持って行っていい。金も出そう」
岡本「…………いいでしょう」

(とか何とか?)

経緯はともかくとして。

その資料に秋水原稿があるだろうか。
南喜一がどのように保管していたのか、にもよるんだが。

仮に入っていたとして、岡本功司が気付かぬか。

「大半は未発表でした」ともあるから、もしかしてあまり読んでいない、かも?

あるいは、「詳しくはない」と言っているのだから、岡本功司の秘蔵資料ではないのかも。遺族に返さずに古書に出したというのもどうよ、という気もするし。岡本が遺族に返却して、遺族がそれもまとめて処分した、かも。

「かも」ばっかりや。

デジタルコレクション 岡本功司

あ。

全部読めるやん。

「炎の人生」を開いてみて。
「佐和」で検索してみる。

なし。

そりゃあ、ね。

「秋水」

「炎の人生」で「秋水」検索結果

え?

明治四十四年(1911年)、十九歳になった春、南は退職して上京した。この年、幸徳秋水らの、いわゆる大逆事件に判決が下り、社会主義者十二名の死刑が行なわれた。日本の社会主義運動は、この大逆事件により長い「冬の時代」に入るのだが、青雲立志のこころに燃えて東京に向う南喜一には格別の感慨はなかった。

岡本功司『炎の人生』

ふぅ。
関係ない。
「幸徳」でも同じ。

「蟇将軍」も「女を泣かすな」も同じような感じ。

ホンマに。
最近、「幸徳」やら、「秋水」やらでどんだけ検索しているか。

さて。

どうするかな。



いいなと思ったら応援しよう!