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ベンチャー企業で、妊活って選択できますか?元看護師が選んだキャリアと妊娠・出産に向けて準備しておくべきこと
「妊娠や出産のことを考えると、ベンチャー企業は選択肢から外したほうがいいのかな...」
「今の仕事は楽しいけど、妊活やその後の生活のことを考えるならもっと体制が整った職場への転職を考えたほうが良いのかな…」
きっと、この記事を読んでくださっている方の中にも、同じような悩みを抱えている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
私は夫の海外帯同に伴い看護師を辞め、紆余曲折を経て現在はIT企業の広報として働いています。社員数10名ほどのベンチャー企業で、創業以来初となる妊婦社員です。
看護師時代、「安定」を求めてその道を選んだ私が、なぜスタートアップという選択をしたのか。そして実際に妊活から妊娠を経験して、どのような可能性と課題を見つけたのか。
この記事では、私の経験を通じて、
・ベンチャー企業での妊活は実際にどうなのか
・準備しておくべきことは何か
・意外にも見つけた可能性とは
について、具体的にお伝えしていきたいと思います。
特に、
「キャリアも大切にしたいけど、将来の妊活も考えたい」
「ベンチャー企業やスタートアップ企業で働くことに興味があるけど、ライフイベントとの両立に不安がある」
という方に、新しい選択肢を提示できればと思います。
ベンチャー企業でのキャリアと妊活の両立は実現可能か
「制度が整っていない」
「前例がない」
「周りの理解が得られるか分からない」
ベンチャーやスタートアップ企業での妊活を考えたとき、誰もが最初に抱くのはこんな不安ではないでしょうか。
私も最初は同じでした。
看護師として働いていた頃は、産休・育休制度が整っている環境で、先輩たちの妊娠・出産も日常的に目にしていました。一方で、夜勤のある不規則な生活や、体力的な負担の大きさから、妊活との両立に不安を感じていたのも事実です。
そうした中、今の企業への入社を決意したとき、最も悩んだのが将来の妊活との両立でした。
しかし、実際に経験してみて分かったことがあります。
ベンチャー企業だからこそ可能な働き方があったのです。
確かに、大手企業のような整った制度はありません。でも、その分だけ柔軟に、自分たちで新しい働き方を作っていける可能性があることに気づきました。
ベンチャーで働きながら妊活するために
私は今の企業に正式に入社する前は、業務委託で参画していました。その時点で女性の正社員は1人のみ。その方は入社前に出産を終えていたため、その企業で産休・育休を取得した人は誰もいない、という状態でした。
正社員のオファーを頂いたとき、私は
「自分が最初の産休取得者になるかもしれない」
「男性ばかりの職場で妊活や妊娠・出産についてどこまで相談できるだろうか」
といった不安を抱えていました。
しかし不安を自分一人で抱えていても解決しません。
「不安なら、それを確認すればいい!」
そう決心し、代表に自分が思っていることや不安に感じていることを率直に話すことにしました。
思い切って相談してみると、予想以上に前向きな反応が返ってきました。
この最初の一歩が、その後の様々な相談をスムーズにしてくれることになります。
「一度相談してみたら案外大丈夫だった」という小さな成功体験が、次の相談への自信につながるんです。
私の場合、この最初の相談がきっかけとなり、その後の妊活や妊娠に関する話し合いもずっとオープンにできるようになりました。
この経験から、私なりの気づきがありました。 ベンチャー企業で働きながら妊活や出産を考えている方が、事前に確認すべきポイントをまとめてみたいと思います。
ベンチャーやスタートアップ企業で働く女性が押さえておくべきこと
入社前の確認ポイント:
1.働き方の柔軟性:
・リモートワークは可能か
・フレックスタイム制度はあるか
・急な体調不良での休暇取得は可能か
2.経営者や上司の価値観
・女性社員のライフイベントについて会社全体がどう捉えているか/受け入れる雰囲気があるか
・働き方の多様性を認めているか
・コミュニケーションは開放的か
3.過去の実績
・妊娠・出産の前例はあるか
・(ない場合は)今後どう対応していく予定か
入社後にやっていくべきこと
1.自分の将来プランの共有
入社時から、将来的なライフプランについて少しずつ共有していくことをお勧めします。このあたりはセンシティブな内容なため(セクハラの問題にも直結しがち)、役員側から社員へ積極的に聞くことが出来ない部分でもあるので、自分から伝えていく意識が大事かなと思います。
※誰彼構わず話すと、自分が"セクハラ"として問題になる可能性もありますので関係性やタイミングの見極めは重要です。
私の場合は、事前にブライダルチェックを受けていたため、妊娠のしづらさがあることが分かっていました。そのため、以下のような具体的な情報を、少しずつ運営陣には共有していきました:
・将来的な妊活の予定があること
・不妊治療も視野に入れていること
・不妊治療を受ける場合、月経周期に合わせた突発的な休暇の可能性
このように具体的な可能性やリスクを事前に共有しておいたので、いざ妊娠した際のコミュニケーションはスムーズだったなあと思います。
2.業務の可視化と効率化
創業間もないベンチャー/スタートアップ企業では、マニュアルが整備されておらず、業務が属人化しがちです。だからこそ、自分の業務を可視化出来るよう日頃からマニュアルを作っておくと良いかなと思います。
妊娠中は以下のような予期せぬ事態が起こる可能性もあります:
妊娠糖尿病での管理入院
切迫早産などでの急な入院
体調不良による突然の休暇
そのため、常に誰かに引き継げる状態に業務を整理しておくことが重要です。妊娠が分かってからは特に意識して、以下のような取り組みを行っています。
・業務フローの文書化や簡略化
・定期的な業務の棚卸し
・チームメンバーとの情報共有
3.チーム内での信頼関係構築
日頃から同僚とのコミュニケーションを心がけることで、将来的な相談もしやすくなります。
私の場合は以下のような取り組みを行いました:
・休憩時間や食事の席などでの自然な会話の機会を増やす
・子育て中の同僚から「お子さんや子育てにまつわるエピソード」を伺いながら、少しずつ自分の話も会話に取り入れる
・同僚との関係ができたら、ワークライフバランスの工夫についての話を伺う
「自分の話を聞いて聞いて!」というスタンスで話すのではなく、相手がお子さんやご家族の話をし始めたタイミングを見計らってコミュニケーションを取ると良いかなと思います。もちろん、相手がそういった話題を話しやすくなるように事前に関係性を築いておくのが重要です。
ベンチャー企業で良かった
実際に、入社前は自分のライフイベントと仕事の両立について不安を抱えていましたが、ベンチャー企業ならではの良さも感じています。
意思決定の速さ
体調に合わせた働き方の調整について、すぐに決定・実行できる制度設計への参加
前例がないからこそ、自分の経験を活かして新しい制度作りに関われる個別対応の柔軟さ
その時々の状況に応じて、働き方を柔軟に調整できる
もちろん全ての企業がそうではないと思います。弊社はかなり意見が言いやすい環境で、「日々恵まれているな」と実感しています。会社の体制にもよりますが、すべての企業がこんな風に「ライフイベントについて話しやすい・相談しやすい」環境なら良いなと思います。
これからライフイベントとキャリアのバランスに悩むすべての方へ
最後に、具体的な準備のポイントをまとめます。
準備しておくべきこと
1.法律や制度の理解
・産休・育休に関する法律
・地域の妊娠・出産に関する相談体制や窓口の確認
・利用可能な助成制度
2.子育て環境に関する情報収集
・地域の保育園の待機児童状況(職場復帰するのであれば)
・認可外保育園やベビーシッターという選択肢とそれにまつわる助成制度
・その他の地域の子育てサポート体制
・親族の協力体制、協力意思の確認
・パートナーとのバースプランや産後の生活に関する計画についてのすり合わせ
3.経済的なプランニング
・産休・育休中の収入試算
・使える助成制度に関する情報収集
・復職するのか、復職する場合はいつ保育園に入園させるかの計画
・必要な貯蓄額の検討
心構えとして大切なこと
自分の希望を明確に伝える勇気
多少「図々しいくらい」の気持ちで、自分の希望や必要なサポートを伝えていく新しい道を作る覚悟
前例がないからこそ、自分が良い例を作るという気概を持つ柔軟性を活かす発想
制度がないことをマイナスに捉えず、新しい可能性として捉える
まとめ:新しいキャリアの可能性
「ベンチャー/スタートアップ×妊活」という選択は、確かに不安も多いかもしれません。でも、その不安以上の可能性があることを、私は実感しています。
大切なのは、制度の有無ではありません。
その会社が、
社員の人生に寄り添う姿勢があるか
新しい働き方を受け入れる柔軟性があるか
共に成長していける環境があるか
という点です。
むしろ
「”何もない”からこそ、新しい働き方のモデルケースとして、後に続く方々の道を切り開くチャンスになる!」
と思っています。
この記事が、同じ悩みを持つ方の新しい選択肢となれば幸いです。
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