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1ページに満たない映画感想2015年①<自分探し×恋愛映画>
自由が丘で(2014年/ホン・サンス/韓国)
加瀬亮主演の韓国映画。
主人公モリは、かつての恋人クォンを探しに韓国へ来たものの、なかなか見つけられずに時間だけが流れていく。少し哲学的な要素も含んだ作品です。
しかし見た直後の感想としては「よくわからない…」。いくつか解説などを読むと、「時間」という概念がキーワードになっているみたいです。吉田健一の「時間」という本を、加瀬亮がずっと読んでいます。
いや、でも流石にこんなにも時系列を無視されるとよくわからない。
なんでモリが彼女を好きで、実際どういう関係で、何で会えなかったのか、よく理解できずでした。うーん、プロセスとか雰囲気重視的な感じ?もう少し説明があるとありがたかったかも。
モリがクウォンを想っていることだけは確か。その過程で自分と向き合ってみたり、ちょっと遠回りをしながら時を過ごすという、ゆったりした映画でした。
あまり深入りせずに雰囲気を味わう映画としては、良かったと思います。
☆2015年1月25日鑑賞
予想外な8月(2013年/タル・マケラ/フィンランド)
とても爽やかな作品!コメディとまではいかないけど、笑いの要素もあり軽めのタッチで見ていて楽しかったです。
そして、カウリスマキ映画常連のカティ・オウティネンも出ています。出演していることを知らずに見たので、「あ!あの人だ!」という感じで、久しぶりに友達に再会した気分。
カティ・オウティネン演じるエルサとかつての恋人ヤンの物語でもあり、若い恋人ミンニとアダムの物語でもある本作は、冷戦下のヘルシンキを舞台に、2組のカップルの恋を描いています。
時代背景上、資本主義・社会主義という2つの概念はうっすら見え隠れするけど、そこを深く突っ込んでないところがこの作品の良いところ。逆に言えば、「冷戦下」という深刻な状況がラブストーリーの一要素になってしまっているところが、ライトすぎる印象もあります。
しかし、カラフルなファッション、ジャズの音楽、ヘルシンキの街並み、海のある景色。映画としてとても「成り立っている場面」だらけで見ていて不快にはなりませんでした。
困難な時代ではありますが、エルサをはじめとした登場人物たちが、迷いながらも恋に走る姿が爽快な映画でした。
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☆2015年2月12日鑑賞 @トーキョーノーザンライツフェスティバル2015
はなればなれに 100分版(2012年/下手大輔/日本)
ニューシネマの予感。フレンチフィルムのような、哀愁と気だるさ。日本の映画でないようで、伊豆大島なのである。主人公の女の子・クロの掴めない感じがかわいらしかった。
前半はドタバタ劇といった感じで「地下鉄のザジ」を思い出させるような展開。後半はだんだん仲良くなっていき、3人のちょっとした生活が始まる。テニスをしてみたり、魚を釣ってみたり。
ただ…これは恋心だったのでしょうか?
クロは何を思っていたのか、最後までよくわからない。
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そんなこともありまして、この映画はタダモノじゃないのです。セリフがない。ほとんどない。動きはあるもののずっと無言の場面が流れていき、シーンの最後で一言、みたいな。
面白い。よくわからないのが面白い。
最後は元いたところへ帰っていく3人。だけど、3人で過ごす前とは全く違う人間になっていたみたい。(はなればなれになったって、こういうことか。)
かなりフレンチフィルムに寄せて作られているのでしょうが、登場人物が純日本人なので、ギャップがあって新鮮で面白かったです。
☆2015年5月5日鑑賞
(試写会が当たりました@ユーロスペース)
アリエル王子と監視人(2015年/稲葉雄介/タイ・日本)
とある国・ルベール王国の王子アリエルは即位することに負担を感じ、自由を求めて日本へ。そんな熊本の地で、自由に生きるリサと出会い、自分を見つめ直していきます。
なかなかよかったなあ〜。熊本に行ってみたくなりました。
自由を求めるアリエルと、自由を満喫するリサ。お互い何となく境遇の違いを感じている。アリエルは、この休暇で「自由」の意味を少しでも理解できたから、国に帰り王位を全うしようと思えたのでしょう。
リサもアリエルと出会って、自分の中の何かが変わったみたいでした。
恋愛未満かもしれないけど、かわいらしく、でも現実と向き合うシビアなところもあり、バランスの良い映画でした。
熊本のローカル映画と言ってしまっては勿体無いほどの、素敵な映画だったと思います。
☆2015年8月1日鑑賞
ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール(2014年/スチュアート・マードック/イギリス)
スチュアート・マードックが監督!というお墨付きがあるのでちょっと期待してみたのですが、なんだかストーリーはよくわからんし、主人公のイヴには全く共感できずむしろイライラしてしまい、消化不良感が残りました。(スミマセン)
平たく言うと、病気の女の子(イヴ)がこっそり病院を抜け出して出会った素敵な2人と音楽を作り始めて・・・という展開です。
でもストーリーがなあ…ジェームズがイヴに恋するのはわかる。でもその気持ち、踏み躙るなよ!(泣)(スミマセン)
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結局、イヴは病気治ったのかな?ジェームズのこと好きだった気持ちはあったのかな?ジェームズのおかげでバンドもライブもできたのに、ロクに感謝もせずあんな態度でロンドンへ行ってしまうのか?(ここはグラスゴーです)自分が良いなら、周りはどうでも良いのか、イヴ!?(スミマセン)
ファッションとか音楽とかはすごく良いんだけど、ストーリーはあまり期待せず。あと半端なミュージカル演出が何とも煮え切らなくて、逆にクセになります。(スチュアート・マードックにこんなことを言ったら失礼なのか?)
いろんな意味で記憶に残る映画になりました。
☆2015年8月15日鑑賞
★余談〜恋をすると、自分を見つめ直したくなる?〜
恋愛に関してはとやかく言える自分ではありませんが、恋愛映画にはセットで付いてくる「自分このままで良いのか?」と言う問い。
これは一考する価値、ありますよね。
相手に好かれたい!気になってほしい!という感情が生まれるからなんでしょうねえ。例えば、「あの子に振り向いてもらうために、内気な自分を脱却するぞ!」なんていうのは、まさにそんな感じがします。
恋愛には自分探しがつきものだったりして。そしてそんな映画は、たぶん見る人に希望や勇気を与えてくれる。
だから好きなんだよなあ、こういうタイプの映画って。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。