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1ページに満たない映画感想<亡き人を想う>2015年⑦
ニュー・シネマ・パラダイス(1989年/ジュゼッペ・トルナトーレ/イタリア他)
言わずと知れた名作ですが・・・やっぱりとても良い映画だ。
良い映画と言わずに何といえば良いんですか、というくらいの名作だと思った。郷愁、青春、恋、成長・・・良い映画の要素が詰まっている。
古き良きイタリア。戦争の傷跡が残るシチリアの田舎町で、唯一の娯楽である映画を通して交流がなされていく。
映写技師アルフレードは時に厳しく、時にやさしく、本心で向き合ってくれるおじさん。主人公の少年トト(サルヴァトーレ)にとって、唯一無二の大切な人だったんろうな。
青春時代のトトは恋に悩んだりするけど、アルフレードはいつもアドバイスをくれた。火事で視力を失っても、何もかもお見通しみたい。
夢をかなえるために村を出ていくように言われたトト。アルフレードの心情を思うと、涙が出る。大切な存在だけに成功してほしかったのだろう。
やがてアルフレードの死の便りをきっかけに村に戻ると、あの頃の懐かしい面々が。かつて一緒に映画を見て盛り上がったことが、昨日のことのように思い出される。
回想の中はいつだって楽しい。
トトの中にあるアルフレードの温かい思い出、そして映画への愛に満ち溢れた作品です。
☆2015年5月29日鑑賞 @カリコレ2015
天使が消えた街(2014年/マイケル・ウィンターボトム/イギリス他)
実際にイタリア・シエナで起きた、イギリス人留学生殺害事件をもとにした映画。この事件を映画化しようとする監督トーマス(ダニエル・ブリュール)が主人公です。
推理をするのではなく、事件の真相を解明していくという筋書きなのですが・・・
見終わってもなお犯人がわからなところがすっきりしない!(笑)
結局真相はわからないし、映画は打ち切りになるし、ただトーマスが苦しめられただけじゃないか。
あまり山場がないんです。無駄に壮大な音楽と思わせぶりな暗がりの描写が多い。麻薬に手を出し、崩壊していくトーマスの様子は見ていてつらい。
メインキャストであるジャーナリストのシモーンも、現地の学生メラニーも事件のカギを握っているわけでもない。
そもそも亡くなった留学生のことよりも、被害者の方にフォーカスが当たっているし、どうか殺された彼女を静かに弔ってあげることはできないのだろうか…。
原題は「The Face of an Angel」ということですが、邦題がさらに混乱させてくる。「天使が消えた街」ってどういうこと?
ダニエル・ブリュール主演ということで見たのですが、残念ながら私には内容が理解できませんでした。薄暗いミステリー風な雰囲気は存分に楽しめます。
☆2015年9月15日鑑賞
先生と迷い猫(2014年/深川栄洋/日本)
亡き妻を想うカタブツの元校長先生(イッセー尾形)。妻が可愛がっていた野良猫は、彼女が死んだ後も毎日やってくる。
妻を思い出すのが辛いから、という理由で猫を追い払うが・・・?
ほっこり映画の雰囲気で、猫のかわいさも相まって良き映画であったと思います。ただ、猫を探しているところが長すぎたかな…。最後にもう一展開あって、きちんとストーリーが完結してくれたら良かったのですが。
原作になっているのは、「迷子のミーちゃん~地域猫と商店街再生ものがたり~」というノンフィクションです。
とある野良猫が失踪した。ある人が探し始める。すると、その猫を知っているという人が少なからずいることが判明する。そして、その人々は協力して猫を探すようになり、そこから交流がうまれていく―。
死を受け入れるなんて急にはできない。でも、辛いからといって誰もかれも壁を作って遮断していたら、もっと寂しくなっちゃうかも。
1匹の猫を通して、誰かと触れ合うことの尊さを、優しく教えてくれる映画です。
☆2015年10月28日鑑賞
ハッピーエンドの選び方(2014年/シャロン・マイモン、タル・グラニット/イスラエル他)
ポスターや予告の明るい雰囲気とは違い、ずっしりと重い映画です。
「安楽死」という、まだあまり議論の進んでいないテーマを扱っています。
イスラエル・エルサレムの老人ホームで暮らすヨへスケルは発明好き。そんな彼は知人の頼みで「安楽死」を可能にする発明に成功します。そんな折に妻のレバーナの認知症が悪化し―—— という展開に。
正直、重かった。笑えるところもあるにはあるが、全体としてつらい。
実際ヨへスケルたちは何人かを安楽死させていることになります。本人、家族のためとはいえ、やはり違法なこと。でも悪意どころか善意あってのこと。どうしてもレバーナの死は早すぎる気がしました。
死は究極かつ最後の手段であってほしいと思います。
☆2015年12月21日鑑賞
☆余談~2015年は59本見た!~
つらつらと映画感想文を書いておりますが、2015年はこれで最後です。この年は年間で59本(邦画:18本/外国映画:41本)見ていたようです。
この頃見た映画を、今新作として上映されていたら見るだろうか?と思うと、必ずしもそうではないかもしれません。映画の好みもちょっとずつ変わってきているような気がします。
さて引き続き2016年に見た映画も、感想を残していきたいと思います!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。