ありがとう、大好きなエリックカール。エリックカールミュージアムの紹介。
先日私が大好きな、そして一番尊敬する絵本作家エリックカールさんが亡くなった。私の誕生日の2日後だった。
ちょうど数週間前にエリックカールミュージアムを訪れたばかりだったので、なんだか勝手に運命を感じた。別に本人にお会いした訳ではないが・・自分のおじいちゃんを無くしたようで、泣いた。
エリックカールミュージアムとは
エリックカールミュージアム(正式にはThe Eric Carle Museum of Picture Book Art)は、マサチューセッツ州アマーストにある。(NYマンハッタンから車で片道約3時間)
子どもはもちろん、絵本やアート好きにもたまらないミュージアム。
エリックカールが大好きな私がこのミュージアムを発見したのは2年程前。コロナの影響でクローズしてしまったりと中々行けなかったが、ついに今月行って来た。
平屋1階建てで、広さはさほど大きくは無いが、子どもが愉しめるような工夫がたくさんされている美術館。
中に入るとあちこちにはらぺこあおむしを発見しテンションが上がる。
子どもが前に立つと、ぴったりチョウチョにはまる
レア作品の宝庫!展示室と、かわいすぎるトイレ
展示室では絵の展示全体が普通の美術館よりも低めに設置してあり、子どもが見やすい高さになっていた。壁にもエリックカールのイラストがデコレートされ、部屋全体に電車の線路があったりと、子供たちが喜ぶ空間だった。
4歳になったばかりの子どもは走り回り、(正直絵を見ている気配はあまりなかったが笑)とても愉しんでいた。
The Carles envisioned the museum as “a place for young visitors’ very first visit to a museum”, preparing them to develop the habits of museum going and discovery.
カールはこの美術館を''小さな訪問者達が一番最初に訪れる美術館''として彼らが美術館を訪れ発見する事を習慣づける場所となる事を思い描いていた。
と、ミュージアムのサイトに書いてあるだけの事はある。
3つの空間に別れた展示室があり、一番大きな部屋にはエリックカールが描いた実際の絵が額に入れられ飾ってあった。
原画が想像していたより小さくて、細かい部分は結構繊細。
個人的にはエリックカールのシンボルでもある、色を塗り重ねた薄紙がリアルに展示してある事を期待していたが、それは残念ながら無かった。しかし初期の頃の絵や、代表的作風であるコラージュ以外の普通のペンで描いた絵、そして原画等、売っている絵本ではお目に描かれない貴重な絵を間近で見る事ができて私は子ども以上に大大興奮の大満足だった。
絵本を書く前のグラフィック作品。完璧な構図、色彩、シンプルながら的確なフォルム。
やはり既に天才…!
コラージュでは無いペン画。
普通の絵もこんなに上手いのか…やはりピカソにしろみんな絵の基礎がめちゃくちゃしっかりある。その上で単略化した(ような)自分のスタイルを生み出しているのだ…脱帽。
展示室の他にはエリックカールに限らず他言語の色々なジャンルの絵本がたくさんある図書館、お土産屋さん、そして広々とした庭園等がある。
そしてタイルのかわいさに悶絶したこのトイレ。
子どもサイズの便器もしっかりあった。このタイルバラで売って欲しいっ・・と思ったが残念ながら売っていなかった。
最初入った時は意外と小さいなと思ったが、なんだかんだで2時間半程滞在し、とても楽しめた。
エリックカールは最後までアーティストだった
エリックカールミュージアムのサイト内に、彼の最後の様子を綴ったブログがあった。
In the light of the moon,
holding on to a good star,
a painter of rainbows
is now traveling across the night sky
そしてエリックカールのご家族が運営するこちらのブログには、2021年の1月から5月までに描かれたエリックカールの最後の作品が載せられている。(下の方にスクロールすると絵が見られます。)
彼の最後の作品。なぜだか自分でもよく分からないが、号泣した。
震える線で最後まで絵を書き続けた彼の生命力や強さ、亡くなる直前の絵にも関わらず、変わらない的確なフォルムと躍動感、美しい色彩、そして何よりただただかわいいくて暖かい気持ちになる。
本当に絵を描く事が好きだったんだなー。
笑顔が素敵で、周りを穏やかで暖かい気持ちにする作品をたくさん生み出す。亡くなる直前までやりたい大好きな事がある。
こんな人生を歩みたい。
エリックカールは私がそう思える、一番尊敬する人なのだ。
これからの人生、何をどう創って行くか、途中で変わるかもしれないし、変わらないかもしれない。でも何かを創り続け、暖かい笑顔のエリックカールのように生きたい。そんな私の人生のお手本をくれた人。
そして素敵な暖かいたくさんの作品を、ありがとうエリックカールじいさん。
私もそんなアユばあさんになりたい。
私が子供の頃読んでいたものと娘のと、二世代のはらぺこあおむし。途中でリニューアルされ、全ページ変更されている。
新しい方はより鮮やかに繊細に新しくリニューアルされている。以前のちょっと大雑把で大胆な感じも好き。よくよく細かいところまで比べるとすごく面白い。ぼろぼろだけど長年大事にとって置いてくれた親に感謝。
長文を読んで頂き、ありがとうございました!